ブリッジレポート:(4709)インフォメーション・ディベロプメント vol.32
(4709:JASDAQ) インフォメーション・ディベロプメント |
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企業名 |
株式会社インフォメーション・ディベロプメント |
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会長 |
尾﨑 眞民 |
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社長 |
舩越 真樹 |
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所在地 |
東京都千代田区二番町 7-5 |
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決算期 |
3月 |
業種 |
情報・通信 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2010年3月 | 17,263 | 850 | 864 | 155 |
2009年3月 | 18,458 | 1,057 | 1,109 | 563 |
2008年3月 | 18,032 | 1,200 | 1,191 | 594 |
2007年3月 | 14,692 | 1,024 | 1,024 | 550 |
2006年3月 | 13,028 | 851 | 845 | 430 |
2005年3月 | 11,378 | 550 | 557 | 119 |
2004年3月 | 11,203 | 625 | 628 | 203 |
2003年3月 | 11,668 | 598 | 591 | 274 |
2002年3月 | 11,081 | 548 | 546 | 272 |
2001年3月 | 9,738 | 756 | 735 | 242 |
2000年3月 | 8,468 | 640 | 586 | 320 |
株式情報(5/11現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
システム運営管理(ITO)
1,000名規模の技術者を擁する専門部隊が、導入後のシステム運営管理をサポート。ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。
ソフトウェア開発・保守(SI)
「独立系SE集団」として、特定のマシン、OS、ツール、開発言語にとらわれず、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。大型汎用機から携帯端末まで、金融、公共、サービス分野を中心に豊富な実績を誇る。
ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)
金融機関等へ「データ入力」、「バックオフィス」、「ヘルプデスク」、「要員派遣」、「デジタルソリューション」などのサービスを提供している。
その他
セキュリティ&コンサルティングを中心に展開している。「セキュリティ・マネジメント」、「外部からの攻撃対策」、「内部不正への対策」の3つの側面から企業をサポート。世界の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
<IDグループ>
同社の他、収益が安定しており営業エリアで補完関係が強い(株)日本カルチャソフトサービス(出資比率100%。以下、CS)、日本ユニシス(株)との合弁会社(株)ソフトウエア・ディベロプメント(80%、SD)、情報システム・コンサルティング等の(株)プライド(54.4%)、紙データの電子化技術を有する(株)シィ・エイ・ティ(59.5%、CAT)、及び中国でのオフショア開発を担う艾迪系統開発有限公司(100%、ID武漢)の連結子会社5社で企業グループを形成している。
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2010年3月期決算 |
企業のIT投資の縮小や経費節減を受けて、ソフトウェア開発やアウトソーシングが苦戦
連結売上高は前期比6.5%減の17,263百万円。主力のシステム運営管理が微増収となったものの、ソフトウェア開発の受注不振や大型案件の終了によるデータ入力業務の落ち込みが響いた。利益面では、内製化の推進及び生産性向上(外注活用の効率化と時間外勤務の抑制等)により売上総利益率が19.2%と0.6ポイント改善したものの、売上の減少とM&Aに伴う人件費(1,592百万円→1,676百万円)やのれん償却費(99百万円→150百万円)等の増加で同19.5%の営業減益。受取配当金の減少(62百万円→11百万円)等で営業外損益が悪化した他、2期連続で赤字となったCATの「のれん」の減損損失(一括償却)251百万円など特別損失279百万円を計上したため、当期純利益は同72.5%減少した。尚、減収・減益となったものの、内製化の推進及び生産性向上施策等によるソフトウェア開発・保守における収益性改善で営業利益及び経常利益が上期決算発表時の予想を大きく上回った。
システム運営管理
顧客からの値下げ要請が続いているものの、潜在需要の掘り起こしが進み、ほぼ前期並みの売上を確保した。
ソフトウェア開発・保守
電力・ガスといった公共分野が好調に推移したものの、金融関連の案件減少及び一部連結子会社における受注不振の影響をカバーできなかった。ただ、内製化の推進及び生産性向上により営業利益は過去最高となった模様。
データ入力部門
株券電子化の施行に伴う証券代行案件の終了により売上が大きく減少した。
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比572百万円減の9,483百万円。「のれん」の減損処理により無形固定資産が大きく減少した他、有利子負債の削減を進めたため現預金も減少した。CFの面では、M&A関連の支出が無くなり投資CFのマイナス幅が縮小したものの、利益の減少による営業CFの減少が響きフリーCFが前期の471百万円から232百万円に減少。有利子負債の削減を進めたため財務CFのマイナス幅も拡大した。ただ、期末の有利子負債残高は短期借入金を中心に698百万円にまで減少しており、実質的には無借と言える健全経営である。
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業界動向と同業他社の状況 |
(1)業界動向
経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(10年4月12日発表)によると、情報サービス産業の売上高は、09年6月からマイナス成長が続き、10年2月まで9ヶ月連続の減少となった。
(2)同業他社の状況
厳しい事業環境が続き、09年度は同業他社も軒並み減収・減益決算を強いられた。
(3)2010年の見通し
最悪期を脱した感はあるものの、同社では10年度(同社における11/3期)も厳しい事業環境が続くと見ており、回復は11年度(同12/3期)以降と考えている。
(4)同業他社の10年度予想
10年度は同業他社も業績回復を見込んでいるものの、総じて売上の伸びは低く、コスト削減等を中心にしたものと思われる。
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2011年3月期業績予想 |
前期比1.4%の増収、同21.5%の経常増益予想
データ入力に大口案件終了の影響が残るものの、既存顧客の深耕が進む事でソフトウェア開発・保守の売上が伸びる他、高付加価値サービスの提供による受注拡大でシステム運営管理の売上も増加する見込み。利益面では、内製化の推進及び生産性向上効果が通期で現れ売上総利益率が一段と改善。のれん償却費を中心に販管費も減少するため、営業利益が同23.4%増加する見込み。期末配当は1株当たり19円を予定している。
(2)中期的な方向性
「サービスの統合」、「クラウド」、及び「中国での深耕」をキーワードに顧客との関係強化に努める。
①市場の変化(「作る」から「使う」)への対応
クラウドコンピューティングが実用段階を迎え、情報システムは「作り保有する」時代から「サービスを利用する」時代へ移行しつつある。このため、情報サービス各社も業務の変革を求められている。同社は業務の選択と集中を進めると共に、新規サービスの開発とM&Aによる新たな技術や取引先の取り込みにより更なる飛躍を図る考え。
②売上拡大タクティクス
・既存顧客の深耕
(株)プライドのコンサルティングやID武漢のオフショア等、グループの経営資源をフルに活用してBOO戦略を推進し既存顧客の深耕を図る。尚、BOO(ビジネス・オペレーションズ・アウトソーシング)とは、川上から川下まで一括サービスを提供する事(一顧客複数取引)。
・グローバル戦略
オフショアビジネスの拡大を図るべく、2010年1月に無錫支店を開設しBPOオフショアセンターをオープンした(オフショア開発は04年4月に稼動)。中期的には、オフショアビジネスにとどまらず、中国市場の開拓にも力を入れていく考え。
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