ブリッジレポート
(4783) NCD株式会社

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ブリッジレポート:(4783)日本コンピュータ・ダイナミクス vol.15

(4783:JASDAQ) 日本コンピュータ・ダイナミクス 企業HP
伊藤 敬夫 社長
伊藤 敬夫 社長

【ブリッジレポート vol.15】2009年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「パーキング・システム事業は好調を持続しているものの、システム開発事業及びサポート&サービス事業を取り巻く環境が厳しさを増してきた。受・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年11月11日掲載
企業基本情報
企業名
日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社
会長
下條 武男
社長
伊藤 敬夫
所在地
東京都品川区西五反田 4-32-1
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 9,539 553 581 315
2007年3月 9,292 261 315 186
2006年3月 8,851 409 424 199
2005年3月 7,607 321 348 228
2004年3月 7,570 340 368 160
2003年3月 6,859 322 283 74
2002年3月 6,168 293 292 152
2001年3月 5,088 247 182 46
2000年3月 4,447 307 339 149
株式情報(10/31現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
240円 8,785,936株 2,109百万円 13.9% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
13.0円 5.4% 30.73円 7.8倍 326.03円 0.7倍
※株価は10/31終値。発行済株式数は直近第2四半期の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本コンピュータ・ダイナミクスの2009年3月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
独立系ソフトウェア開発会社のパイオニア。コンサルティングからシステム運用までを手掛けるシステム開発事業、システムの運用管理とテクニカル・サポートを主体としたサポート&サービス事業、及び自転車駐輪場システムの開発・運用を行なうパーキング・システム事業を展開。優良顧客を抱えるシステム開発事業やサポート&サービス事業は安定成長が続いており、国内トップシェアを有するパーキング・システム事業は成長性に富み、収益性も高い。

同社及び(株)日本システムリサーチ、天津恩馳徳信息系統開発有限公司、(株)ゼクシスの連結子会社3社(いずれも出資比率100%)でグループを形成。社名の"日本コンピュータ・ダイナミクス"には、"コンピューターをダイナミックユースして社会に貢献する(Dynamic use of Computer)"と言う創業時の思いが込められている。
 
 
長期継続を特徴とする顧客資産が強み
長期継続を特徴とする優良な顧客資産が同社の強みの一つ。主な取引先は次の通り。
東京ガス、西部ガス、富士ゼロックス、商船三井、富士ゼロックス、アリコジャパン、高砂熱学工業、角川GHD、日本水産、エスアールエル、福岡県庁等。
 
顧客業界と同社が手掛けるシステム
エネルギー業界 料金調停システム、資産管理システム等
保険業界 契約管理システム、クレーム管理システム等
運輸業界 運行管理システム、倉庫管理システム等
出版業界 著作権管理システム等
全業界 財務会計システム、人事システム等
成長を牽引するパーキング・システム
ハードの開発や清算システムの開発、更には運用までを一貫して手掛けている。全国で問題となっている放置自転車問題対策として社会性の高い事業であり、自治体の業務委託制度から指定管理者制度への移行、法改正による路上駐輪場建設の容認や建築基準法での公開空地駐輪場設置合法等により、更なるビジネスチャンスの広がりが期待できる。子会社での展開から代理店方式に切り替えて全国展開を加速し、拠点の拡充を進めている。
 
 
 
2009年3月期第2四半期決算
 
 
前年同期比29.7%の増収、同1.4%の経常増益。
同社個別の業績が堅調に推移した事に加え、(株)ゼクシスの連結効果もあり、システム開発事業及びサポート&サービス事業の売上が大幅に増加、パーキング・システム事業も二桁の増収となった。

