ブリッジレポート:(8860)フジ住宅 vol.10
(8860:東証1部,大証1部) フジ住宅 |
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企業名 |
フジ住宅株式会社 |
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社長 |
今井 光郎 |
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所在地 |
大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号 |
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決算期 |
3月 |
業種 |
不動産業 |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2007年3月 | 52,221 | 4,233 | 4,090 | 911 |
2006年3月 | 41,333 | 3,229 | 3,196 | 1,312 |
2005年3月 | 43,954 | 3,208 | 2,799 | 1,661 |
2004年3月 | 34,387 | 2,034 | 1,891 | 684 |
2003年3月 | 32,905 | 1,198 | 1,028 | 545 |
2002年3月 | 33,419 | 899 | 692 | 297 |
2001年3月 | 31,433 | 2,928 | 2,681 | 1,503 |
2000年3月 | 34,268 | 1,596 | 1,117 | -2,237 |
株式情報(5/8現在データ) |
※配当を除く1株当たりの指標は連結ベース |
会社概要 |
<事業概要>
現在の事業は、「分譲住宅事業(戸建・マンション)」、「土地有効活用事業(建築請負)」、「賃貸及び管理事業」、「不動産ファンド等向け賃貸マンション販売事業」、「中古住宅の販売及び仲介事業」に分かれます。
1.分譲住宅事業(戸建・マンション)
用地仕入・許認可の取得から、宅地造成、設計、建築、販売までの一貫体制を構築しています。もともと建売を中心に展開していましたが、02/3期前半に戸建住宅の販売不振に陥りました。その原因を分析する中で、同社の中心購買層(25~35才)のニーズが"洗練された外観デザインと自由な間取り、多彩なオプション仕様"にあるということがわかり、顧客の要望を最大限に取り入れる「自由設計方式」(大手の戸建分譲会社では対応が難しい)を導入しました。体制の変更に6ヶ月間を要しましたが、02年1月より販売が好転。以降も工夫を重ねながら、販売活動は順調に推移しています。また、03年1月以降、本格的に営業地域を拡大。より需要層が厚く、販売単価の高い大阪北部、兵庫県南部へ進出しました。
2.土地有効活用事業(建築請負)
対象顧客は既契約者、金融機関や既契約者からの紹介による土地所有者で、賃貸管理と分譲住宅事業のノウハウを活かして、美観性が高く、居住性に優れた木造賃貸アパート「フジパレス」、「エンフィールド」、RC造賃貸マンション「エフ・コンスパイヤー」、さらには2006年1月に木造賃貸住宅「フジパレス戸建」を商品化し、事業を展開しています。単なる建築請負ではなく、サブリースを前提とした土地所有者との運命共同事業として、徹底した市場調査・企画・設計・建築・竣工引渡後の建物の運営管理までのトータルルサポートシステムを顧客個々の状況に合わせた「安定・安全・安心」の事業として提案しています。
3.賃貸及び管理事業
賃貸マンションの建物管理や入居者募集、賃料回収、事務等の管理業務及び分譲マンションの管理組合からの運営受託等を、100%出資子会社フジ・アメニティサービス(株)が手掛けています。安定収益となるばかりでなく、事業のノウハウが土地有効活用事業や不動産投資ファンド等向け賃貸マンションの販売及び分譲マンションの建築に役立っています。
4.不動産ファンド等向け賃貸マンション販売事業
分譲住宅事業、土地有効活用事業、賃貸及び管理事業等で培ってきたノウハウを生かした事業です。建物の完成時点での引渡しだけでなく、新築物件を一定期間保有し、稼動実績を付けて販売する方式なども取り入れています。ただ、継続的に拡大を図る事業と言うよりも、需要動向を見ながら、臨機応変に対応していく事業です。
5.中古住宅の販売及び仲介事業
中古住宅再生事業としての手法を確立している改装付中古住宅「快造くん」が人気を博しています。地域密着型の営業による交差点単位での地域情報とその分析による物件の鑑定力、仕入、販売価格の査定の速度と正確性及びリフォームのマニュアル化による独自のノウハウが強みです。また、06年2月に新業態の中古住宅を中心とする豊富で鮮度の高い住まい探しの情報拠点として「お・う・ち・館」を開設し、物件情報の提供のみならず住宅ローン及び持家の売却相談や無料査定に至るまでの専門のアドバイザーによるコンサルティングスペースとして、住宅に関する地域のコミュニティセンターを目指した店舗運営を通じて業績への寄与を図る考えです。
