ブリッジレポート:(9616)共立メンテナンス vol.18
(9616:東証1部) 共立メンテナンス |
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企業名 |
株式会社共立メンテナンス |
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会長 |
石塚 晴久 |
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社長 |
佐藤 充孝 |
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所在地 |
東京都千代田区外神田 2-18-8 |
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決算期 |
3月 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2008年3月 | 75,606 | 4,492 | 4,167 | 2,740 |
2007年3月 | 66,287 | 3,745 | 3,787 | 2,413 |
2006年3月 | 63,084 | 4,611 | 4,823 | 2,010 |
2005年3月 | 58,014 | 4,407 | 4,411 | 2,343 |
2004年3月 | 54,080 | 4,004 | 4,059 | 2,137 |
2003年3月 | 50,108 | 4,148 | 3,884 | 2,039 |
2002年3月 | 50,064 | 3,908 | 3,580 | 1,821 |
2001年3月 | 37,884 | 2,827 | 2,643 | 1,146 |
2000年3月 | 36,787 | 2,368 | 2,281 | 906 |
株式情報(12/2現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
事業の種類別セグメントと売上構成(09/3期上期)は次の通りである。 |
2009年3月期第2四半期決算 |
分譲マンション等の企画開発を抑制したデベロップメント事業の売上が減少したものの、主力の寮事業は学生寮・社員寮共に堅調に推移、ホテル事業が想定以上の稼働率を維持した他、売上拡大やコスト削減に向けた各種の施策が成果を上げ、総合ビルマネジメント事業及びフーズ事業も売上が増加し損益が改善した。 この結果、営業利益は同15.3%増加したものの、受取配当金の減少や投資有価証券売却益が無くなった事で営業外損益が悪化、急激な株価下落による投資有価証券評価損の発生や法人税等の負担増で四半期純利益は同6.7%減少した。 尚、四半期純利益に減価償却費を加えた広義キャッシュフローは、3,247百万円と同321百万円増加した。 寮事業
学校側のサービス強化を追い風に学生寮事業が堅調に推移した他、採用の活発化等量的側面と寮利用による社内一体化等質的制面の両面からのニーズの高まりを受けて社員寮事業も伸びた。学生寮の利用実績は、学校数が前年同期比2.6%増の1,727校、契約者数が同6.7%増の16,858名。社員寮は、実績企業数が同8.5%増の1,055社、契約者数が同3.9%増の6,511名。また、ワンルームマンションタイプ寮のドミールも、学生寮入居者の卒業後の住み替え需要や、寮利用者からの紹介等の相乗効果で、入居者数が3,724名と同5.1%増加した。この結果、寮事業の売上高は19,716百万円と同5.1%増加したものの、前期末に清算したSPCの影響等で営業利益は3,534百万円と同1.4%減少した。通期では、売上高37,876百万円、営業利益5,534百万円を見込む。社員寮の売上が伸びる他、学生寮も堅調に推移する見込み。需要旺盛な首都圏の開発を強化すると共に、地方の中核都市への展開も図る。名古屋、京都、神戸等を重点地域として、地元に密着した営業・開発体制を推進中である。 ホテル事業
前期オープンした9事業所と、この上期にオープンしたビジネスホテル「ドーミーイン」5事業所(熊本、弘前、高松、苫小牧、倉敷)、リゾートホテル「ラビスタ函館ベイ」1事業所(函館)の計6事業所が寄与した事で、ホテル事業の売上高は13,045百万円と同29.7%増加した。利益面では、上記の新規オープンに伴う開業準備費用等が負担となったものの、販路の拡大強化及びコスト管理の徹底等で1事業所毎の収益が改善し、営業利益が前年同期の5百万円から338百万円に増加した。通期では、売上高25,386百万円、営業利益312百万円を見込む。ビジネスホテルは、引き続き全国主要都市を中心に積極展開を計画しているが、リゾートホテルは、今期の開発・出店を延期し、「成長を続ける収益構造」を確実に築くべく、1事業所毎に顧客サービスの充実と収益管理の徹底を図る。 総合ビルマネジメント事業
価格競争や管理委託会社の集約化等による値下げ要請や解約等で厳しい事業環境が続いたものの、オフィス系業務とレジデンス系業務のシナジー効果とコスト管理の徹底に努めた結果、売上高が5,785百万円と同5.1%増加し、営業利益は284百万円と同31.5%増加した。通期では、売上高13,282百万円、営業利益652百万円を見込む。技術力・商品の向上に努め、より質の高いビルサービスが提供できる体制作りを進める。また、全国展開を進めている自社グループのホテルを、建物施設管理の側面からサポートしていく事で全国に拠点網を構築する計画。 フーズ事業
厳しい事業環境が続く中、新規ホテルレストランへの出店を推進、併せて変動原価管理の強化・徹底による収益構造の抜本的な見直しを進めた。この結果、売上高が2,574百万円と同4.1%増加し、営業損益が26百万円の黒字に転じた。通期では、売上高4,794百万円、営業利益8百万円を見込む。グループ施設のレストラン運営効率を高めると共に、運営ノウハウを確立したゴルフ場レストランの営業体制を強化し、新規取引先の開拓を進める。 デベロップメント事業
