ブリッジレポート
(2687) 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア

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ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.20

(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア 企業HP
泉澤 豊 社長
泉澤 豊 社長

【ブリッジレポート vol.20】2009年2月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期の連結業績は、前年同期比1.5%減収、同8.7%営業減益、同14.4%経常増益、同46.4%最終増益となった。今期に関しては、中間期で・・・」続きは本文をご覧ください。
2008年7月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
社長
泉澤 豊
所在地
千葉県浦安市入船1-5-2 明治安田生命ビル9F
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年2月 24,277 623 446 216
2007年2月 23,347 699 610 310
2006年2月 22,332 1,018 1,055 600
2005年2月 20,956 1,081 1,101 578
2004年2月 17,236 946 1,048 499
2003年2月 14,024 880 878 390
2002年2月 12,358 847 873 445
2001年2月 11,835 753 722 386
2000年2月 9,840 641 673 306
株式情報(6/30現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
179円 24,822,400株 4,443百万円 5.3% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
7円 3.9% 10.80円 16.6倍 165.87円 1.1倍
※株価は6/30終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2009年2月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
千葉県及び東京都のベイエリア地域を中心に、コンビニエンス・ストア(以下、コンビニ)を直営店舗主体で展開している。(株)サークルKサンクスと企業フランチャイズ契約を締結し、東京都9区(新宿区、千代田区、中央区、江東区、江戸川区、港区、葛飾区、足立区、台東区)及び千葉県全域に直営店方式のコンビニ「サンクス」を展開。また、同地域のエリアフランチャイズ本部として、コンビニ経営希望者とサンクス・フランチャイズ・チェーン加盟店契約を締結し、経営ノウハウとその情報等の供与及び資金面の支援等を行なっている。
2008年2月末現在の店舗数は133店舗(直営店112店舗、加盟店21店舗)。
 
 
<沿革>
1981年2月、コンビニ経営を目的にしたシビルサービス(株)として、千葉県市川市に設立。89年11月、(株)サンクスアンドアソシエイツ(現サークルKサンクス)とフランチャイズ・チェーン加盟店契約を締結、97年には東京都9区、千葉県10市におけるサンクス地域本部となった。
2000年7月には、クリーニング24時間取次ぎ、ヘアカットサービスを開始。02年9月には事業エリアが千葉県内10市から千葉県全域へ拡大、同年10月の東証2部上場を経て、06年2月に東証1部に指定替えとなった。
近年、酒・タバコの取り扱いの拡充に加え、ATMの導入、クリーニング取次ぎ、ヘアカット等の新サービスの提供、宝くじ販売、ネットカフェの併設、宅配、掃除サービス等、店舗の内外を問わず新サービスの導入に力を入れている。
 
<特徴>
コンビニでありながら、規定のコンビニの概念にとらわれない便利さの追求が、同社の特徴。既存店売上高の前年割れ状態が続くなどコンビニ業界は厳しい事業環境が続いているが、同社は従来のコンビニの概念にとらわれない独自の店舗戦略と商品・サービス戦略により、一店舗当たりの平均日販で業界トップクラスの座を維持している。
 
<店舗数の推移>
近年の店舗賃料の高騰を踏まえ、数(売上)よりも質(利益)を重視した出店戦略を進めている。このため、店舗の純増数は必ずしも多くない。
 
 
2009年2月期第1四半期業績
 
<連結業績>
 
コンビニエンス・ストア業界は、不採算店舗を閉店し事業の効率化を図るチェーンが増えている。
また、新規出店に関しては、ロードサイド、駅前、住宅地などコンビニエンス・ストアに適した立地が少なくなり、以前の形式にとらわれない特殊な立地での出店が多くみられ、店舗の経営スタイルに変化が出てきた。

このような環境のもと、同社の店舗開発に関しても、上記のように立地条件の良い環境が減少しており、新規出店は2店舗となった。また、再開発等の影響による閉店を行った結果2店舗を閉店し、新規出店及び既存店確保の面で苦戦した。当第1四半期末現在における当社「サンクス」店舗数は133店舗となった。

店舗運営及びサービスに関しては、「接客を丁寧に行う」「店舗を清潔に保つ」など店舗における基本業務を徹底している。さらに、直営店主体とした当社のスタイルを強みに、独自の商品・サービスを提供することで他社との差別化を図っている。

