ブリッジレポート
(7590) 株式会社タカショー

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ブリッジレポート:(7590)タカショー vol.15

(7590:JASDAQ) タカショー 企業HP
高岡 伸夫 社長
高岡 伸夫 社長

【ブリッジレポート vol.15】2010年1月期業績レポート
取材概要「「ガーデンは家での暮らしにおける5番目の部屋である」と言う「5th ROOM」(フィフスルーム)を提唱し、新商品の投入と市場への啓蒙活動に・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年3月23日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社タカショー
社長
高岡 伸夫
所在地
和歌山県海南市南赤坂20-1
決算期
1月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年1月 12,756 580 584 296
2009年1月 13,118 440 393 246
2008年1月 13,437 597 474 289
2007年1月 12,420 424 414 183
2006年1月 11,112 528 541 305
2005年1月 10,895 528 498 270
2004年1月 10,153 466 346 213
2003年1月 10,057 360 257 162
2002年1月 9,457 -17 -83 -89
2001年1月 9,045 523 467 177
2000年1月 8,535 580 575 258
株式情報(3/12現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
370円 8,479,950株 3,138百万円 7.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
14.00円 3.8% 46.70円 7.9倍 496.05円 0.7倍
※株価は3/12終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
タカショーの2010年1月期決算ついて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材等の庭園資材を製造・販売。LED(発光ダイオード)ライト等の照明機器、池・滝・噴水等のウォーターガーデンや坪庭等も手掛けている。商品の企画から製造、販売まで一貫体制をグループで確立しており、製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニアへも展開。天候要因で業績が振れやすい面はあるものの、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」の牽引役として期待がかかる。
 
<販売ルート(営業部門)>
営業部門は、販売ルート別に設計・施工が必要な工務店向け「プロユース」、ホームセンターへの卸売を中心にした一般消費者向け「ホームユース」、「e-コマース・通信販売」、「輸出」に分かれる。個別ベース売上構成比は、それぞれ48.1%、46.2%、2.9%、2.8%(10/1期実績)。
「プロユース」では、プロユーザー向けのカタログ「PROEX(プロエクス)」を業界最大の約25万冊印刷し、造園業者、設計士、エクステリア施工店、商業施設等にダイレクトメールで配布している。カタログには商品を使った庭園イメージの写真が掲載されており、この写真を見ながら実際に施工する場所と庭園の簡単な図面を書いてファックスもしくはWebで発注すると、CAD(コンピュータによる設計支援システム)、CG(コンピュータ映像)を駆使した完成予想図と共に見積書を当日中に返送し、正式な注文があれば商品を1週間以内に届ける。
 
 
2010年1月期決算
 
 
損益分岐点の引き下げにより経常最高益更新
連結売上高は前期比2.8%減の12,756百万円。住宅・不動産市況に回復が見られず、また、天候不順により季節商品が低迷したものの、「5th ROOM」(フィフスルーム:ガーデンは家での暮らしにおける5番目の部屋)のコンセプトの下、“ポーチガーデン”関連製品や「エバーアートウッド」等が堅調に推移。省エネでデザインが優れ、施工も簡単な「ソーラーライト」や「ローボルトライト」等も伸びた。
営業利益は同31.7%増の580百万円。円高が追い風となった他、“ポーチガーデン”関連製品や「エバースクリーン」等の収益性の高い新製品の寄与、更には原材料の値下がりや欧州子会社の利益率改善もあり、売上総利益率が2.2ポイント改善。人材確保や退職給付費用等で人件費が増加したものの、物流費や支払手数料等を中心にした全社的なコスト削減で吸収、販管費をほぼ前期並みに抑えた。金融収支の改善や為替差益の増加、更には企業立地奨励金収入の計上等もあり営業外損益も改善、経常利益は584百万円と同48.6%増加し最高益を更新した。当期純利益の伸びが低いのは、韓国子会社の整理(支店として再スタート)に伴う損失引当金35百万円など特別損失37百万円や過年度法人税を計上したため。為替レートは94.13円と前期(107.45円)に比べて13.32円の円高。
配当は、当初の発表通り1株当たり14円の期末配当を実施する考え。
 
 
 
ガーデンフェンスでは、「人工竹垣関連」が2,321百万円と前期比8.6%減少したものの、プロユースを中心に「エバーアートウッド」が1,307百万円と同20.2%増加。庭園資材も天候不順で苦戦を強いられたものの、「よしず」や「すだれ」等の「日除け商品」が1,385百万円とほぼ前期並の売上を確保。照明機器では「ソーラーライト」が602百万円と同57.8%増加した他、「ローボルトライト」が前期の2百万円から137百万円に増加した。
 
エバーアートウッド
「エバーアートウッド」は、様々な木の表情を忠実に再現したアルミ材。プライバシーを守る壁やパーゴラやアーチ等、庭のデザインの一部としても用途は多様。
 
日除け商品
 
新製品 エバースクリーン
ガーデンやエクステリアの空間を「仕切る」、「創る」、「演出する」プランニングに柔軟に対応。シンプルな構造だから、プランニングへの落とし込みが早く、ゾーニングに合わせた応用が可能。
 
(2)主要会社別の動向
個別業績は、売上高が前期比6.4%減の11,143百万円、経常利益が同77.4%増の368百万円。住宅・不動産市況悪化の影響を受けてプロユースの売上が減少、ホームユースもホームセンターの来客数減少等の影響を受けた。この他、取引先の売上低迷で通販が落ち込んだ他、輸出も減少したが、物流費や全社的な経費削減が進み月次損益分岐点が908百万円から798に低下、為替差損益の改善により営業外損益も改善した。

国内の連結子会社各社は、地金相場下落によるアルミ仕入原価減少等の恩恵を受けた子会社もあったが、全般には住宅・不動産市況低迷等の影響を受けた。特に、LEDを使った照明機器を手掛ける(株)タカショーデジテックが販売価格の下落や営業強化に伴う人件費の増加等で経常損失となった他、09年6月に設立した空間プロデュースの(株)エンサイトデザインが利益計上に至らなかった。
海外では、オーストラリアに現地法人を設立した他、中国に製造子会社及び販売子会社を設立。欧州や中国の既存子会社の業績が堅調に推移し、新会社の立ち上げ費用をほぼ吸収した。
 
 
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比153百万円増の9,322百万円。下期の売上が前年同期比で増加した事等で売上債権が増加。運転資金や税負担の増加による営業CFの減少でフリーCFが減少したものの、借入金の返済が減少したため期末の減預金残高も増加した。
 
 
 
 
2011年1月期業績予想
 
 
前期比6.6%の増収、同10.1%の経常増益予想
住宅・不動産市況の緩やかな回復が見込まれる中、新製品が寄与するプロユースを中心に売上が伸びる。増収効果と前期損失を計上した子会社の損益改善により営業利益が同16.9%増加する見込み。配当は1株当たり14円を予定している。
 
 
 
取材を終えて
「ガーデンは家での暮らしにおける5番目の部屋である」と言う「5th ROOM」(フィフスルーム)を提唱し、新商品の投入と市場への啓蒙活動に取り組む同社だが、「庭の価値を上げると、家の価値が上がる」と言う認識が定着しつつあり、住宅メーカーもエクステリア関連に力を入れ始めた。大和ハウス、住友林業、旭化成ホームズ等の大手ハウスメーカーが、エクステリアのカタログにタカショー製品を掲載するケースが増えていると言う。東洋エクステリアやアイリスオーヤマ等がライバルとなるが、全国の有力施工店の組織であるタカショーリフォームガーデンクラブによる施工力とニッチな分野への対応力が同社の強みだ。