ブリッジレポート:(4849)エン・ジャパン vol.19
(4849:大証ヘラクレス) エン・ジャパン |
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企業名 |
エン・ジャパン株式会社 |
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会長 |
越智 通勝 |
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社長 |
鈴木 孝二 |
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所在地 |
東京都新宿区西新宿 6-5-1 |
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決算期 |
12月 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2008年12月 | 21,329 | 5,943 | 5,906 | 3,090 |
2007年12月 | 22,686 | 7,564 | 7,573 | 4,168 |
2006年12月 | 16,919 | 5,605 | 5,607 | 3,105 |
2005年12月 | 11,491 | 3,791 | 3,826 | 2,203 |
2004年12月 | 6,980 | 2,245 | 2,254 | 1,253 |
2003年12月 | 4,372 | 1,749 | 1,754 | 1,038 |
2002年12月 | 3,107 | 1,305 | 1,283 | 663 |
2001年12月 | 1,876 | 933 | 898 | 464 |
2000年12月 | 620 | 254 | 249 | 132 |
株式情報(2/17現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
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2008年12月期決算 |
従業員削減や新卒採用予定者の内定取消が発生する等、昨秋以降の急激な景気悪化により雇用情勢が一気に悪化した。同社においても、主力の[en]社会人の転職情報の落ち込みで第3四半期(前年同期比5.7%の減収)、第4四半期(同22.6%)と期を追う毎に減収幅が拡大。広告宣伝費及び販売促進費(以下、広宣・販促費)を中心に経費削減に努めたものの、昇給・昇格・人員増等による人件費の増加もあり、減収による影響を吸収できなかった。 (2)売上高及び販管費の増減要因及び予想との差異要因
売上高及び販管費の増減要因及び予想との差異要因は次の通りである。売上高は10月、11月、12月と月を追う毎に悪化し、全サイトが修正予想を下回った。また、販管費については、広宣・販促費の効率的な使用に努めた他、期中に人員の採用を抑えた結果、前期比では増加したものの、修正予想を大きく下回った。
[en]社会人の転職情報は、昨秋以降、企業の中途採用意欲が急速に減退、低単価商品の投入等により社数シェアは上昇したものの、単価が下落した。サイトリニューアルによるユーザーサポートの強化で会員数も増加したが、売上高は10,558百万円と前期比17.1%減少した。期末会員数は、前年同期比45万人(23.6%)増の236万人。 [en]転職コンサルタントは、第4四半期に入り掲載社数・掲載求人数が急速に減少したものの、オプション商品の販売が好調で売上高は2,248百万円と同10.1%増加。顧客である人材紹介会社の業績悪化で継続掲載率の低下が続いているものの、求職者の増加により総応募数及び1社当たりの応募数は過去最高を記録した。期末会員数は、前年同期比8.1万人(20.1%)増の48.4万人。 [en]派遣のお仕事情報も、顧客である人材派遣会社の業績悪化の影響を受けているものの、大口顧客への拡販が進み、売上高は3,568百万円と同12.2%増加。第4四半期は平均月末掲載事業所数が前年同期比5.1%増加、平均単価もほぼ前年同期並み(同0.6%減)を維持した。期末会員数は、前年同期比11.7万人(27.0%)増の55.0万人。 [en]本気のアルバイトは、雇用情勢悪化で正社員登用専門サイトが苦戦したものの、一般アルバイトサイト(アルバイト専門求人情報サイト)の顧客開拓が進み、売上高は1,165百万円と同5.4%増加した。特に、一般アルバイトサイトの「いつでも払い」コーナーは、応募効果が高く、販売好調となった。期末会員数は、前年同期比12.5万人(66.5%)増の31.3万人 [en]学生の就職情報は、新規顧客開拓及びリピート企業が増加した事により、売上高は3,448百万円と前期比5.9%増加した。大学・大学院に対する積極的なプロモーション活動により、昨年10月の「[en]学生の就職情報2010」(2010年3月卒業予定の大学生・大学院生向け就職情報サイト)グランドオープン時の会員数が過去最高の31.4万人(前年同期比50.9%増)となり、その後も会員数の順調な増加が続いている。 |
