ブリッジレポート
(7839) 株式会社SHOEI

プライム

ブリッジレポート:(7839)SHOEI vol.11

(7839:東証2部) SHOEI 企業HP
山田 勝 会長
山田 勝 会長
安河内 曠文 社長
安河内 曠文 社長
【ブリッジレポート vol.11】2009年9月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期は厳しい決算となったが、会社予想の範囲内であり、事業計画に狂いが生じているわけではない。例年、第2四半期は、第1四半期よりも売・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年2月3日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
会長
山田 勝
社長
安河内 曠文
所在地
東京都台東区上野5-8-5
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年9月 14,995 3,608 3,532 2,214
2007年9月 13,586 2,942 2,751 1,630
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
株式情報(1/29現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
819円 14,522,400株 11,894百万円 30.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
53.00円 6.5% 106.73円 7.7倍 562.94円 1.5倍
※株価は1/29終値。
 
SHOEIの2009年9月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
世界ナンバーワンのヘルメットメーカー。オートバイ用を中心にカート用などの4輪車用、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界50カ国以上を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。 独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力により、右の3つの世界一を実現する事を経営方針に掲げている。
また、「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略も同社の特徴。三位一体の事業戦略を進める事で、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。
 
<事業内容>
オートバイ用のヘルメット(二輪乗車用ヘルメット)の売上高が約90%を占めている。なかでも、高品質で高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県東磐井郡)の国内2工場で生産。国内生産により高い品質を維持すると同時に技術の流出防止にも努めている。
また、業界では唯一の「トヨタ生産方式」導入企業として、高い限界利益率と在庫回転率、及び優れた資産効率を誇る。
 
<沿革>
1954年、ポリエステル加工メーカーとして創業。59年3月に昭栄化工(株)として法人化、一般用ヘルメットの生産を開始。翌60年1月、二輪乗車用ヘルメットの生産に着手。68年7月、アメリカに子会社を設立し海外展開を開始、87年7月には子会社設立によりフランスへも進出した。92年5月、会社更生手続開始を申立、同年9月、現山田会長が管財人となり更生手続きを開始。93年12月、更生計画が認可された。更生手続き中の94年3月、子会社を設立し、ドイツに進出。98年3月、会社更生計画認可から4年3ヶ月という短期間で会社更生手続を終結した。同年12月には社名を(株)SHOEIに変更。04年7月、JASDAQに株式を上場し、07年9月には、東証第2部に上場(JASDAQは上場廃止)した。
 
2009年9月期第1四半期決算
 
 
前年同期比24.1%の減収、同30.6%の経常減益。
新製品効果により北米が堅調に推移したものの、景気悪化と急激な円高・ユーロ安で主力の欧州が大きく落ち込んだ他、国内も苦戦を強いられた。利益面では、製造原価の低減や経費の節減に努めたものの、販売数量の減少と円高の影響を吸収できず、営業利益が同52.5%減少。ただ、為替予約に伴う差益(184百万円)の計上等で営業外損益が改善、貸倒引当金戻入など特別利益(3百万円)の計上等もあり、四半期純利益は同28.6%の減少にとどまった。
 
 
対ユーロ、対ドルで急速な円高が進んだものの、前期末から当期首にかけての為替予約が功を奏し、第1四半期の為替の実行レートは、USドル=104.35円(8.93円の円高)、ユーロ=153.73円(7.75円の円高)と小幅な円高に留まった。
 
 
国内
景気悪化で高級ヘルメット需要が低迷、売上高は前年同期比42.5%減少した。
 
欧州
景気悪化と急激な円高・ユーロ安の影響を受けて、売上高は同35.6%減少した。急激な円高に伴う仕入単価上昇と欧州金融機関の経営悪化による資金調達難で円建代理店の仕入意欲が減退した事も苦戦の一因。
 
北米
前年同期が悪かった事もあるが、高い評価を受けた新製品のオフロード用ヘルメットをけん引役に販売数量が同20.9%増加、急激な円高による影響を吸収して売上高は同1.9%増加した。
 
2009年9月期業績予想
 
 
上期業績予想に変更は無く、前年同期比15.9%の減収、同38.7%の経常減益予想。

上期予想に対する進捗率は売上高:44.0%、営業利益:49.0%、経常利益:58.8%。販売地域別での振れはあるものの、全体としてはほぼ計画通りに進捗しているものと思われる。為替予約についても、上期分については、ドル、ユーロ共にほぼ完了している。
 
 
通期業績予想にも変更は無く、前期比15.3%の減収、同29.2%の経常減益予想。
引き続き原価低減や経費の節減に努めるものの、当面、厳しい事業環境が続く見込み。
 
取材を終えて
第1四半期は厳しい決算となったが、会社予想の範囲内であり、事業計画に狂いが生じているわけではない。例年、第2四半期は、第1四半期よりも売上が増える事や為替予約が進んでいる事もあり、上期はほぼ期初予想に沿った着地になるものと思われる。ただ、国内外の景気や為替の先行きに不透明感は強い。過度に悲観的になる必要は無いが、通期業績については楽観を許さない。