ブリッジレポート:(4767)テー・オー・ダブリュー vol.14
(4767:東証1部) テー・オー・ダブリュー |
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企業名 |
株式会社テー・オー・ダブリュー |
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社長 |
川村 治 |
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所在地 |
東京都港区虎ノ門 1-26-5 虎ノ門17森ビル |
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決算期 |
6月 |
業種 |
サービス業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2008年6月 | 14,397 | 1,362 | 1,343 | 729 |
2007年6月 | 13,070 | 1,051 | 1,041 | 551 |
2006年6月 | 12,341 | 781 | 784 | 423 |
2005年6月 | 10,705 | 771 | 782 | 465 |
2004年6月 | 9,638 | 781 | 765 | 466 |
2003年6月 | 9,441 | 1,103 | 1,073 | 537 |
2002年6月 | 8,600 | 940 | 920 | 462 |
2001年6月 | 7,555 | 756 | 730 | 371 |
2000年6月 | 5,995 | 556 | 537 | 238 |
株式情報(8/12現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
同業他社が約8,000社と言われる業界にあって、売上高が140億円を超えているのは同社のみ。また、競合他社が限られた大手広告代理店とだけ取引しているのに対して、同社は国内外の大手広告代理店10社以上と取引しており、東京ドーム、幕張メッセ、国際フォーラム、東京ビッグサイト等、大型会場でのイベントを1社で受注できる制作力と資本力を有する。 2000年7月に株式を店頭登録。07年6月の東証2部上場を経て、08年6月25日に東証1部指定替えとなった。 TOWが世の中に提供する主要なサービスは、「イベント」と、「セールスプロモーション(SP)」です。
イベントとは、 セールスプロモーション(SP)とは、
店頭装飾、WEBサイト、キャンペーン、景品・おまけ等の「イベント」以外の手法を用いて、「消費者」と「商品」を結び付ける。
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2008年6月期決算 |
東京モーターショーや自動車メーカーの大試乗イベント等の大型案件が寄与した他、若手社員のレベルアップで中小型の案件も増加。業種別では、食品・飲料・嗜好品、化粧品・トイレタリー、流通・小売向けの売上が増加した。 収益力の強化も進んでおり、粗利率(売上粗利益率)が15%未満の低営収案件の平均粗利率が改善。このため、大型案件(通常、粗利率が低い)が多かったにもかかわらず、粗利率が1ポイント上昇し、売上粗利益は同14.5%増加した。 好調な業績を受けて、営業活動によるCFが930百万円と前期の400百万円から大幅に増加。一方、投資活動によるCFはほぼ前期並みにとどまり、フリー・キャッシュ・フローは大幅に増加した(358百万円→887百万円)。 尚、1株当たり配当金は、8円増配の24円(中間配当12円を含む)を予定。 |
2009年6月期業績予想 |
景気の悪化を踏まえ、慎重な業績予想となった。大型イベントが減少する影響もあるが、期首の受注残は前年同期比微増。企画案件の獲得により、中・小型案件中心に期中受注・期中制作高の積み上げを図る考え。東京都の再開発事業に伴い本社移転を予定しており、特別利益として都からの移転補償金288百万円及び特別損失として移転費用96百万円を見込んでいる。 尚、1株当たり配当金は、8円増配の32円(中間配当16円を含む)を予定。 |
中期事業計画 |
<3ヵ年の数値目標の見直し>
順調に売上高・利益が拡大した08/6期ではあるが、一時的な要因であるモーターショー等大型イベントの押し上げ効果が多分にあった事、及び08/6期下期の受注・売上能力と09/6期の企画引き合い能力を改めて精査し、3ヵ年の数値目標の見直しを行った。また、今後、イベントからプロモーションへの移行のスピードアップを図ると共に、若手役員の推進力を活用できる体制に組織を再構築し、オーナーカンパニーから組織運営への移行を進める。 中期事業計画の概要
(1)基本方針
