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ブリッジレポート:(4709)インフォメーション・ディベロプメント vol.25

(4709:JASDAQ) インフォメーション・ディベロプメント 企業HP
舩越 真樹 社長
舩越 真樹 社長

【ブリッジレポート vol.25】2009年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期間の連結業績は売上高が前年同期比3.0%増、営業利益が同15.4%減となった。一部子会社において売上が従来予想を下回ったことで予想・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年8月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
会長
尾﨑 眞民
社長
舩越 真樹
所在地
東京都千代田区二番町 7-5
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 18,032 1,200 1,191 594
2007年3月 14,692 1,024 1,024 550
2006年3月 13,028 851 845 430
2005年3月 11,378 550 557 119
2004年3月 11,203 625 628 203
2003年3月 11,668 598 591 274
2002年3月 11,081 548 546 272
2001年3月 9,738 756 735 242
2000年3月 8,468 640 586 320
株式情報(8/1現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
690円 7,425,708株 5,124百万円 11.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
19円 2.8% 90.23円 7.6倍 712.14円 1.0倍
※株価は8/1終値。発行済株式数は直近第1四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
インフォメーション・ディベロプメントの2009年3月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
銀行・保険等の金融向けITアウトソーシング業務に強みを有する独立系の情報サービス会社。ソフトウェア開発、システム運営管理、データ入力等のサービスを提供している。
 
<事業内容>
事業は、システムインテグレーション事業(SI)、ITアウトソーシング事業(ITO)、ビジネスプロセスアウトソーシング事業(BPO)、その他事業に分かれる。
 
システムインテグレーション事業(SI)
「独立系SE集団」として、特定のマシン、OS、ツール、開発言語にとらわれず、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。大型汎用機から携帯端末まで、金融、公共、サービス分野を中心に豊富な実績を誇る。
 
ITアウトソーシング事業(ITO)
1,000名規模の技術者を擁する専門部隊が、導入後のシステム運営管理をサポート。ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。
 
ビジネスプロセスアウトソーシング事業(BPO)
金融機関等へ「データ入力業務」、「バックオフィス業務」、「電話業務」等のサービスを提供している。
 
その他事業
コンサルティング&セキュリティ事業を中心に展開している。「セキュリティ・マネジメント」、「外部からの攻撃対策」、「内部不正への対策」の3つの側面から企業をサポート。世界の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。
 
<IDグループ>
同社の他、日本ユニシス(株)との合弁会社(株)ソフトウエア・ディベロプメント、情報システム設計・開発の方法論の保有・販売及びコンサルティング等を手掛ける(株)プライド、中国のソフトウェア生産拠点として、04年4月に設立した艾迪系統開発有限公司(ID武漢)、06年12月に業容の拡大及び営業拠点の拡充を目的に子会社化した(株)日本カルチャソフトサービス(以下、NCS)の連結子会社4社で企業グループを形成している。
 
 
<売上高と営業利益率の推移>
優良顧客との継続的な取引が同社グループの特徴。ITアウトソーシング事業を安定収益源に、右肩上がりの業績が続いている。
 
 
2009年3月期第1四半期業績
 
<連結業績>
 
同社グループは引き続き採用活動の強化による優秀な人材確保、技術者育成を最重要課題として取り組むとともに、当社グループの総合力を活かし、既存の顧客を中心にBOO(注)の推進による総合的なサービスの提供、プロジェクト管理の強化、生産性の向上、高品質サービスの維持などに注力した。

この結果、同社グループの当第1四半期間における連結売上高は、42億37百万円(前年同期比3.0%増)となった。これは主として、システム運営管理部門およびデータ入力部門が前年同期に比べそれぞれ3.1%、14.8%増加したことによるもの。

一方、収益面は、パートナー(提携関係を結んでいる外注先IT企業)の効率的な活用、品質管理・生産性の強化に取り組んだものの、新入社員の教育費および管理費用が先行していることと、新入社員教育期間中の技術補完の外注費等が増加したことにより、営業利益は1億26百万円(前年同期比15.4%減)、経常利益は1億26百万円(同11.9%減)、当四半期純利益は52百万円(同25.3%減)となった。

(注)BOO(ビジネスオペレーションズアウトソーシング)とは、顧客のコンピュータ部門からの直接的な業務の獲得に止まらず、関連する業務の川上から川下に至る広い範囲のビジネス展開。
 
