ブリッジレポート
(2687) 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア

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ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.18

(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア 企業HP
泉澤 豊 社長
泉澤 豊 社長

【ブリッジレポート】シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.18
(取材概要)2007年11月13日掲載
「同社のビジネスを取り巻く環境は、ようやく最悪期を脱してきたようです。中間期の既存店売上高は前年同期比1%増と、年々割れが当たり前だった時期は・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
社長
泉澤 豊
所在地
千葉県浦安市入船1-5-2 明治安田生命ビル9F
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年2月 23,347 699 610 310
2006年2月 22,332 1,018 1,055 600
2005年2月 20,956 1,081 1,101 578
2004年2月 17,236 946 1,048 499
2003年2月 14,024 880 878 390
2002年2月 12,358 847 873 445
2001年2月 11,835 753 722 386
2000年2月 9,840 641 673 306
株式情報(10/19現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
220円 24,780,400株 5,452百万円 7.6% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
7円 3.2% 13.57円 16.2倍 165.27円 1.3倍
※株価は10/19終値。
 
シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2008年2月期中間決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
千葉県及び東京都のベイエリア地域を中心に、コンビニエンス・ストア(以下、コンビニ)を直営店舗主体で展開しています。(株)サークルKサンクスと企業フランチャイズ契約を締結し、東京都9区(新宿区、千代田区、中央区、江東区、江戸川区、港区、葛飾区、足立区、台東区)及び千葉県全域に直営店方式のコンビニ「サンクス」を展開。
また、同地域のエリアフランチャイズ本部として、コンビニ経営希望者とサンクス・フランチャイズ・チェーン加盟店契約を締結し、経営ノウハウとその情報等の供与及び資金面の支援等を行なっています。2007年2月末現在の店舗数は132店舗。
 
 
<沿革>
1981年2月、コンビニ経営を目的にしたシビルサービス(株)として、千葉県市川市に設立されました。89年11月、(株)サンクスアンドアソシエイツ(現サークルK サンクス)とフランチャイズ・チェーン加盟店契約を締結、97年には東京都9区、千葉県10市におけるサンクス地域本部となりました。
2000年7月には、クリーニング24時間取次ぎ、ヘアカットサービスを開始。02年9月には事業エリアが千葉県内10市から千葉県全域へ拡大、同年10月の東証2部上場を経て、06年2月に東証1部に指定替えとなりました。
 
<特徴>
コンビニでありながら、規定のコンビニの概念にとらわれない便利さの追求が、同社の特徴です。
既存店売上高の前年割れ状態が続くなどコンビニ業界は厳しい事業環境が続いていますが、同社は従来のコンビニの概念にとらわれない独自の店舗戦略と商品・サービス戦略により、一店舗当たりの平均日販で業界トップクラスの座を維持しています。
 
2008年2月期  中間業績
 
同社は、10月12日の中間決算発表に先立ち、9月28日に、中間期と通期の業績予想を修正しました。 変更内容は以下のとおり。
 
 
 

コンビニ事業の既存店前年比が好調で、売上高、経常利益は上方修正となりました。一方、閉店店舗の追加に伴う特別損失の発生や保有する有価証券の価格下落による評価損などにより、純利益は下方修正となりました。
 
<単体>
08年2月期中間決算概要(予実比・単体)
 
営業成績の予算実績比較(単体)
 
「クリーニング取次ぎサービス」や「宝くじ」及び「数字選択式宝くじ」の積極的な導入により競合店舗との差別化に努め、既存店増収率が前年同期比101%増と順調に推移しました。
 
営業外収支の予算実績比較(単体)
 
コスト削減策が奏効。幕張SCEビルの不動産収入の寄与もあったものの、期中オープン店舗の不振、夏場の株価下落による有価証券評価損等もあり、経常利益(個別)は前年同期比35.4%減となりました。
 
08年2月期中間決算概要(店舗実績)
 
「クリーニング取次ぎサービス」や「宝くじ」及び「数字選択式宝くじ」の積極的な導入、昨年より導入した時間内引出手数料無料ATM「ゼロバンク」による集客効果もあり、既存店平均客数、客単価ともに順調な伸びとなりました。
既存店は順調に伸びていますが、新店の日販が伸び悩んでおり、今後の課題といえます。
 
免許品・サービス導入状況(平成19年8月末現在)
 
酒類、たばこの販売、ATM設置店舗はほぼ全店に近い導入が進みました。
 
既存店前年比推移~月次ベース
 
さまざまな新サービスが奏効したこともあり、同社の既存店売上高は昨年12月から前年同月を上回っており、セブンイレブンはじめ、同業他チェーンを上回って推移しています。
(6月の落ち込みは、昨年のたばこ値上げによる駆け込み需要の反動によるものです)
 
2008年2月期業績予想
 
<個別>
 
<連結>
 
前述のように、同社は9月28日に、中間期と通期の業績予想を修正しました。
宅配および食堂事業の売上予想を下方修正するものの、初期費用も減少することから利益への影響は軽微であり、また保有するオフィスビルの入居率改善による賃料収入の増加などが見込まれることもあり、利益は上方修正です。
 
今後の方向
 
昨年12月より、同社の既存店売上高は前年同月を上回って推移しています。同業の他チェーンの動向を見ても、コンビニエンス・ストアを取り巻く事業環境は最悪期を脱しつつあるようです。同社でも同様の感触を持っているようです。
しかし、同社の当面の戦略は、ひたすら成長を追い求めるのではなく、内部の充実に重きを置く構えです。
これまでは人件費と店舗の賃料が上昇しつづけてきましたが、賃料についてはそろそろ上げ止まる可能性があると見ています。現在の高い賃料での出店はリスクが大きいと見ています。

一方、新規事業については積極的な姿勢です。新規事業は試行錯誤の連続で、なかなか軌道に乗りません。これまでもうまくいったのはクリーニング取次ぎなど多くはありませんが、今後は事業自体が拡大するような新規事業を手掛けたい意向です。構想としては金融関連のサービスや、下着の洗濯などがあります。

いずれにしても生活の「便利さ」を追求する分野での展開を進めていく方向です。
 
取材を終えて
同社のビジネスを取り巻く環境は、ようやく最悪期を脱してきたようです。中間期の既存店売上高は前年同期比1%増と、年々割れが当たり前だった時期はようやく過ぎたようです。しかし、同業他チェーンとの競争はもとより、他業態との競争も熾烈になっており、気を抜くことはできません。
既存事業では、(1)基本オペレーションをしっかりさせる、(2)社員に店舗経営の面白さを理解させる、(3)1店舗1店舗が他社に負けない、といった極めてオーソドックスな考え方を継続する一方、新規事業では金融関連サービスなど、これまでにない分野でも展開も視野に入れ始めているようです。今後の差別化を見守っていきたいと思います。