ブリッジレポート
(2435) 株式会社シダー

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ブリッジレポート:(2435)シダー vol.16

(2435:JASDAQ) シダー 企業HP
山崎 嘉忠 社長
山崎 嘉忠 社長

【ブリッジレポート vol.16】2011年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「前10/3期は施設の新規開設を抑制し、既存施設の充実や組織の整備と人材の育成に注力した。11/3期は新規開設が本来のペースに戻るが、前期に・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年9月7日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社シダー
社長
山崎 嘉忠
所在地
北九州市小倉北区大畠 1-7-19
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年3月 8,332 408 419 237
2009年3月 7,075 149 100 46
2008年3月 5,921 56 42 16
2007年3月 4,519 -403 -406 -247
2006年3月 4,251 309 297 166
2005年3月 3,649 352 288 164
2004年3月 3,125 122 97 41
2003年3月 2,352 111 104 30
2002年3月 1,594 17 21 11
2001年3月 281 -20 -21 -14
株式情報(8/26現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
280円 5,738,000株 1,607百万円 23.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10.00円 3.6% 35.43円 7.9倍 194.33円 1.4倍
※株価は8/26終値。
 
シダーの2011年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
デイサービス及び有料老人ホームを中心とした介護サービスを、本社のある福岡県を中心に、北海道、首都圏、関西圏、中国・四国地区、山口県で展開している。有料老人ホームでは施設数で業界13位、総居室数で16位のポジションにある(出所:「月刊シニアビジネスマーケット」2010年5月号より)。
事業は、同社の施設の来場者にサービスを提供するデイサービス事業、有料老人ホーム等の施設の入居者を対象にサービスを提供する施設事業、及び利用者の自宅を訪問して日常生活訓練や機能訓練等を行うリハビリサービスや日常生活のお手伝いを行うホームヘルパーサービス等の介護サービスを提供する在宅サービス事業に分かれる。10/3期の売上構成比は、それぞれ38.1%、53.0%、8.9%。
 
 
 
2011年3月期第1四半期決算
 
 
施設の新規開設が負担となり、増収ながら同51.3%の経常減益
デイサービス施設1施設と有料老人ホーム1施設を開設すると共に、既存施設において施設稼働率の向上を図るべくリニューアルや新規利用者の獲得とサービスの向上に努めた。この結果、施設サービスが伸びた他、デイサービスも堅調に推移し、売上高は2,162百万円と同8.2%増加した。ただ、施設の立ち上げ等で売上総利益率が悪化する一方、販管費が増加したため営業利益が同74.9%減少。助成金収入(36百万円)の計上による営業外損益の改善で経常利益は同51.3%の減少にとどまった。
 
 
デイサービス事業
山梨県甲府市に「あおぞらの里 甲府デイサービスセンター」を新規開設した他、既存デイサービス施設のリニューアルやサービスの質の向上にも努めた事で登録利用者数が増加。この結果、売上高が815百万円と同4.1%増加し、96百万円のセグメント利益を計上した。
施設サービス事業
秋田県秋田市に「ラ・ナシカ あきた」を新規開設すると共に、既存の有料老人ホームの入居者獲得に注力し施設稼働率の向上に努めた。この結果、売上高が1,157百万円と同12.1%増加し、90百万円のセグメント利益を計上した。
在宅サービス事業
他の主力事業に経営資源を集中させているため、ほぼ前年同期並みの売上高にとどまった。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は前期末比904百万円増の8,629百万円。施設の拡充に伴い有形固定資産や敷金・保証金が増加し、これらの設備投資に借入金の積み増しやリースの利用で対応した。CFの面では、税負担の増加(8百万円→130百万円)等で営業CFが減少した他、設備投資の増加で投資CFのマイナス幅も拡大したため、前年同期は175百万円だったフリーCFが70百万円に減少した。ただ、短期借入金を中心にした有利子負債の積み増しにより現金及び現金同等物の第1四半期末残高は861百万円と前期末比255百万円増加した。
 
 
 
2011年3月期業績予想
 
 
業績予想に変更は無く、通期で前期比5.1%の増収、同13.4%の経常減益予想
新規にデイサービス1施設、有料老人ホーム3施設のオープンを予定。前期にオープンした施設の寄与や既存施設の稼働率向上もあり、売上高は同5.1%増加するものの、新規開設に伴う初期費用や処遇改善交付金の受給に係る人件費の支払いが負担となり、営業利益は同23.4%減少する見込み。配当は、1株当たり10円の期末配当を予定している。
 
 
 
取材を終えて
前10/3期は施設の新規開設を抑制し、既存施設の充実や組織の整備と人材の育成に注力した。11/3期は新規開設が本来のペースに戻るが、前期に新規開設を抑制したため売上の伸びが低く、新規開設に伴う初期費用をカバーできない見込みだ。このため、減益が予想されているが、同社の中長期的な方向性になんら変わりは無く、むしろ、先を焦る事無く、一旦踊り場をつくり足場を固め直した同社の経営判断は評価に値する。
介護サービス業界では、厚生労働省から介護保険制度の見直しに向けた検討事項が公表された事で、10年度の改正に向けて、増加する財政負担の財源問題と介護サービスの充実及び介護スタッフの処遇改善等の論議が本格化してきた。来期以降、再び成長軌道に回帰するものと考えるが、法規制や業界動向も注意を払いたい。