利益面では、プロジェクト管理会計テンプレートの開発や社内システムの拡充等にシステム開発事業の要員を充てた事やサービス&サポート事業での教育費の増加等で売上総利益率が17.3%と1.2ポイント低下した。加えて、(株)ゼクシスの連結、本社事務所の増床費用、更にはのれん償却(20百万円)等により販管費が同24.8%増加したものの、増収効果で吸収して営業利益は同12.6%増加した。
経常利益が同1.4%の増加にとどまったのは、金融収支の悪化に加え、補助金や受取保険配当金がなくなった事等が要因。(株)ゼクシスの完全子会社化(出資比率51.3%→100%)に伴う株式交換関連費用の発生で四半期純利益は同20.2%減少した。

尚、(株)ゼクシスの業績は、売上高1,232百万円、営業利益61百万円、経常利益60百万円、四半期純利益21百万円。また、期初予想との比較では、売上の未達は誤差の範囲内。営業利益が予想を下回ったのは、本社事務所の増床を当初見込んでいなかったため。
 
セグメント別売上・利益
 
システム開発事業
提案営業の成果等で既存客からの受注が拡大、(株)ゼクシスの連結効果もあり、売上高は3,185百万円と前年同期比26.4%増加。プロジェクト管理会計テンプレートの開発や業務量増大に対応するための社内システムの拡充等に多くの開発要員を配したものの、売上総利益も542百万円と同13.2%増加した。

サポート&サービス事業
要員の確保が順調に進み、これまで要員不足で対応できなかった案件の受注に成功。4月にITSMSの認証を取得した事でサービス品質に一定の評価が得られ、マネージドサービスセンター業務の受注も伸びた。加えて、システム開発同様、(株)ゼクシスの連結効果もあり、売上高は1,295百万円と同64.8%増加。マネージドサービスセンター業務関連の教育・研修費用の増加を吸収して、売上総利益は181百万円と同37.1%増加した。

尚、マネージドサービスセンターは、顧客のシステム運用部門に代わり24時間365日、システムの運用・保守から障害対応に至るまで、ITインフラ全体をサポートする。これまでは顧客個々の施設に常駐してサービスを提供していたが、同社社内にマネージドサービスセンターを開設すると共に、システム開発事業とサポート&サービス事業の部門を統合して、ワンストップサービスを提供できる体制を整えた。
また、ITSMS(IT Service Management System)とは、ITSMS適合性評価制度とも呼ばれ、ISO/IEC 20000-1:2005を認証規格としたITサービスの運用管理が一定の品質で提供されている事を第三者が認証する制度である。

パーキング・システム事業
新規の大型案件が第2四半期末までに売上計上に至らなかったものの、既存駐輪場の機器老朽化による入れ替え需要が順調に伸びた事、自治体の指定管理駐輪場やその他受託管理駐輪場が安定的に収益を確保できた事で、売上高は1,293百万円と同12.7%増加。新型ラックや精算機の原価低減が寄与した事で売上総利益は297百万円と同28.0%増加した。
 
2009年3月期業績予想
 
 
前期比36.3%の増収、同3.3%の経常増益予想ながら、営業利益以下の各利益を下方修正した。
システム開発事業において入札案件での価格競争が激化している事に加え、サポート&サービス事業においても顧客からの価格要請が厳しさを増しており、増床に伴う費用の増加等を吸収できない見込み。
尚、のれん償却額は40百万円を予定している。
 
セグメント別売上高
 
下期は、受注残の消化でシステム開発事業が堅調に推移する他、大型案件の売上計上でパーキング・システム事業の売上も伸びる見込み。
 
取材を終えて
パーキング・システム事業は好調を持続しているものの、システム開発事業及びサポート&サービス事業を取り巻く環境が厳しさを増してきた。受注残の消化が中心となる今期業績への影響は少ないようだが、来期については影響を受ける可能性がある。パーキング・システム事業の高い成長が続いているため、業績の大きな落ち込みはないと考えるが、事業環境が厳しさを増すと思われるシステム開発事業及びサポート&サービス事業においては、更なる営業強化と生産性向上に取り組む必要がある。