ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.31
(6914:東証1部) オプテックス |
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企業名 |
オプテックス株式会社 |
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社長 |
小林 徹 |
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所在地 |
滋賀県大津市雄琴 5-8-12 |
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決算期 |
12月 |
業種 |
電気機器(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2009年12月 | 15,124 | 620 | 735 | 332 |
2008年12月 | 20,916 | 2,661 | 2,489 | 1,004 |
2007年12月 | 22,167 | 3,854 | 4,075 | 2,377 |
2006年12月 | 20,294 | 3,728 | 3,921 | 2,282 |
2005年12月 | 19,012 | 2,655 | 2,776 | 1,584 |
2004年12月 | 17,138 | 2,159 | 2,321 | 1,297 |
2003年12月 | 15,173 | 2,203 | 2,215 | 1,354 |
2002年12月 | 13,047 | 1,595 | 1,546 | 951 |
2001年12月 | 11,507 | 1,173 | 1,305 | 544 |
2000年12月 | 11,240 | 1,081 | 1,213 | 620 |
1999年12月 | 11,201 | 1,133 | 957 | 861 |
株式情報(2/16現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
<事業内容>
事業は、防犯事業、自動ドア事業、産業機器事業、環境関連事業、交通関連事業、生産受託(EMS)事業・その他に分かれる。
防犯関連事業
主な製品は、屋内外で使われる各種センサ、ワイヤレスセキュリティシステム、画像記録システム等。屋外用センサでは、世界でもトップクラスのシェアを有し、近年では、デジタル画像技術・通信技術等を活かした製品開発にも取り込んでいる。
自動ドア関連事業
主な製品は、無目付け用センサ、シートシャッター用センサ、ワイヤレスタッチセンサ等。世界で初めて遠赤外線式自動ドア用センサを開発した同社だが、近年では、画像センシング技術の活用により、ドアの自動開閉だけでなく、入退室者の管理や来店者数カウントなど人の動きを分析できる製品も供給している。
産業機器関連事業
連結子会社 オプテックス・エフエー(株)の事業領域。人体用センサだけでなく、物体検知用各種センサにも注力しており、CCDカメラ・液晶モニタ・操作部が一体となった世界初のカラービジョンセンサ「CVSシリーズ」は現場ニーズに即して開発した製品で独自性が高い。
EMS・交通関連事業等
アジア向けEMS(生産受託)を展開。交通関連事業は危険な瞬間を記録する「ドライブトレーナー」が主な製品。日常的に運転履歴に加え、交通事故時の映像を録画することも可能。
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2009年12月期決算 |
世界的な需要減少に円高が加わり減収・減益
売上高は前期比27.7%減の15,124百万円。2008年秋のリーマンショック以降の需要減少が続いた上、円高の影響もあり、防犯関連、自動ドア関連、産業機器関連の主要3事業で売上が大きく落ち込んだ。利益面では、時間外労働の抑制や開発分野での技術者派遣の見直しによる研究開発費を含めた人件費の削減に加え、外部への設計委託費用など諸経費の削減にも努めたものの、減収の影響をカバーできず営業利益は同76.7%減少した。ただ、為替差損が無くなり営業外損益が改善した他、投資有価証券関連を中心に特別損益も改善。更には、海外子会社配当金益金不算入制度の導入による繰延税金負債の取り崩しの影響もあり、当期純利益は66.9%の減少にとどまった。設備投資は281百万円(前期は673百万円)、減価償却費は570百万円(同619百万円)、研究開発費は1,440百万円(同1,810百万円)。 尚、売上総利益の主な減少要因は、減収による影響(2,575百万円)の他、原価率上昇(349百万円)、為替の影響(460百万円)。また、販管費の主な減少要因は、研究開発費の減少(370百万円)、研究開発費を除く人件費の減少(226百万円)、その他販管費の削減(423百万円)、子会社経費の為替の影響(324百万円)。 防犯関連事業
