ブリッジレポート
(4783) NCD株式会社

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ブリッジレポート:(4783)日本コンピュータ・ダイナミクス vol.18

(4783:JASDAQ) 日本コンピュータ・ダイナミクス 企業HP
伊藤 敬夫 社長
伊藤 敬夫 社長

【ブリッジレポート vol.18】2010年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期決算の発表が本格化しているが、今のところ明るい話題が多く、4月以降、収益改善が進みつつあるように思われる。しかし、その要因・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年8月11日掲載
企業基本情報
企業名
日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社
会長
下條 武男
社長
伊藤 敬夫
所在地
東京都品川区西五反田 4-32-1
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年3月 12,521 415 460 212
2008年3月 9,539 553 581 315
2007年3月 9,292 261 315 186
2006年3月 8,851 409 424 199
2005年3月 7,607 321 348 228
2004年3月 7,570 340 368 160
2003年3月 6,859 322 283 74
2002年3月 6,168 293 292 152
2001年3月 5,088 247 182 46
2000年3月 4,447 307 339 149
株式情報(7/31現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
299円 8,721,602株 2,608百万円 8.1% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
13.00円 4.3% 20.63円 14.5倍 316.03円 0.9倍
※株価は7/31終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本コンピュータ・ダイナミクスの2010年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
独立系ソフトウェア開発会社のパイオニア。コンサルティングからシステム運用までを手掛けるシステム開発事業、システムの運用管理とテクニカル・サポートを主体としたサポート&サービス事業、及び自転車駐輪場システムの開発・運用を行なうパーキング・システム事業を展開。システム開発事業やサポート&サービス事業は優良顧客との継続的な取引を特徴としており、国内トップシェアを有するパーキング・システム事業は成長性に富み、収益性も高い。

同社及び(株)日本システムリサーチ、天津恩馳徳信息系統開発有限公司、(株)ゼクシスの連結子会社3社(いずれも出資比率100%)でグループを形成。社名の"日本コンピュータ・ダイナミクス"には、"コンピューターをダイナミックユースして社会に貢献する(Dynamic use of Computer)"と言う創業時の思いが込められている。
 
<長期継続を特徴とする顧客資産が強み>
長期継続を特徴とする優良な顧客資産が同社の強みの一つ。主な取引先は次の通り。
東京ガス、西部ガス、富士ゼロックス、商船三井、アリコジャパン、高砂熱学工業、三井住友海上火災、角川GHD、日本水産、エスアールエル、福岡県庁等。
 
<顧客業界と同社が手掛けるシステム>
エネルギー業界   料金調停システム、資産管理システム等
保険業界      契約管理システム、クレーム管理システム等
運輸業界      運行管理システム、倉庫管理システム等
出版業界      著作権管理システム等
全業界       財務会計システム、人事システム等
 
<成長を牽引するパーキング・システム>
駐輪場の設計、ラックや精算機の開発、更には運用までを一貫して手掛けている。全国で問題となっている放置自転車問題対策として社会性の高い事業であり、自治体の業務委託制度から指定管理者制度への移行、法改正による路上駐輪場建設の容認や建築基準法での公開空地駐輪場設置合法等により、更なるビジネスチャンスの広がりが期待できる。子会社での展開から代理店方式に切り替えて全国展開を加速し、拠点の拡充を進めている。
 
2010年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比6.4%の減収、135百万円の経常損失となった。
代理店販売を中心にパーキング・システム事業の売上が伸びたものの、IT投資の抑制を受けたシステム開発事業やサポート&サービス事業の落ち込みをカバーできなかった。利益面では、前期に発生した不採算案件への対応が続いている事に加え、取引先からの価格引下げ要求も強まり売上総利益率が悪化、148百万円の営業損失となった。
 
 
システム開発事業
売上高は前年同期比15.7%減の1,289百万円、売上総利益は同57.7%減の108百万円。新規案件の凍結や保守業務の縮小により既存顧客向けが減少、新規顧客向けやパッケージソリューションも伸び悩んだ。利益面では、受注の減少による稼働率の低下に加え、前期に発生した不採算案件への対応が続いている事もあり、利益率が悪化した。
 
サポート&サービス事業
売上高は同10.1%減の570 百万円、売上総利益は同10.0%減の82 百万円。既存案件で価格引下げ要求が強まった事に加え、マネージドサービスセンター業務(注)の契約も伸び悩んだ。
 
パーキング・システム事業
売上高は同27.8%増の731百万円、売上総利益は同2.0%減の115百万円。大阪、名古屋を含めた地方都市の代理店売上が伸びた他、前期から進めてきた提案活動が成果を上げ売上高が増加したものの、利益率の低い代理店売上が多かったため、売上総利益は前年同期の実績をわずかに下回った。
 
(注)マネージドサービスセンター
顧客のシステム運用部門に代わり、24時間365日体制で障害対応やシステム運用・保守等のサービスを提供する。
 
 
総資産は前期末比401百万円減の7,692百万円。期末を越えた事で売上債権の回収が進み、現預金が増加した他、一部を借入金の返済や社債の償還資金に充てたため有利子負債が減少した。
 
2010年3月期業績予想
 
上期及び通期の業績予想に変更はない。第2四半期以降も厳しい事業環境が続くと見ているが、上期中には前期から続いている不採算案件への対応が終わる。新規駐輪場建設に対する多くの要望を抱え、また、自社製Suica対応精算機の完成等で一層のサービス向上が図られるパーキング・システム事業の拡大とプロジェクト管理の徹底による収益改善で業績予想の達成を目指している。
配当は、1株あたり年13円(第2四半期末6.5円、期末6.5円)を予定。
 
 
 
取材を終えて
第1四半期決算の発表が本格化しているが、今のところ明るい話題が多く、4月以降、収益改善が進みつつあるように思われる。しかし、その要因を良く見ると、中国の大規模景気対策の恩恵やリストラ効果によるものが少なくない。また、鉱工業生産も底打ちしたが、未だ水準は低く病み上がりの状態。このため、企業がIT投資を再開するには今しばらく時間が必要と思われ、同社のシステム開発事業やサポート&サービス事業は当面厳しい事業環境が続くのではないだろうか。Suica対応精算機の導入でサービスの向上が図られる等、好調なパーキング・システム事業で、いかに下支えできるかがポイントだ。