ブリッジレポート
(5162) 株式会社朝日ラバー

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ブリッジレポート:(5162)朝日ラバー vol.2

(5162:JASDAQ) 朝日ラバー 企業HP
横山 林吉 社長
横山 林吉 社長

【ブリッジレポート】朝日ラバー vol.2
(取材概要)2007年8月28日掲載
「ASA COLORブランド製品の専用工場である白河工場が、今秋に本格稼動します。これにより、生産能力の向上はもちろん、生産性の改善も期待できますが、今・・」続きは本文をご覧ください。
企業基本情報
企業名
株式会社朝日ラバー
社長
横山 林吉
所在地
埼玉県さいたま市大宮区土手町2-7-2
決算期
3月 末日
業種
ゴム製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2007年3月 5,314 399 375 176
2006年3月 4,578 366 353 209
2005年3月 4,057 251 251 147
2004年3月 3,449 233 211 112
2003年3月 3,154 172 159 75
2002年3月 2,907 98 85 10
2001年3月 3,582 315 336 189
2000年3月 3,140 313 300 141
株式情報(8/22現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
593円 4,519,340株 2,680百万円 6.3% 500株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12円 2.0% 53.35円 11.1倍 636.28円 0.9倍
※株価は8/22終値
 
朝日ラバーの2008年3月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
会社概要
 
車載用機器、携帯用通信機器、電子・電気機器、産業機器、文房具用・スポーツ用などに使用される工業用ゴム製品の製造・販売を中心に、医療・衛生用ゴム製品や、硬質ゴムと軟質ゴムの複合製品等も手掛けています。
 
<沿革>
 
1970年5月、有限会社朝日ラバーとして設立。76年6月、株式会社に改組し、彩色用ゴム製品「アサ・カラー」(現:ASA COLOR LAMPCAP)及び弱電用高精密ゴム製品「ホルダー」の生産を開始しました。89年11月、医療用ゴム製品の生産を開始。98年9月に、株式を店頭登録(ジャスダック上場)しました。
 
<事業内容と主要製品>
 
事業は、工業用ゴム事業、点滴用ゴム栓や腰部クッション等の医療・衛生用ゴム事業、及び複合製品等のその他事業に分かれます。2007年3月期の売上構成比は、それぞれ、86.2%、13.6%、0.2%。 工業用ゴム事業は、更に彩色用ゴム製品(売上構成比43.2%)、弱電用高精密ゴム製品(同 25.2%)、卓球のラケット用ラバー等のスポーツ用ゴム製品(同 5.7%)、その他工業用ゴム製品(同 12.0%)に分かれます。
 
色彩用ゴム製品
 
弱電用高精密ゴム製品
 
2008年3月期第1四半期業績
 
<連結>
 
 
主力の工業用ゴム事業が順調に拡大、増収・増益となりました。
為替差益の計上等で営業外損益が改善、税負担の減少もあり四半期純利益は40百万円と同44.5%増加しました。
尚、ゴムキャップをLEDメーカーに販売していた商流の一部が変更となり、今期からは同社が青色LEDを仕入れて、ゴムキャップを接着してLEDメーカーに販売する事となりました。この影響により、通期で6億円、売上高及び売上原価が増加します。
 
<セグメント別動向>
 
 
1.工業用ゴム事業  売上高1,305百万円(前年同期比24.4%増)
(1)彩色用ゴム製品  売上高  727百万円(前年同期比47.2%増)
小型電球用彩色ゴムキャップの「ASA COLOR LAMPCAP」の売上高は124百万円と前年同期比21.0%減少しました。一方、青色LED に被覆して豊富なカラーバリュエーションと色と光のばらつきを均一化できる「ASA COLOR LED」は、自動車内装照明向けが伸長、前期まで一部無償支給であった青色LED が今期から有償支給となった事に伴う売上増もあり、売上高は461百万円と同111.6%増加しました。超透明シリコーン製品は、携帯ゲーム機向け液晶保護シートがほぼ前年並みにとどまったものの、高輝度LED 向けのレンズ製品「ASA COLOR LENS」が増加した事で、売上高は139百万円と同18.4%増加しました。
 
(2)弱電用高精密ゴム製品  売上高372百万円(前年同期比17.0%増)
液晶テレビ向けホルダーの売上高が212 百万円と前年同期比51.4%増加しました。
 
(3)スポーツ用ゴム製品  売上高72百万円(前年同期比8.1%減)
開発製品、既存製品共に売上高が減少しました。
 
(4)その他工業用ゴム製品  売上高133百万円(前年同期比15.5%減)
 
2.医療・衛生用ゴム事業  売上高200百万円(前年同期比10.8%増)
独自製品が好調に推移した事等によります。
 
<独自開発製品の売上実績>
 
 
「ASA COLOR LED」を中心に独自開発製品の売上高が771百万円となり、連結売上高の過半を占めるに至りました。
 
<財政状態>
 
 
 
第1四半期末の総資産は、8,105百万円と前期末比592百万増加しました。
資産の増加要因は、現金及び預金の増加(前期末比238百万円増)、彩色用ゴム製品関連の設備投資による有形固定資産の増加(前期末比127百万円増)によるものです。一方、負債の増加要因は、前期まで一部無償支給であった青色LED を、今期から有償支給としたため仕入計上することになった影響による支払手形及び買掛金の増加(前期末比293百万円増)、及び短期借入金の増加(前期末比300百万円増)等です。
また、新株発行による資本金及び資本剰余金の増加により、純資産は前期末比31百万円増加しました。
 
2008年3月期業績予想
 
<中間期の業績予想の修正>
 
 
第1四半期は、売上高、利益共に計画をやや上回りました。中間期の業績については、第1四半期の実績及び第2四半期の受注予測及び経費削減計画を踏まえて、個別の利益予想をわずかに上方修正する一方、連結の利益予想をわずかに下方修正しました。連結ベースでは、第2四半期に子会社の費用増が予想されるためです。
 
<通期予想>
 
 
通期業績予想については、連結・個別共に変更はありません。
 
取材を終えて
ASA COLORブランド製品の専用工場である白河工場が、今秋に本格稼動します。これにより、生産能力の向上はもちろん、生産性の改善も期待できますが、今上半期は同工場への設備移管等でコストが先行。中間決算は、増収・減益の予想です。ただ、通期では連結ベースで20%を超える増益が期待できます。下半期にかなりプレッシャーがかかる予想ですが、これは上半期のコスト先行と下半期の最新鋭工場の稼動効果を織り込んだためです。また、テレビ東京系列の番組に同社が取り上げられ、同社の工場の製造過程が映っており、後日当社のブリッジサロンにおいて、製造過程においてゴムが廃材となっているようで無駄に見えるというご質問もありました。IR担当者にうかがったところ、こうした廃材については、昨年からリサイクルのしくみを導入し、廃棄物の削減に取り組んでいるとのことです。いずれにしましても、白河工場が通期で稼動する来期は、飛躍の年になりそうです。