ブリッジレポート:(2468)フュートレック vol.13
(2468:東証マザーズ) フュートレック |
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企業名 |
株式会社フュートレック |
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社長 |
藤木 英幸 |
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所在地 |
大阪市淀川区西中島 6-1-1 |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2009年3月 | 1,777 | 404 | 415 | 221 |
2008年3月 | 1,598 | 264 | 277 | 159 |
2007年3月 | 1,253 | 249 | 256 | 162 |
2006年3月 | 1,443 | 173 | 165 | 99 |
2005年3月 | 1,059 | 69 | 79 | 33 |
2004年3月 | 907 | 9 | 6 | -1 |
2003年3月 | 736 | 12 | 12 | 3 |
2002年3月 | 435 | 17 | 34 | 29 |
株式情報(2/9現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
LSIの設計やセンサーの受託開発からスタートした同社だが、ソフト音源や分散音声認識技術などソフトウエア分野へ活動範囲を広げており、既に、ソフトウエア技術をベースにした音声認識システムに関する売上が連結売上高の1/3を占めている。中期的にはハード・ソフトの技術をベースにサービス分野を強化する事で、「技術開発型会社」から「技術開発型サービス会社」へと業態を進化させていく考え。 <事業セグメント>
単一セグメントであるが事業部制を敷いており、音源事業及び車載用ソフトウエア受託開発の第1事業部、センサー等の開発を行なっている受託開発事業とメモリーカードへの書き込みを行なうカード事業の第2事業部、音声認識事業の第3事業部に分かれる。09/3期の売上構成比は、それぞれ51.3%、14.5%、34.1%。更に、10/3期から第4事業部として、UI(ユーザーインターフェイス)ソリューション事業を開始した。
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2010年3月期第3四半期決算 |
前年同期比4.8%の減収、同20.1%の経常減益
携帯電話の生産・販売台数の減少による音源部門の落ち込みや自動車関連を中心とする受託開発の苦戦に加え、音声認識部門で前年同期にソフトウエアのイニシャルライセンス収入があった反動もあり売上高が減少。利益面では、経費削減と子会社の減少により販管費が減少したものの、売上総利益の減少をカバーできず営業利益は同20.1%減少した。
第1事業部(音源事業)
割賦販売方式導入や国内消費低迷による携帯電話の生産・販売台数の落ち込みが響き、売上高は602百万円と前年同期比20.1%減少した。尚、音源IP販売の対価は、初期特許料としてのイニシャルライセンス、実装設計や改修に伴うカスタマイズ、及び端末生産1台あたりの利用料としてのランニングロイヤルティの3種類に分かれ、携帯キャリア、携帯端末メーカー、及び半導体ベンダーから受け取る。
第2事業部(受託開発・カード事業)
売上高は前年同期比32.0%減の160百万円。カード部門が101百万円と同1.0%増加したものの、前第3四半期に子会社(株)インストームが連結範囲から外れた事及び自動車業界の低迷の影響を受けて受託開発部門が58百万円と同56.7%減少した。
第3事業部(音声認識事業)
売上高は前年同期比22.1%減の380百万円。実装設計や改修に伴うカスタマイズ収入や端末生産1台あたりの利用料としてのランニングロイヤルティ収入が順調に推移したものの、前年同期に計上されたソフトウエアのイニシャルライセンスの減少をカバーできなかった。尚、ランニングロイヤルティ収入は従来のフロントエンドに加え第1四半期から携帯電話向けに新しいハイブリッド型音声認識エンジン(従来のサーバでの認識に加えて、携帯電話内での認識も可能で、アドレス帳や登録辞書から固有名詞も認識できる)がNTTドコモに採用され、端末に搭載された事等による。
第4事業部(UIソリューション事業)
(株)カナックからライセンス供与を受け、今期より電子ヘルプ機能「使いかたナビ®」及びその検索技術の提供を行っている。2009年NTTドコモの冬春モデルから搭載が始まり、イニシャルライセンス及びランニングロイヤルティを含む売上、262百万円を計上した。
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
財政状態に大きな変化は無く、無借金の強固な財務体質が維持されている。第3四半期末の総資産は前期末比94百万円増の2,515百万円。キャッシュポジションを落とし、有価証券や投資有価証券など余資運用に充当した。CFの面では、減価償却費の増加や運転資金の減少等で営業CFが増加する一方、無形固定資産の取得の減少で投資CFのマイナス幅が縮小したため、前年同期に92百万円のマイナスだったフリーCFがほぼ均衡した。 |
2010年3月期業績予想 |
通期業績予想に変更は無く、前期比6.9%の増収、同20.4%の経常増益予想
音源事業及び受託開発の苦戦が続くものの、UIソリューション事業が順調に拡大する他、音声認識事業もランニングロイヤルティ収入を中心に堅調に推移する見込み。前期の第4四半期が営業損失であった事もあり、営業利益は同23.7%の増加を見込む。第3四半期累計期間の進捗率は売上高が73.9%、営業利益が69.0%、経常利益が70.4%。配当は1株当たり1,850円の期末配当を予定(10月1日付けで1株を2株に分割したため、実質的には1株当たり1,000円の増配)。 (2)子会社(株)ATR-Trekとオムロンソフトウェア(株)との技術提携
この提携に基づき、(株)ATR-Trekは、「日本語HMM音声合成エンジン」に、オムロンソフトウェア(株)の製品である「iWnn」(あいうんぬ)を採用する。「iWnn」とは、音声合成を行う(携帯端末が、単語や文章を読み上げる)際に、より自然な発話を実現するための機能を有する他、漢字変換入力システム及びそれに対応する辞書を備えている。このため、「iWnn」を採用する事により、携帯電話で音声合成を行う扱う際の発音の間違いを減らす事ができる(注)他、これまで音声入力機能と音声合成機能を有する携帯電話は音声入力用の辞書と音声合成用の辞書の二種類の辞書を搭載する必要があったが、「iWnn」を採用する事で音声入力機能と音声合成機能が辞書を共有する事ができるため、メモリ使用量を大幅に削減できる。 両社は今後も、(株)ATR-Trekが保有する音声認識技術や言語翻訳技術と、オムロンソフトウェア(株)が保有する多言語入力システム、サーバクライアント型入力システム技術や言語基盤において連携して開発を行っていく考え。 (注) 音声合成では、文章の正確な読み上げを行うために正しい読み振りを行う必要がある。例えば、「私は・・・」という場合、「は」は文字面どおりならば「Ha」だが、ここでは助詞として使われているので、正しい発音は「Wa」となる。このように、品詞を正しく特定し正しい読みを振るための機能を「iWnn」は備えている。 |
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