ブリッジレポート
(2925) 株式会社ピックルスコーポレーション

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ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.4

(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 企業HP
荻野 芳朗 社長
荻野 芳朗 社長

【ブリッジレポート vol.4】2009年2月期第3四半期業績レポート
取材概要「第3四半期までの連結業績は、営業利益は前年同期比13.0%増と順調に伸びたが、金融商品の償還損計上などで経常利益は同8.9%減。工場設備の固定資・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年1月27日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
荻野 芳朗
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
2002年2月 16,542 548 514 230
2001年2月 16,895 302 287 266
株式情報(1/7現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
298円 6,394,774株 1,906百万円 4.1% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10円 3.4% 27.78円 10.7倍 807.80円 0.4倍
※株価は1/7終値。発行済株式数は直近中間期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ピックルスコーポレーションの2009年2月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・惣菜の製造・販売及び青果物・漬物等の仕入販売を行なっている。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表している。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはHACCP、ISO9001の取得や5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。

資本関係では、「きゅうりのキューちゃん」の東海漬物(株)が株式の49.6%を保有するが、販売、仕入ともに依存度は低い。08/2期は東海漬物(株)からふる漬等の仕入を行なったが、商品の5.5%を占めるにとどまった。むしろ同社を語る上で忘れてならないのが、セブン&アイ・ホールディングス(3382)。08/2期は同グループ向けの売上が全体の55%を占めた。

08/2期の品目別売上構成は、製品売上が50.3%(浅漬け39.7%、惣菜7.8%、ふる漬け2.8%)、商品売上が49.7%(漬物41.2%、青果物8.5%)。また、販路別では、量販店51.8%、コンビニ25.5%、外食・その他22.7%。
 
 
<沿革>
漬物・佃煮の製造・販売を目的に1977年2月に設立され、同年12月にセブンイレブンと取引を開始した。現在の主力商品である浅漬けの製造を開始したのは82年4月。92年12月にイトーヨーカ堂と93年5月にデニーズと取引を開始した。93年9月には商号を(株)ピックルスコーポレーションに変更し、 01年12月にジャスダック市場に株式を上場した。全国に広がる生産・物流ネットワークも同社の特徴で、現在、製造は所沢、所沢第二、千葉、湘南、大宮、宮城、福島、中京の国内8拠点、所沢工場に隣接する物流管理センターでは、梅干など商品の仕入れ・在庫管理・出荷も行なっている。
 
 
<漬物市場の規模>
漬物市場は約4,000億円と推定され、今後も安定的な推移が予想される。ただ、量販店間の競争激化による製品の低価格化継続、プライベートブランド商品への対応、更にはふる漬けの国産原料需要の増加等で体力の無い小規模メーカーの淘汰と大手による寡占化の進行が予想される。実際、全日本漬物協同組合連合会の加盟企業は毎年100社前後減少しており、かつて2,000社を超えていた加盟企業が現在1,300程度にまで減少している。
現在、同社単独のシェアは約4.5%だが、グループでのシェアアップを目指しており、中期的には10%程度にシェアを引き上げたい考え。
 
 
2009年2月期第3四半期業績
 
<連結業績>
 
第3四半期(08年3月1日~08年11月30日)は、全国の製造・販売拠点を活用した積極的な新規得意先の開拓と、既存取引先への拡販を実施した。高級焼肉専門店㈱叙々苑と共同開発した「叙々苑キムチ」「叙々苑ミックスキムチ」および人気料理研究家相田幸二氏との共同企画商品「こうちゃんの!幸せキムチ」などの拡販、量販店惣菜売場向け製品の積極的な製品開発などに注力した。

この結果、当第3四半期の業績は、売上高は、量販店向けの製品売上高が好調に推移し、14,080百万円(前年同期比4.1%増)となった。営業利益は、製品売上高増加などの影響により、358百万円(同13.0%増)となった。しかし、経常利益は、投資有価証券償還損、持分法による投資損失の影響により364百万円(同8.9%減)となり、四半期純利益は、経常利益が減少したこと、固定資産除却損の影響により179百万円(同32.7%減)となった。
 
<財政状態>
 
第3四半期末における総資産は、前年度末に比べ300百万円増加した。主な増減は流動資産では、受取手形及び売掛金の増加368百万円があり、流動負債では、支払手形及び買掛金の増加318百万円があった。
純資産は、前年度末に比べ、121百万円増加し、5,165百万円となった。
 
2009年2月期業績予想
 
<連結業績>
第4四半期の消費動向及び原料野菜価格動向等を考慮し、08年4月17日に公表した連結業績予想に変更はない。
 
 
取材を終えて
第3四半期までの連結業績は、営業利益は前年同期比13.0%増と順調に伸びたが、金融商品の償還損計上などで経常利益は同8.9%減。工場設備の固定資産除却損を特別損失に計上し純利益は同32.7%減となった。
通期予想に対する進捗率は営業利益が97.8%、経常利益が93.3%、純利益は101.1%となっている。昨今景気低迷により、消費者は節約志向を強めており、自宅で食事をとる「内食」が拡大していると伝えられている。同社にとっては不景気も逆風とばかりは言えないだろう。通期予想からの上積みを期待したい。