不動産価格の下落及び原材料価格の高騰が続く等の事業環境の悪化を踏まえて、分譲マンション等の企画開発等を一時抑制し、寮及びビジネスホテルの開発体制を強化した。この結果、売上高3,952百万円は同34.4%減少し、営業損失14百万円となった。通期では、売上高12,270百万円、営業利益448百万円を見込む。寮及びビジネスホテルの開発体制を増強する。 その他事業
その他事業には、ウェルネスライフ事業(高齢者向け住宅の管理運営事業)、ライフサービス事業(通販・レンタル販売等)、賃貸不動産の仲介斡旋・管理事業、単身生活者支援及び保険代理事業、総合人材サービス事業、融資事業、広告代理店事業、及びその他付帯事業が含まれる。上期は(株)共立トラストのライフサービス事業の売上が増加した事でセグメント売上高が2,334百万円と同7.0%増加し、営業利益も110百万円と同7.5%増加した。 通期では、売上高4,876百万円、営業利益207百万円を見込む。JPCで展開している総合人材サービス事業等、各事業で更なる拡大を目指し、各個たる収益基盤の構築に取り組む。 (2)財政状態
第2四半期末の資産合計は、前期末比8,867百万円増の124,605百万円。今後の設備投資資金として現預金が同8,036百万円増加した他、売上債権や有形固定資産が増加した。一方、貸し方では、有利子負債の増加により負債合計が96,063百万円と同7,864百万円増加した他、利益剰余金の増加により純資産合計も28,542百万円と同1,003百万円増加した。 この結果、自己資本比率は22.7%となり、同0.9ポイント低下した。 (3)寮事業について
少子化が寮事業のリスクとして指摘されている。しかし、自宅外通学の学生は全国で136万人(うち首都圏32万人)を数え、これに対する同社寮のユーザーシェアは全国ベースで未だ1.1%(首都圏2.8%)に過ぎない。潜在ユーザーは膨大で、今後の成長余地は大きいと言える。また、社員寮については、従来からの単身赴任者用に加え、好景気に支えられた新卒用の需要が旺盛で、1社当たりの契約数が増加している。単なる生活の場としてだけでなく、「コミュニケーションが生まれる場」、「社員の絆を深める場」としてのニーズも高まっている。
①契約率・契約者数の推移
契約者数は安定成長が続いており、契約率は高水準を維持している
②提携校の推移
③社員寮の契約者数の推移
主な契約先は、大手金融機関、総合商社、大手流通会社
(4)ホテル事業について
ホテル事業では、既に説明したとおりビジネスホテル事業とリゾートホテル事業を手掛けている。同じホテル事業ではあるが、先行投資負担やオペレーションコスト等の負担が軽いビジネスホテル事業が開業初年度から損益均衡を見込めるのに対して、先行投資負担やオペレーションコストが重いリゾートホテル事業は、損益が均衡するまでに2~4年の期間を要する。ただ、一旦、損益が均衡すると、その後得られるリターンが大きい事も後者の特徴である。そのリゾートホテル事業が、この上期に黒字転換した。今後は、安定収益源として同社の業績に寄与していくものと思われる。 リゾートホテルの展開状況
「リーズナブルで質の高いリゾートライフの創造と提供」をコンセプトに全国展開。各施設でのオペレーションの効率化も進んでいる。
ビジネスホテル事業の特徴
下宿屋(学生寮、社員寮)ならではの「おもてなし」(食、寝、風呂へのこだわり)が、ビジネスホテル事業の特徴。宿泊であれ、入浴であれ、最高の「くつろぎ」を追求している。
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2009年3月期業績予想 |
下期は経済環境が一段と厳しさを増すものと思われるが、主力の寮事業が堅調に推移しており、ホテル事業も予想以上の稼働率を維持している。また、その他の事業についても収益性の改善が進んでおり、引き続き全社的なコスト削減に努め業績予想の達成を目指す。 設備投資は7,921百万円(前期13,266百万円)を計画しており、減価償却費3,315百万円(同2,927百万円)を織り込んだ。広義CFは6,105百万円(5,666百万円)となり、前期比439百万円増加する見込み。 |
中期展望「環境激変に対する確かな舵取り」 "原点回帰"と"成長持続" |
(1)経営の基本スタンス
販売価格の適正化と徹底的なコストパフォーマンスの追及により既存事業の収益力を強化すると共に、確実な資金調達パイプの確保と確実で効率的な投資により財務健全性を強化する。
(2)中期経営計画
2013/3期に売上高104,400百万円(08/3期 75,606百万円)、経常利益6,740百万円(08/3期 4,167百万円)、当期純利益3,610百万円(08/3期 2,740百万円)を達成すると共に、ネットD/Eレシオを0.99倍(同 1.79倍)に引き下げる。上記の目標を達成するため、寮事業とホテル事業を両輪として、年率10%超の利益成長を実現すると共に、変動原価のコントロールシステムの確立と本部コストのスリム化によりコスト構造の抜本的な改革を進める。また、原点のビジネスモデル(オーナーリース物件の確保と開発)への回帰により財務の健全性を維持する。 尚、成長戦略は、内部成長を重視して増収率を上回る利益成長率の実現を目指している。このためのポイントとして、新規開発のコントロール、イニシャルコストの抑制、販売価格の適正化、コストパフォーマンスの徹底追及、及び環境に即応した財務戦略を挙げている。 (3)セグメント別売上高・営業利益
(4)前提条件
①寮事業の計画
②ホテル事業の計画
③投資計画
④財務計画(有利子負債の削減)
(5)営業利益・経常利益の推移
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