ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.5
(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション |
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企業名 |
株式会社ピックルスコーポレーション |
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社長 |
荻野 芳朗 |
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所在地 |
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3 |
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決算期 |
2月末日 |
業種 |
食料品(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2009年2月 | 18,502 | 399 | 413 | 202 |
2008年2月 | 17,870 | 286 | 373 | 205 |
2007年2月 | 16,775 | 293 | 355 | 218 |
2006年2月 | 16,563 | 158 | 205 | -37 |
2005年2月 | 18,186 | 74 | 146 | 144 |
2004年2月 | 18,038 | 268 | 285 | 99 |
2003年2月 | 18,047 | 101 | 98 | 36 |
2002年2月 | 16,542 | 548 | 514 | 230 |
2001年2月 | 16,895 | 302 | 287 | 266 |
株式情報(4/23現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
資本関係では、「きゅうりのキューちゃん」の東海漬物(株)が株式の49.6%を保有するが、依存度は低く、わずかにふる漬等の仕入があるのみだ(09/2期は仕入高全体の3.9%)。むしろ同社を語る上で忘れてならないのが、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、09/2期は同グループ向けの売上が全体の51.2%を占めた。 09/2期の品目別売上構成は、製品売上が54%(浅漬41%、惣菜10%、ふる漬3%)、商品売上が46%(漬物39%、青果物7%)。また、販路別では、量販店55%、コンビニ24%、外食・その他21%。 |
2009年2月期決算 |
中国産冷凍餃子中毒事件等の影響により国産原料を使用した漬物の需要が拡大する中、積極的な営業活動や新製品の投入により、漬物、惣菜等の自社製品が量販店(スーパー等)向けに伸びた。利益面では、製品の売上構成比が上昇した事や原材料野菜の価格安定等により売上総利益率が0.9ポイント改善。営業開発人員の増員や売上増及び取引先の拡大による物流費増等で販管費が増加したものの、売上総利益の増加で吸収、営業利益が同40%弱増加した。 営業利益に比べて、経常利益の伸びが低いのは、受取配当金が減少する一方、投資有価証券償還損を計上したため。固定資産除却損40百万円など特別損失49百万円を計上したため、当期純利益は同1.5%減少した。 尚、売上高が予想を下回ったのは、中国産野菜を使用した仕入商品が伸び悩んだため。一方、相対的に利益率の高い製品の好調で各利益段階で予想を上回った。 (4)トピックス
国産野菜の生産・利用拡大優良事業者表彰制度の一環として行われた「第2回国産野菜の生産・利用拡大優良事業者」において、「生産局長賞」及び「(独)農畜産業振興機構理事長賞」を受賞した。尚、国産野菜の生産・利用拡大優良事業者表彰制度は、加工・業務用需要に対応した野菜の生産流通の拡大等に向けて、加工・業務用野菜の生産流通に先進的に取り組む生産者、流通業者及び実需者等を農林水産省及び独立行政法人農畜産業振興機構等が表彰する制度である。 |
漬物業界の動向と外部環境 |
(1)漬物業界の動向