2009年12月期業績予想 |
(1)市場動向
2008年は、有効求人倍率が前年比0.16ポイント悪化する一方、完全失業率が同0.1ポイント上昇した。求人広告数も、2008年7月以降、前年同月を下回る傾向が続いている。また、同社が[en]学生の就職情報の登録企業を対象に実施した今後2,3年の採用計画に関する2回の調査(08年5月7日~5月20日、08年11月4日~11月18日)では、中途(正社員)、派遣社員共に採用予定人数を「増加」すると答えた企業が5月時点から減少しており、一方、「減少」すると答えた企業は、中途(正社員)、派遣社員共に増加した。企業は正社員、派遣社員共に採用に慎重な姿勢を見せており、同社では2009年に中途採用市場が好転する可能性は低いと考えている。 新卒採用市場も中途採用市場と同様に厳しい。同社の調査によると、2008年11月時点(08年11月4日~11月18日)では、2010年卒の新卒採用予定人数を「増加」または「維持」と回答する企業の割合が79%であったのに対し、2009年1月時点(09年1月13日~1月20日)では、「増加」または「維持」という企業が55%にまで減少した。このため、同社では、「今後、新卒の採用規模を縮小する企業が増加する」と見ている。 厳しい事業環境を想定しており、主力の[en]社会人の転職情報を中心に全てのサイトで減収を見込んでいる。広宣・販促費の絞込み(これまではブランド育成の観点からの広告費も多かった)等の経費抑制に努めるものの、減収による売上総利益の減少をカバーできず、経常利益は2,000百万円と同66.1%減少する見込み。 (4)サイト別戦略
[en]社会人の転職情報 売上高5,737百万円(08/12期:10,558百万円)
マーケットの縮小が見込まれる事から、引き続き社数シェアの拡大に向けた取組みを強化する。パッケージによるボリュームディスカウントなど既存顧客の継続掲載を促進するための新商品の投入を予定している他、3月から『[en]社会人の転職情報ケータイ版』を単独商品として販売を開始し、新たな顧客企業・ユーザーの獲得と既存社員の有効活用を図る。現在、価格設定の作業を進めており、今期150百万円の売上を計画している。尚、同社では、ケータイ版の特徴として、①ケータイ版専用の原稿をコピーライターが作成、②クリックせずに会社情報が全て見られるレイアウト、③充実した会員向けサービス(オファーサービス、メール転職相談、転職サポートメール)の3点を挙げている。 また、足下の企業の関心は「短期的なコスト削減」にあるが、同社は「活躍人材(企業の業績向上に貢献できる人材)」にフォーカスし、長期的な企業成長の実現に向けた人材採用の提案に取り組んでいく考え。 具体的な取組みとして次の2点を挙げている。 ・採用成功例の提供により「活躍人材の採用効果」を認知させ、企業の人材採用意欲を高める。 ・活かせる経験や能力をわかりやすく記載し、「活躍できる企業」を見つけやすくする事で、ユーザーの応募を促進する。 [en]転職コンサルタント 売上高1,800百万円(08/12期:2,248百万円)
既存顧客の継続掲載率を向上させるための商品の販売を強化すると共に、サイトを有効活用してもらうため、顧客企業に対するサポート体制を充実させる。
[en]派遣のお仕事情報 売上高3,300百万円(08/12期:3,568百万円)
大口顧客向けの商品力を強化すると共に、既存顧客の継続掲載率を向上させるための商品の販売を強化する。
[en]本気のアルバイト 売上高1,155百万円(08/12期:1,165百万円)
正社員登用専門サイトと一般アルバイトサイトの併売を強化し、顧客ニーズに対応しやすい営業体制を敷くと共に、「女性歓迎コーナー」等の新コーナーを開設する事で新規顧客の開拓を推進する。
[en]学生の就職情報 売上高2,550百万円(08/12期:3,448百万円)
2011年3月卒業予定の学生用サイトの営業活動を早期化する他、学生の就職活動支援を強化し会員獲得活動を推進する。
(5)既存事業・新規事業の育成戦略
既存事業においては、モバイル等、採用事業の未開拓領域へ進出する。また、保有する資産を活用して、BtoBサービス、BtoCサービスを問わず新規事業開発を進め、「働くすべての人々に、一番頼りにされる会社 」を目指す。
同社の資産(これまでの事業で培われた強み)
・様々な業種・規模の顧客企業・200万人を超える個人会員 ・転職サイトとしての圧倒的な認知度 ・No.1サイトを育成した開発ノウハウ ・採用と連動した教育コンサルティング |
株主還元について |
<利益配分に関する基本方針>
同社は、「内部留保を成長のための投資に活用し、企業価値の最大化を図りつつ、配当性向30%程度を目安にして各期の業績に応じた利益還元を適宜行う」ことを利益配分に関する基本方針としている。08/12期は、自己株式の取得を含めた総還元性向が81.9%に達した。09/12期も、配当は減るものの、77.2%の高い総還元性向が維持される見込みだ。
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