前期比4.1%の増収、同25.1%の経常減益。
春先の天候不順の影響で出足は良くなかったものの、最盛期の夏場の天候に恵まれた事、下期以降、taspo(タスポ)効果の恩恵を受けた事、更には冬場が比較的暖かく天候にも恵まれ事等で加盟店を含む総売上高は28,748百万円と同4.3%増加した。直営店の売上高に加盟店のロイヤリティ等を加えた営業総収入も同4.1%増加したものの、taspo効果により売上が増えたタバコの利益率が低い事、上期の人手不足による店舗パート・バイトの人件費増、更には賞与査定期間変更に伴う賞与引当金の一時的な増加(4ヶ月分多く引き当てた)等で営業利益が同8.3%減少した。営業外では稼働率の上昇で幕張SCECビルなど投資用不動産の運用益が増加(36百万円→124百万円)したものの、売買目的有価証券運用損が増加(183百万円→416百万円)。投資有価証券評価損(118百万円)や減損損失(223百万円)など445百万円を特別損失に計上したため、78百万円の当期純損失となった。
期初予想との比較では、天候に恵まれた事とtaspo効果で売上高が予想超過。一方、利益が予想を下回ったのは、人件費高騰の影響を受けたパート・バイト給与、原油価格高騰の影響による電気ガス水道代、及び賞与引当金等が期初予想を上回ったため。特に賞与引当金の影響(68百万円)が大きかった。
(2)平均日販と既存店売上高
6店舗を新たに出店する一方、4店舗を閉店した(前期は出店:11、閉店10)。全店の平均日販は592千円(前期は580千円)、既存店の平均日販は595千円(同591千円)。全店、既存店共に2期連続で平均日販が増加した。一方、新店の平均日販は414千円となり、前期の437千円を下回った。また、既存店売上高は前期比101.4%。taspo効果で客数が同1.7%増加したものの、「ついで買い需要」が弱く、客単価が0.3%低下した。
既存店売上高の前年同月比の推移を見てみると、taspo効果により7月は既存店売上高が急進したものの、秋以降は世界的な景気悪化の影響から客数・客単価共に伸び悩んだ。
クリーニング取次店舗数の減少は、実績の乏しかった5店舗が取次ぎをやめたため。また、taspo効果でタバコの売上高は前期比27.1%増加したものの、同社の店舗が多い都心では「ついで買い需要」が弱く、大手コンビニ・チェーン程の増収インパクトは無かった。
期末総資産は前期末比539百万円減の10,487百万円。有利子負債等が減少し、わずかではあるがバランスシートがスリムになった。有形固定資産の増加が目立つが、これは、幕張SCECビルの自社使用分について、投資不動産から有形固定資産(土地・建物)に振り替えた事や、市川塩浜駅前ホテル建設に伴い建設仮勘定が増えたため。
損失を計上(税引き前で55百万円の損失)したものの、評価損や減損損失など現金支出を伴わない損益の悪化要因が多かったため、営業CFは前期に比べて大きくは減らず黒字を確保。売買目的有価証券の取得が減少した事等で投資CFのマイナスも減少したため、フリーCFはほぼ前期並み(17百万円のマイナス)にとどまった。
(5)連結子会社(株)FA24
①事業内容
クリーニング事業(コンビニ併設以外のマンションクリーニングや各種リネン)、1,000円ヘアカット事業(コンビニ併設以外の単独店舗の運営:7店舗)、FA24サポートレディ事業(掃除、室内整理整頓を中心とした各種サービス事業)、等を行っている。
②営業実績
売上高は前期比38.4%減の535百万円。コンビニ事業をCVSベイエリアに営業譲渡したため(前08/2期は11ヶ月間の売上を計上)、大幅な減収となった。主力のクリーニング事業は前期比3.6%増加したものの、新築マンションの竣工減や入居率悪化等による下期の苦戦が響き、予算を26.1%(123百万円)下回った。この他では、掃除サービスが堅調に推移したものの、施設紹介サイト「憩」が低迷した。
クリーニング事業 |
347百万円(+ 3.6%) |
1,000円ヘアカット事業 |
129百万円(+ 3.2%) |
掃除・サイト事業他 |
58百万円 |
全事業売上高合計 |
535百万円(△38.4%) |
|