漬物市場は約4,000億円と推定され、今後も安定的な推移が予想される。ただ、量販店間の競争激化による製品の低価格化、量販店にとって利益率の高いプライベートブランド商品への対応、更には国産原料需要の増加等で、今後、体力の無い小規模メーカーの淘汰と大手による市場の寡占化が予想される。実際、全日本漬物協同組合連合会の加盟企業は毎年100社前後減少しており、かつて2,000社を超えていた加盟企業が現在1,200社程度にまで減少している。現在、売上高が100億円を超えるのは5社のみで、同社のシェアは約4.5%(個別ベース)。M&Aにも積極的に対応する事でグループでのシェアアップに取り組んでおり、中期的には10%程度にグループシェアを引き上げたい考え。
市場規模に関する主なデータ
漬物出荷額(漬物新報社08年4月17日) 4,053億円野菜漬物製造業出荷額(日本食料新聞 07年9月29日) 4,145億円 漬物品目別推定出荷額(食品新聞 08年8月22日) 3,800億円 (2)外部環境
景気の悪化や低価格志向の高まりに加え、少量化対策による製造コストの上昇等、事業環境は厳しさを増している。ただ、その一方で、外食から内食へのシフトは追い風であり、「食の安心・安全」に対する消費者及び販売先の意識の高まりは、SO9001・HACCPの取得や5S活動への取り組み等、同社の強みをアピールするチャンスである。
②コスト面の動き
中国産食品への不安により上昇した国産野菜等の価格は安定化傾向にあるが、一方で、少量化対策により原価率が上昇している。
③安心・安全
「食の安心・安全」に対する消費者及び販売先の意識は高く、更なる質的向上が求められている。
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2010年2月期業績予想 |
グループネットワークを活用してベンダー(メーカー機能と商社機能を併せ持つ)機能を強化すると共に、ブランド戦略を明確化する事で新規得意先の開拓を進める。また、製造面ではISO9001の認証及びHACCPの仕組みを最大限に活用して品質管理レベルの向上を図ると共に、原料野菜の安定調達と資材購買方法の見直しを継続しコスト削減に努める。 連結売上高は同6.3%増の19,666百万円を見込んでいる。品目別では、引き続き青果物の取扱が減少するものの、浅漬や第2の柱に育ちつつある惣菜が伸びる他、前期落ち込んだ漬物の回復も見込まれる。営業開発要員の増員により人件費が増加する他、新規取引先の増加により物流費の増加も見込まれるものの、製品の売上構成比が55.5%と前期比6.4ポイント上昇する等で利益率が改善、増収効果と相まって営業利益は同8.2%増加数見込み。 仕入商品については、仕入調達コストの改善に取り組むと共に、ベンダー機能の強化と商品管理レベルの向上、及び物流コストの削減に取り組み、売上高の拡大と収益力の強化を図る。 (3)経営戦略
ベンダー機能、全国を網羅した生産・物流体制、食の安心・安全と環境保全への取り組み、といった強みを活かすと共に、主力の浅漬製品、高い伸びを示している惣菜製品、及び新製品が販売好調なキムチ製品の拡充を図る事で量販店の新規取引先開拓と既存得意先深耕に取り組む。
①商品戦略
漬物製品及びキムチ製品は、ナショナルブランド製品とプライベートブランド製品の両面で積極的に製品開発に取り組む。また、惣菜製品は、ナムル、ふろふき大根等の既存製品の改善に取り組むと共に新製品開発を進める。
②営業戦略
全国ネットワークを活かした営業戦略を進める考えで、広告・販売促進策として、電車広告やキャンペーン等を実施していく。
③製造・物流部門
製造及び物流コストの削減を進めると共に、HACCP認定及びISO9001認証の範囲拡大(全工場での取得)により品質・衛生管理体制を強化する。また、不採算部門の改善にも努める。製造コストの削減については、作業効率の改善により生産性の向上を図ると共に、原料調達コストの見直しを進める。また、物流コストについては、配送ルートの見直し等でコスト削減を図る。不採算部門の改善については、中京地区が3月に黒字転換しており、通期で黒字化が見込まれる。東北地区及び3月に社名変更した(株)ピックルスコーポレーション札幌(旧:(株)札幌フレスト)は収益改善が残る課題である。 ④設備投資計画
大阪に新工場を建設する計画。用地は取得済みで10/2期中に着工する予定。このため、10/2期は設備投資額が771百万円とかさむ(09/2期は175百万円)。
(4)中期経営目標
来期(11/2期)に、連結売上高210億円、連結営業利益5億円の達成を目指している。達成に向けた取り組み ①全国ネットワークを活用してスーパー、生協等向けを拡大 ②惣菜売場向け製品及びナショナル製品開発を強化 ③関西地区新工場建設 |
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