<事業部門別動向>
 
<システム運営管理部門>
低価格化や受注競争が激化する中で、システム運営管理業務のアウトソーシング化の需要を捉え、既存顧客における個別案件の売上が増加したことにより、売上高は23億19百万円(前年同期比3.1%増)となった。
<ソフトウエア開発部門>
一部子会社において開発案件の受注減があったものの、当社の既存顧客における金融・保険関連の受注が引き続き堅調に伸びたことにより、売上高は14億57百万円(前年同期比1.8%増)となった。
<データ入力部門>
証券業務の個別案件増により、売上高は3億54百万円(前年同期比14.8%増)となった。
<その他(セキュリティ業務、コンサルティング業務等)>
コンサルティング業務およびセキュリティ業務の受注が減ったことにより、売上高は1億6百万円(前年同期比14.4%減)となった。
 
<財政状態>
 
当第1四半期における財政状態の変動状況は、前年度末に比べ、総資産では6億49百万円の減少となった。これは主に、現金及び預金の減少2億59百万円、仕掛品の増加2億11百万円および売上債権の減少5億42百万円などによるもの。
負債の減少5億84百万円は、主に有利子負債の増加1億円、未払法人税等の減少2億77百万円および賞与支給による賞与引当金の減少4億53百万円などによるもの。
なお、純資産は利益剰余金の減少88百万円および有価証券評価差額の増加32百万円などにより64百万円減少し、自己資本比率は58.3%となった。
 
<キャッシュフロー>
 
当第1四半期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期末に比べ3億88百万円減少し、当第1四半期末には12億71百万円(前年同期比23.4%減)となった。
当第1四半期連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおり。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1億60百万円(前年同期比39.3%増)となった。
これは主に、賞与引当金を含むその他の流動負債の減少額2億68百万円(前年同期比11.3%減)、たな卸資産の増加2億12百万円(前年同期比74.4%増)、仕入債務の減少81百万円(前年同期比38.8%減)および法人税等の支払額2億86百万円(前年同期比18.9%増)があった一方で、税金等調整前四半期純利益1億26百万円(前年同期比9.5%減)および売上債権の減少5億41百万円(前年同期比12.1%増)などにより一部が相殺された。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は51百万円(前年同期間は22百万円の獲得)となった。
これは主に、有形固定資産の取得による支出30百万円(前年同期比112.8%増)および無形固定資産の取得による支出21百万円(前年同期比721.0%増)などによるもの。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は46百万円(前年同期間は2億57百万円の獲得)となった。
これは主に、配当金の支払額1億41百万円(前年同期比3.4%増)があった一方で、短期借入金の純増加額1億円(前年同期比76.9%減)などにより一部が相殺された。
 
2009年3月期業績予想
 
<連結業績>
業績予想は期初予想(08年5月13日発表)から修正はない。
 
当第1四半期の業績は、一部子会社において売上が従来予想を下回ったことにより、売上、利益ともに計画を下回って推移したが、グループ全体の資源調達、拠点活用など、業務の効率化に持続的に取り組み、期初計画の達成に向け努力していく、としている。
 
トピックス
 
<株式会社シィ・エイ・ティを子会社化>
7月31日に、インプット業務、スキャニング業務などアナログデータのデジタル化サービス(デジタルソリューション事業)を手がける株式会社シィ・エイ・ティの株式の58.5%を取得し、子会社化すると発表した。
インフォメーション・ディベロプメントのビジネス・プロセス・アウトソーシング事業(BPO)は、主力事業であるITアウトソーシング事業(ITO)やシステムインテグレーション事業(SI)に続く基盤事業。シィ・エイ・ティが加わることによりBPO事業周辺の新たなサービスラインナップを強化し、グループの強みでもある既存の直接取引顧客、あるいは新規顧客に対し、新たな付加価値サービスを提供していく。

シィ・エイ・ティの08年4月期の売上高は5億68百万円、経常利益は36百万円。シィ・エイ・ティの子会社化に伴う今期および来期の連結業績に及ぼす影響は現在精査中であり、判明次第開示する予定。
 
取材を終えて
第1四半期間の連結業績は売上高が前年同期比3.0%増、営業利益が同15.4%減となった。一部子会社において売上が従来予想を下回ったことで予想を下回った。第2四半期連結累計期間、通期は増益予想であり、第2四半期でどの程度巻き返すことができるか注目したい。中期的には、シィ・エイ・ティの子会社化によるビジネス・プロセス・アウトソーシング事業(BPO)の収益力強化にも期待したい。