広告市場(6兆円)・イベント市場(4兆円)・プロモーション市場(4兆円)が重層的に展開されている市場にあって、同社は、従来からのイベント領域から市場拡大が続くプロモーション領域へと事業領域を広げている。4マス媒体の影響力が低下する中、プロモーションへの期待が高まっているが、多様化した顧客接点に相乗効果を生む複合的なプロモーションをいかにして行うかが課題となっている。言い換えると、コミュニケーション施策に決定力が無い時代だけに、統合プロモーションによるインパクトあるプランニング力・制作力が求められている。こうした中、同社は、プロモーションの総合力に不可欠な実体験領域(≒イベント)をコアとしたワンストップ対応力を発揮し、総合プロモーション会社として成長を加速していく考え。この基本方針に基づく戦略として、①提案力強化、②営業力強化、③制作力強化、④ブランド構築、⑤人材育成の5項目を挙げている。それぞれの具体的な施策は次の通り。
①提案力強化=プロモーション提案力の強化
・クリエイティブ力による提案力強化
年間2名のトップクリエイターと協業体制を確立し、Webやグラフィックの質の向上とアイデア力の強化により他社と差別化を図り、営業価値を創造する。
大手CF映像系Web制作会社、医療・健康領域専門のマーケティングサービス会社、更には調査会社等、異業種とのアライアンスによる売り物開発に取り組む。
若手企画マンの成長とプランナーズスクールの拡大により企画力の成長を促進する。
②営業力強化=制作力と収益率の向上
営業力強化に向け、組織体制を変更すると共に、新人事制度をスタートさせる。具体的には、SP戦略本部を解体し、SP営業部門を第1(博報堂グループ)、第2(ADKグループ等)、第3本部(電通グループ)に再編成すると共に、SP制作専門部署を設立し各本部との連携を密にする事でプロモーションの営業体制を強化する。また、新人事制度をスタートさせ、No.1プロモーション会社への進化に対する貢献を評価する体制を整える。尚、新人事制度では、社員の自立を促進するべく、自身が設定した目標の達成度で評価するシステムを取り入れている。この他、SP売上目標を明確にする事でプロモーション営業体質を強化する。 ③制作力強化
制作ネットワークの強化、子会社T2クリエイティブの体制強化、及びイベント制作管理チームの設置による管理体制の強化に取り組む。制作ネットワークの強化については、基盤業務であるイベント制作体制の強化に加え、イベントスタッフネットワークの拡大と専門性の高い人材の育成に努める。また、T2クリエイティブについては、TOW新組織への密着体制を確立すると共に、演出、映像等の専門領域を強化する。新たに設置するイベント制作管理チームについては、協力機関のランク付けを行なうと共に、基準価格表の再設定、更には個別案件の原価管理をサポートする。 ④ブランド構築
ブランド構築に向けた具体的な取り組みとして、大型主催事業への参画、継続的な出版戦略、及びイベント産業振興協会や大学キャリア教育プログラムへの参加を挙げている。・大型主催事業への参画 2009年に開催される「海のエジプト展」へ主催事業者として参画する。「海のエジプト展」は、横浜開港150周年記念事業の一環として、約3ヶ月間に渡り開催される大型イベントで、2度の地震でエジプト沖に沈んだ古代文明の文化財を紹介。主催者は、朝日新聞社、TBS、博報堂グループ、TOWの4社である。
アレクサンドリア沖等の海底から引き揚げたプトレマイオス朝(紀元前305~前30年)を中心とした文化財約490点を展示する予定で、ベルリンやパリで人気を博し、現在はマドリードで開催中。アジアでは、今回が初めての開催となる。 毎年2冊の発刊を継続しており、今期で合計10冊を達成する予定。内容は、イベント企画、イベント演出、プレゼンテーションテクニツク等。
イベント大賞「制作賞」のスポンサー継続や各種委員会への積極的な参画に加え、展示会「イベントジャパン」やイベント学会へも協力していく考え。
イベント講演会を実施すると共に、サンプリングシミュレーションソフトの販売を進める。
⑤人材育成
OJT 制度の推進に加え、教育プログラムの拡大とナレッジの構築に取り組む。・OJT制度の推進 効果の出てきたOJTを更に進めると共に、トレーナー人材への研修を充実させる。
階層別研修に加え、各種プロモーションやイベント専門領域等、テーマ別研修を拡大させる他、非正社員への研修を開催する。
社内共有情報のデータベース化を進めると共に、特殊会場やタイアップ情報の充実を図る。
(2)行動スローガン
社員の行動スローガンを「言行一致」と定め、社員一人一人がTOWブランドの担い手として、「責任」を自覚し「実行力」を最大限に発揮する。また、圧倒的な品質を確保するため、「創造性」を働かせる。そして、正しい「品格」を持ち、「倫理観」ある行動を心がける。
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