売上高は前期比26.0%減の7,216百万円。国内で警備会社、電設資材、家電業界向け等が減少した他、海外も主力の欧州(特にスペインやイタリア等)を中心に住宅建設の落ち込み等で低迷した。ただ、在庫調整の一巡に加え、カメラ起動用「高精度屋外センサ」などラインナップの拡充効果もあり、足下では回復傾向にある。
自動ドア関連事業
売上高は前期比31.7%減の3,619百万円。国内では、建築市況の低迷により自動ドア用センサの需要が減少した事に加え、前期に百貨店や家電量販店向けに伸びた顧客情報システム(センサを使った入場者数のカウントシステム。子会社の技研トラステムが手掛ける)が大きく落ち込んだ。海外も欧米での自動ドア業界の苦戦を受けて売上が減少した。ただ、前期に発売したスライドドア用センサの好調で欧州でのシェアが12%から14%に上昇した模様。尚、顧客情報システムを除くと、国内売上高の減少は前期比13%の減少にとどまる。
産業機器関連
売上高は前期比24.3%減の3,190百万円。国内では、三品(食品、医薬品、化粧品)業界向けに画像センサ等の高付加価値製品が堅調に推移したものの、半導体、自動車業界向けが落ち込んだ。また、海外も設備投資の低迷で売上高が減少したが、主力の欧州が第2四半期を底に緩やかな回復傾向にある。
その他
売上高は前期比33.3%減の1,098百万円。アジア向けEMS(生産受託)等の売上が減少した。
四半期ベースでは第2四半期を底にゆるやかな回復へ
第2四半期を底に防犯関連、自動ドア関連、及び産業機器関連といった主力事業で売上が回復傾向にある上、第3四半期以降、コスト削減効果も顕在化してきた。
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比656百万円減の20,735百万円。売上の減少に伴う売上債権の減少や設備投資の抑制等によりフリーCFが改善(40百万円→1,259百万円)、現預金が増加した。キャッシュポジションが高い一方、有利子負債は残高があるものの極めて低水準で財務体質は良好。財務CFのマイナスは、自社株買いの減少等による。
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2010年12月期業績予想 |
前期比14.4%の増収、同76.8%の経常増益予想
欧州での防犯関連や国内での産業機器関連が伸びる他、新規事業として育成中の照明制御(調光型LED照明システム)事業の寄与も見込まれる。増収効果に加え、引き続きコスト削減にも努める事で、営業利益は1,200百万円と同93.4%増加する見込み。為替レートの前提は、対米ドル90円、対ポンド140円、対ユーロ130円。設備投資は550百万円(前期は281百万円)を計画しており、減価償却費660百万円(570百万円)、研究開発費1,570百万円(1,440百万円)を織り込んだ。配当は1株当たり上期末15円、下期末15円の年30円を予定。 防犯関連事業
売上高は前期比8.6%増の7,840百万円。日米欧で住宅を含めた建築市況の回復が遅れているものの、世界の監視カメラ市場は回復基調に転じており、2010年は成長軌道に復する見込み。同社においても、足下、代理店からのオーダーがほぼピーク時の水準にまで回復している(金額ベースでは為替の影響を受けている)。こうした中、同社はPVR(Remote Video Response)事業を中心に屋外センサを用いたソリューション提供によりハイセキュリティ向け販路の拡大を図る他、人員増強により中国での販売力を強化する考え。また、欧州拠点の再構築も検討している。
自動ドア関連事業
売上高は前期比9.7%増の3,970百万円。メンテ需要等を中心に増収が見込まれるものの、国内・国外共に建築市況の回復には時間を要すると思われ、自動ドア業界の動向は必ずしも楽観できない。このため、安全性と安定性に優れた製品特性をアピールし、北米のスイングドア用センサ市場及び欧州のスライドドア用センサ市場でのシェア拡大を図る。尚、北米では14年にシェア50%が目標(09年18%)。また、欧州では、14年にシェア40%が目標(09年14%)。この他、韓国や中国での顧客情報システム事業の進展も見込まれる。
産業機器関連
売上高は前期比18.5%増の3,780百万円。アジアやその他の新興国を中心に設備投資は回復傾向にあり、FA用センサも需要回復が見込まれる。販売企画や商品企画と共にWebサイトの活用も含めて販促機能を強化し、品質と価格競争力で大手センサメーカーの製品を凌駕する新製品の拡販を図る考え。飲料・食料市場でのシェアアップ、太陽電池関連市場の開拓(パネルの品質検査など)、自動車・機械メーカー需要の掘り起こし等を基本方針に掲げている。
※ 調光型LED照明システム
調光型LED照明システムは、消費電力の少ないLEDと起動用のセンサを組み合わせる事で、必要な時に必要なだけ、必要量を点灯させる(センサによる調光)事で省エネを実現する。工場、倉庫、駐車場、ガソリンスタンド、体育館等での利用を想定しており、照明メーカーとのタイアップも含め事業を進めていく考え。
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