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(8097) 三愛オブリ株式会社

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ブリッジレポート:(8097)三愛石油 vol.3

(8097:東証1部) 三愛石油 企業HP
金田 凖 社長
金田 凖 社長

【ブリッジレポート vol.3】2011年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「8月20日、同社ソーラー販売部・首都圏営業所(埼玉県所沢市)が(株)京セラソーラーコーポレーションのフランチャイズ店「京セラソーラーFC所・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年9月7日掲載
企業基本情報
企業名
三愛石油株式会社
社長
金田 凖
所在地
東京都品川区東大井5-22-5 オブリ・ユニビル
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年3月 833,991 6,364 6,675 1,005
2009年3月 981,734 9,353 9,714 4,618
2008年3月 861,914 7,537 7,456 3,298
2007年3月 791,583 7,044 7,354 3,281
2006年3月 726,445 5,713 5,799 4,032
2005年3月 360,046 5,892 6,385 3,814
2004年3月 266,352 3,576 4,088 1,780
2003年3月 261,719 3,051 3,146 692
株式情報(8/25現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
336円 74,810,890株 25,136百万円 1.9% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
11.00円 3.3% 26.73円 12.6倍 686.70円 0.5倍
※株価は8/25終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
三愛石油の2011年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
石油販売大手。主力の石油関連事業では、グループで約1,400のサービスステーション(以下、SS)に石油製品を供給しており、販売数量を安定的に伸ばしている。また、独自に開発した航空機への給油システム「ハイドラントシステム」により羽田空港の航空燃料供給を支えている他、LPガス(LPG)や天然ガスの販売も手掛けている。傘下に、キグナス石油(株)や國際油化(株)等の有力子会社を有し、子会社31社(うち連結子会社29社)及び関連会社4社(うち持分法適用会社1社)と共にグループを形成している。社名の“三愛”は、リコー三愛グループ(09年11月現在、63社・団体が加盟)各社の創業精神として受け継がれている「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」の「三愛精神」を基とする。
 
<事業内容>
事業は、石油製品の販売や化学品の製造・販売等の石油関連事業、LPGや天然ガスの販売を中心としたガス関連事業、及び航空燃料の給油業務や建設業等の航空関連事業他の3セグメントに分かれ、売上構成比は、それぞれ93%、6%、1%(10/3期)。
 
石油関連事業
SS向けの石油販売や法人向けの産業エネルギー販売と共に、溶剤、工業薬品、防腐・防カビ剤、自動車用ケミカル商品、金属表面処理剤等、様々な化学品の開発・製造・販売も手掛けている。
 
ガス関連事業
LPG、天然ガス、及び関連する機器の販売を行っている。LPG販売では直販子会社による家庭への供給と工業用の高圧ガス販売を手掛けており、天然ガス販売では佐賀県佐賀市で天然ガスを供給すると共に、電気と熱を生むコージェネレーションシステム等、省エネに必要な仕組み作りも提案している。
 
航空燃料事業他
航空燃料の保管及び航空機への給油を行う航空燃料取扱業と子会社三愛プラント工業(株)が手掛ける金属表面処理や建設工事等のその他に分かれ、売上高の約80%をその他が占めるが、営業利益の大半を航空燃料取扱業が稼ぎ出す。航空燃料取扱業では、羽田空港において、油槽船の接岸を含めた埠頭の管理や空港内の貯蔵タンク等の管理、及び地下パイプライン(全長約40km)を通して航空機に直接燃料を圧送するハイドラント式給油システムの運営・管理を独占的に行っている(実際の航空機への給油作業でも同空港の55~60%のシェアを有する)。また、神戸空港、佐賀空港、茨城空港他でも子会社で同様のサービスを提供しており、中部国際空港へは運営社員を派遣。
 
 
2011年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比13.2%の増収、同89.7%の経常増益
内需の低迷でガソリン・軽油等の石油製品やガス等の需要が減少したものの、石油製品価格上昇分の販売価格への転嫁が進み、売上・売上総利益共に増加。一方、経費節減や変動費の減少で販管費が減少したため、営業利益は同90.1%増加した。金融収益の増加で営業外損益が改善したものの、羽田空港の航空機給油施設の一部撤去に伴う固定資産除却損1,686百万円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額199百万円、更には投資有価証券評価損121百万円など特別損失2,009百万円を計上したため四半期純利益は同75.0%減少した。
 
今期より「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成21年3月27日)及び「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号平成20年3月21日)を適用しており、各セグメントの数値は前年同期との単純比較ができない。
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は前期末比180億6百万円減の1,788億20百万円。期末を越えて運転資金が減少したため、余剰資金を有利子負債の削減に充てた。CFの面では、四半期純利益の減少に加え、仕入債務の減少が大きかった事等で営業CFが減少。羽田空港の航空機給油施設関連の投資一巡で投資CFのマイナス幅が縮小したものの、フリーCFは4億60百万円のマイナスとなった。有利子負債の減少や配当の支払で財務CFもマイナスとなり現金及び現金同等物の四半期末残高は193億49百万円と前期末比43億75百万円減少した。
 
 
 
 
2011年3月期業績予想
 
 
上期及び通期の業績予想に変更は無く、通期で前期比1.9%の増収、同2.6%の経常減益予想
第1四半期の営業利益が上期の予想額を上回っているものの、景気の先行きや原油価格の動向等が不透明であるとして、期初に発表した上期及び通期の業績予想を据え置いた。配当は1株当たり上期5.5円、期末5.5円の年11円を予定している。
 
 
 
取材を終えて
8月20日、同社ソーラー販売部・首都圏営業所(埼玉県所沢市)が(株)京セラソーラーコーポレーションのフランチャイズ店「京セラソーラーFC所沢中央」としてスタートした。同営業所は、現在5名体制で住宅向けソーラー発電システムをはじめとして、IHクッキングヒーターやエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)等の展示・販売・施工からアフターサービスまでを一貫して行っている。中期的には、石油関連事業やガス関連事業培ったエネルギー関連ビジネスのノウハウや全国的な拠点ネットワークを活かした環境関連ビジネスにも注目したい。
尚、足下の状況として、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁が順調に進んでいる事が確認できた。業績予想が上方修正される事は無かったが、特に利益面では期初の想定を上回って推移しているものと思われる。