ブリッジレポート
(4955) アグロ カネショウ株式会社

スタンダード

ブリッジレポート:(4955)アグロ カネショウ vol.24

(4955:東証2部) アグロ カネショウ 企業HP
櫛引 博敬 社長
櫛引 博敬 社長

【ブリッジレポート vol.24】2009年12月期第2四半期業績レポート
取材概要「上期の業績が期初予想を上回ったが、売上高が期初予想を下回る中での委託試験費の減少等がその主な理由であった事を考えると、通期の業績予想・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年9月1日掲載
企業基本情報
企業名
アグロ カネショウ株式会社
社長
櫛引 博敬
所在地
東京都港区赤坂 4-2-19
決算期
12月
業種
化学(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年12月 13,592 694 652 -108
2007年12月 13,391 533 476 258
2006年12月 12,851 576 497 272
2005年12月 12,154 442 385 114
2004年12月 10,742 536 366 186
2003年12月 7,322 -220 -208 -278
2002年12月 7,792 113 150 41
2001年12月 7,733 242 279 63
2000年12月 8,300 662 709 423
1999年12月 7,821 642 656 224
株式情報(8/17現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
720円 6,446,523株 4,641百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 2.8% 35.46円 20.3倍 1,618.84円 0.4倍
※株価は8/17終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
アグロ カネショウの2009年12月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
人と自然と環境にやさしい農薬づくりに取り組む農薬専業メーカー。売上の約95%を農薬の販売が占め、国内の売上が全体の約80%。提携先である三井物産(8031)が同社株式の20%を保有する。
病害・害虫防除剤、除草剤など果樹・野菜向けを主体とし、農家密着型の営業展開により他の農薬メーカーと差別化を図っている。一般の農薬流通は、農薬メーカーを起点として川上から川下に商品を押し込むプッシュ型だが、同社は農家を起点として需要を汲み上げるプル型の流通体制を構築している。
 
 
 
2009年12月期第2四半期決算
 
 
前年同期比9.0%の減収、同14.3%の経常増益となった。
果樹を中心にした農作物の価格低迷を受けて病害虫防除費用の削減の影響で、商品の動きが例年よりも鈍かった事に加え、円高の影響もあり、売上高は前年同期実績及び期初予想を下回った。一方、利益面では、農薬登録のための委託試験費減少や経費削減の進展による子会社の収益改善等により売上総利益率が改善すると共に販管費が減少、営業利益は同30.7%増加した。経常利益が同14.3%の増加にとどまったのは、為替差損110百万円を営業外費用に計上したため。
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第2四半期末の総資産は前期末比878百万円増の18,915百万円。財政状態で特筆すべき事は無く、借方では、売上債権、たな卸資産、及び所沢事業所の再構築で有形固定資産が増加する一方、現預金が減少した。貸方では、仕入債務や純資産が増加する一方、有利子負債が減少した。上期末にかけて、売上債権、たな卸資産、及び仕入債務が増加する一方、現預金が減少するのは例年の通りである。
キャッシュの動きを見てみると、利益が増加する一方、売上債権の増加が前年同期ほどではなかったため、営業CFが改善。所沢事業所の再構築等の設備投資や定期預金の預け入れ等で投資CFはほぼ前年同期並み。長短借入金の返済や配当金の支払い等により財務CFはマイナスとなった。
 
 
2009年12月期業績予想
 
通期予想は連結売上高13,243百万円(前期比2.6%減)、経常利益410百万円(同37.1%減)、当期純利益225百万円(前期は108百万円の損失)。上期業績が期初予想を上回ったものの、「世界的な金融・経済危機による景気停滞が予想される事に加え、為替変動の不確実性が増しているため」として通期業績予想は据え置かれた(結果として、下期は下方修正)。配当は、1株当たり期末20円を予定している。
尚、同社グループの売上高は季節的変動があり、第1及び第2四半期間の売上高のボリュームが第3及び第4四半期と比較して大きくなる。
 
 
 
取材を終えて
上期の業績が期初予想を上回ったが、売上高が期初予想を下回る中での委託試験費の減少等がその主な理由であった事を考えると、通期の業績予想の据え置きも理解できる。下期の売上総利益率の想定は保守的と考えるが、売上高が予想に達しない可能性があり、売上総利益は想定の範囲内に収まるものと思われる。また、上期及び下期の販管費等から考えて、委託試験の減少分は2億円程度であったと思われ、下期の予想営業損失が約2億円増えた事とほぼ符合する。
ただ、子会社の収益改善等が期初の想定を上回っていると思われる事、今期中に登録取得が見込まれる土壌処理剤「ネマキック粒剤」(土壌線虫を防除する)の寄与が織り込まれていない事等を考えると、上振れ期待は残る。