グループ全体では、適正な業務の遂行を確保するための体制(内部統制システム)の構築に向けプロジェクトチームを立ち上げた。この内部統制システムを早期に構築し、コンプライアンス遵守の経営を徹底し、透明性及び健全性の高い経営を行うことが、企業価値の増大に寄与すると考えている。

その他事業においては、前年度よりスタートした、食堂事業を業績不振と今後の見通しが厳しいことが予想されたため撤退した。
また、連結子会社である株式会社エフ.エイ.二四は、主力事業であるクリーニング事業及びヘアカット事業に加え、前年度よりスタートした有料老人ホーム紹介サイトの運営及びお片づけ・おそうじサービス事業を順調に事業拡大しており、今後もサービスの向上に努めていく予定。

以上の施策の結果、同社グループの当第1四半期における業績は、営業総収入が60億22百万円(対前年同期比1.5%減)、営業利益が1億71百万円(対前年同期比8.7%減)、経常利益が1億62百万円(対前年同期比14.4%増)、当第1四半期純利益が89百万円(対前年同期比46.4%増)となった。
 
<財政状態>
 
当第1四半期末における総資産は124億82百万円(前年同期比0.1%増)となり、その内訳は流動資産が50億43百万円(前年同期比5.2%増)、固定資産が74億39百万円(前年同期比3.1%減)。
負債純資産の内訳は、負債総額が83億47百万円(前年同期比0.2%減)、純資産総額が41億35百万円(前年同期比0.7%増)となった。
 
<キャッシュ・フロー>
 
当第1四半期間の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ2億82百万円(9.8%)増加し、31億55百万円となった。その主な内訳は、下記のとおり。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、9億24百万円の収入超過(前年同期比38.5%増)となった。その主な内訳は、前年同期と比べ法人税等の支払額が2億36百万円減少したことによるもの。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、67百万円の支出超過(前年同期比83.2%減)となった。その主な要因は、前年同期と比べ投資有価証券の取得及び売却による収入が2億13百万円減少したが、売買目的有価証券の取得及び売却による支出が2億90百万円減少、定期預金の取崩による収入が92百万円増加、有形固定資産の取得による支出が59百万円減少、敷金保証金の預入による支出が57百万円減少したことによるもの。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、4億91百万円の収入超過(前年同期比45.6%増)となった。その主な要因は、前年同期と比べ短期借入金の純増減額が6億円増加、長期借入による収入が5億円減少したことによるもの。
 
2009年2月期業績予想
 
<連結業績>
当四半期の業績は概ね予定通り推移しており、08年4月11日に公表した連結業績予想に変更はない。
 
 
同社は、現在はコンビニ事業を拡大する時期としては有利でないという認識を持っている。このため、商品の充実や人材の育成など既存店の業績向上に集中する考えだ。無理して出店を続ける競合チェーンが撤退していくことも考えられる。また、将来的には店舗の賃料は下がると予想している。現在は業界の動向を静観することが生き残ることになり、勝ち残りにつながっていくと考えている。

子会社のFA24はクリーニング事業に加え、掃除関連の事業でも業績を伸ばしている。現在はセコム、高島屋の渉外顧客が会員登録して利用しているほか、日本通運とも提携して引越し後の片付け需要を開拓していく予定。
 
取材を終えて
第1四半期の連結業績は、前年同期比1.5%減収、同8.7%営業減益、同14.4%経常増益、同46.4%最終増益となった。今期に関しては、中間期で0.3%減収、通期で1.9%増収と、売上高に関しては高い伸びを見込んでおらず、ほぼ順当なスタートと言える。
同社は、現在はコンビニ事業を拡大する時期としては有利でないという認識を持っており、当面は商品の充実や人材の育成など既存店の業績向上に集中する考えだ。
規模の拡大よりも収益力強化を重視し、通期では59.8%の連結経常増益を見込んでいる。7月から関東地区で「taspo」が導入されることに伴う増収効果が見込める、第2四半期以降の利益の伸びに期待したい。
なお、同社は業容拡大に伴い8月末に本社機能を海浜幕張に移転する計画である。