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2007年3月期決算 |
<特別損失>
市街化調整区域に土地(固定資産)を保有していましたが、市街化調整区域における大規模開発に対する規制が強化され、事業化が難しくなりました。回収可能見込額が帳簿価格を大きく下回ることとなり、今後の回復も見込めないことから、減損会計基準にもとづく減損損失930 百万円を計上しました。また、この減損損失計上に伴い、当該土地に係る繰延税金資産546 百万円の取崩しを行いました(法人税等調整額1,404百万円計上)。
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2008年3月期業績予想 |
都市部での急激な地価上昇等で、住宅不動産業界を取り巻く環境に不透明感が高まってきました。このため、事業の拡大に焦点を当てた攻めの経営を進めるよりも、守りに徹する時期であるとの判断です。売上高が減少する中、人財の採用と育成等の先行投資が利益を圧迫します。ただ、1株当たり配当金は、年間17円(うち中間配当8円)を維持する考えです。 |
中期経営計画 |
このため、同社では、事業の拡大に焦点を当てた攻めの経営を推進するよりも、より確実な事業に徹する時期であり、一時的に業績を低下させても将来のさらなる業績の伸長に向けての優秀な人財の採用と育成等の時期と考え、これまで発表していた中期経営計画の数値目標の大幅な見直しを行いました。新たに設定された数値目標は次の通りです。 販売計画については、上記のように見直を行いましたが、「顧客満足日本一の達成とこれを促進するための経営基盤の強化」と言う従来の中期経営計画の基本方針は引き継ぎます。この一環として、設計・建築及び引渡後のアフターサービス体制の強化、将来に向けての優秀な人財の確保を進めていく考えです。このため、当面は、人件費を中心にした先行投資が負担となります。 分譲住宅事業
現在進行中の大規模6プロジェクト(計1,385 戸)が2010年3月期にかけて業績に寄与してきます。地域戦略として、大阪府北部、兵庫県南部地域の用地仕入れ及び住宅販売を強化すると共に、南大阪の東部(河内長野市、富田林市、藤井寺市等の近鉄南大阪線の沿線地域)へ本格的に進出します。ただ、地価動向を注視し、販売量の絶対数の用地確保を目的とせず、事業化による適正利益が確保できる用地の選別仕入れに徹します。また、「さらなる顧客満足度向上」をテーマにした住宅づくりの一環として、建売住宅ではかなわない夢の実現を可能にする自由設計方式を継続します。このため、設備・仕様の各品目について、3,000 アイテムから成るオプション制度の充実を図ります。品質面では、建築工事の一定期間集中を避け、工事量を平準化する事で施工精度の向上を図ると共に、引渡後の定期巡回の人員増強によりアフターサービスを充実させていく方針です。 中古住宅事業
地価の上昇に伴う仕入価格の上昇で、中古住宅販売の粗利益率は低下しがちです。同社では、改装により付加価値を高める事で、未改装の中古住宅との差別化を図り利益率の維持向上に努めていく方針です。また、昨年、堺事務所を開設した堺市(2006年4月1日政令指定都市)の市場深耕に努めると共に、段階的に営業地域を拡大させていく考えです。 土地有効活用事業
2007年3月期の前半に金利の上昇懸念から受注が低迷したため、2008年3月期は営業損失となる見込みですが、2007年3月期の後半以降、受注は回復傾向にあります。今後も大きな金利の上昇がないことを前提に、2010年3月期にかけて、土地有効活用事業の拡大が続くと考えています。従来通り既契約者と銀行ルートでの提案営業を活動の中心としていきます。美観性が高く、居住性に優れた木造アパート「フジパレス」シリーズを主力商品として、低コストのRC 造マンション「エフ・コンスパイヤー」、一戸建て賃貸住宅「フジパレス戸建」の充実を図ります。また、分譲住宅事業の営業エリア拡大に伴い、当事業の営業エリアも拡大していきます。 不動産投資ファンド等向け賃貸マンション販売事業
リート及び不動産投資ファンド等への販売に際しては、物件の収益性を確実なものとするために、竣工後一定期間、同社が保有運営し、稼動実績を付けて販売します。一方、個人富裕層向けは竣工と同時の引渡しを原則とします。
但し、ファンド向けと同じビジネスモデルの個人富裕層向け小規模賃貸マンション・アパートの一棟売りについては、個人富裕層の資金運用の手段として多少の金利上昇傾向下でも需要が強いこと、一棟当たりの投資額が小額で事業リスクが低いこと、及び物件の立地を都市部に限定しないことから、今後も継続して進める方針です。 不動産ファンド向けの引渡しは、2008年3月期に2棟、2009年3月期に1棟を計画、個人富裕層向けは2008年3月期に6棟、2009年3 月期に7 棟、2010年3月期に5棟を計画しています。 賃貸及び管理事業
土地有効活用事業の請負工事受注物件及び販売した個人富裕層向け賃貸マンションの管理受注や、管理物件の大規模修繕提案の推進により、収益の拡大を図ります。また、経営の合理化と原価低減を含む収益性の向上にも取り組みます。
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