ブリッジレポート
(8275) 株式会社フォーバル

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ブリッジレポート:(8275)フォーバル vol.27

(8275:JASDAQ) フォーバル 企業HP
大久保 秀夫 社長
大久保 秀夫 社長

【ブリッジレポート vol.27】2010年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「機器販売の苦戦で厳しいスタートとなったが、Webサポートサービスやリスティング広告等の安定的な収益が期待できるサービスやセキュリティ・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年9月1日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバル
会長兼社長
大久保 秀夫
所在地
東京都渋谷区神宮前 5-52-2 青山オーバルビル
決算期
3月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年3月 34,358 112 17 -1,879
2008年3月 34,323 -933 -1,264 -532
2007年3月 26,216 -1,878 -2,012 -1,390
2006年3月 27,500 3 14 1,063
2005年3月 40,089 1,962 1,962 1,174
2004年3月 32,981 1,446 1,360 660
2003年3月 37,402 1,522 1,334 443
2002年3月 44,411 -860 -1,027 -4,756
2001年3月 52,045 1,026 699 86
2000年3月 54,668 1,278 1,281 1,122
株式情報(8/19現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
237円 13,764,292株 3,262百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.50円 5.3% 7.27円 32.6倍 266.79円 0.9倍
※株価は8/19終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
フォーバルの2010年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
都心部の中堅・中小法人を対象に、電話機や複写機等のオフィス向け情報通信機器の開発・販売・設置・保守サービスの他、携帯電話端末の販売、光ファイバーを利用したIP 電話サービス(商品名FTフォン)、更にはセキュリティサービス等、様々なサービスを「ワンストップ」で提供している。社名のFORVAL(フォーバル)は、「For Social Value」を語源とし、「社会価値創出企業をめざす」という経営理念が込められている。
 
<事業セグメント>
事業セグメントは、電話機、複写機、パソコン等の販売を主とする機器関連事業と、FTフォン等の通信サービスや携帯電話の販売を中心とした通信ネットワークやセキュリティ関連等のネットワーク関連事業に分かれ、09/3期の売上構成比は、前者が28.5%、後者が71.5%。
 
<「総合ブロードバンドソリューションカンパニー集団」を目指して>
1980年に設立され電話機販売からスタートした同社だが、その後、ナローバンド、ブロードバンド、そしてモバイルと、時代のニーズに即した分野で様々なサービスを開発してきた。そして、今、フォーバルグループとして、中小・中堅企業に対するNo.1の「総合ブロードバンドソリューションカンパニー集団」を目指し、情報通信分野を核とした総合経営コンサルティングサービス「アイコン」を育成中である。
 
 
2010年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比11.2%の減収、91百万円の経常損失となった。
Webサポートサービスやリスティング広告等のストックサービス、或いはセキュリティアプライアンス商品等のセキュリティ関連の売上が伸びたものの、店舗の閉鎖等で携帯電話販売が減少した他、電話機や複写機等の販売も落ち込んだ。利益面では、子会社の事業縮小に伴う広告宣伝費の減少や、店舗・事務所等の地代家賃の減少に加え、フォーバルにおける前期の減損処理に伴う営業権の償却負担の軽減等で販管費が減少したものの、減収による影響を吸収できず、88百万円の営業損失となった。尚、四半期純損失の額が経常損失に比べて大きいのは税効果会計等の影響による。
 
 
機器関連事業
売上高は前年同期比13.2%減の2,146百万円。電話機は代理店への販売が増える等、数量的には前年同期を上回ったものの、単価の下落により売上高が868百万円と同10.9%減少した。情報機器関連の売上高は同25.3%減の265百万円。前期に好調だったサーバー等の販売が減少した。また、複写機の売上高も996百万円と同11.1%減少した(尚、社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会によると、09年1-3月の国内向け複写機・複合機の金額ベースの売上は21.8%減。4月以降回復が見られるものの厳しい状況が続いていると言う)。
 
ネットワーク関連事業
子会社事業縮小の一環で携帯電話販売の子会社リンクアップにおいて一部店舗の閉鎖をした事もあり、当セグメントの売上高の大半を占める通信ネットワークの売上高が4,205百万円と同13.0%減少した。一方、前期初に取り扱いを開始したWebサポートサービスや前第1四半期に開始したリスティング広告等のストック型サービスの寄与により、Web関連の売上高が254百万円と同5.7%増加した他、中小企業向け統合型セキュリティアプライアンス商品(アプライアンスとは特定の機能に特化したコンピュータ)が堅調に推移したセキュリティ関連の売上高も361百万円と同31.9%増加した。その他では、景気の悪化で印刷関連子会社や特注文具関連子会社等の売上が減少した影響で売上高が922百万円と同13.3%減少した。
 
 
第1四半期末の総資産は前期末比1,430百万円減の13,815百万円。売上の減少等で売上債権、仕入債務が減少した他、法人税や配当の支払い及び借入金の返済による有利子負債の減少等で現預金が減少した。
 
 
営業CFは黒字を確保。一方、子会社株式の取得等がなくなり、投資CFのマイナス幅が大幅に縮小したため、フリーCFも黒字を維持した。
 
2010年3月期業績予想
 
業績予想に変更は無い。総合経営コンサルティングサービス「アイコン」の強化と継続的なコスト削減による収益性の改善に加え、第2四半期以降、前期に行ったリストラの効果が本格的に現れてくる見込み。通期予想は、連結売上高34,000百万円(前期比1.0%減)、営業利益400百万円(前期は112百万円)、経常利益400百万円(同17百万円)、当期純利益100百万円(同1,879百万円の損失)。配当は、前期と同額の1株当たり期末12.5円を予定している。
 
 
 
 
取材を終えて
機器販売の苦戦で厳しいスタートとなったが、Webサポートサービスやリスティング広告等の安定的な収益が期待できるサービスやセキュリティ関連等の新しいサービスが伸びている事も確認できた。通期の業績について論じるのは時期尚早だが、前期に実施したリストラ効果等が本格的に現れてくる第2四半期(7-9月)にどの程度挽回できるかが、通期業績を考える上でのポイントになろう。
尚、同社グループの事業領域である情報通信分野ではブロードバンド化やIP化等の急速な進展に伴い、固定と移動の融合、通信と放送の連携、インターネットを活用した新たなサービスの拡大等、ダイナミックに市場が変化している。当面、厳しい事業環境が続くものと思われるが、ダイナミックに市場が変化する中ではビジネスチャンスも拡大していると考える。