ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.15
(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア |
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企業名 |
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア |
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社長 |
泉澤 豊 |
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所在地 |
千葉県浦安市入船1-5-2 明治安田生命ビル9F |
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決算期 |
2月 |
業種 |
小売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2006年2月 | 22,332 | 1,018 | 1,055 | 600 |
2005年2月 | 20,956 | 1,081 | 1,101 | 578 |
2004年2月 | 17,236 | 946 | 1,048 | 499 |
2003年2月 | 14,024 | 880 | 878 | 390 |
2002年2月 | 12,358 | 847 | 873 | 445 |
2001年2月 | 11,835 | 753 | 722 | 386 |
2000年2月 | 9,840 | 641 | 673 | 306 |
株式情報(11/8現在データ) |
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会社概要 |
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これまでの歩み |
1.多店舗経営の加盟展時代
1981年2月、コンビニ経営を目的にしたシビルサービス(株)として、千葉県市川市に設立されました。当初はセブンイレブンの加盟店として店舗展開しましたが、「コンビニ経営は、ブランドよりもやり方次第」と考え、89年11月、より自由な店舗運営や店舗展開が可能な(株)サンクスアンドアソシエイツ(現サークルKサンクス)とフランチャイズ・チェーン加盟店契約を締結しました。
2.(株)シー・ヴイ・エス・ベイエリアを設立
96年12月には、関連会社として、コンビニエンス・ストアの本部事業を目的とする(株)シー・ヴイ・エス・ベイエリアを設立。97年1月には(株)シー・ヴイ・エス・ベイエリアが東京都9区、千葉県10市におけるサンクス地域本部となり、グループのシビルサービス(株)他21店舗を加盟店として、エリア・フランチャイズ本部事業を開始しました。これ以降、コンビニの枠組みにとらわれないコンビ二として、独自の展開が加速していきます。 3.エリア・フランチャイズ本部として、コンビ二事業拡大
2000年7月には、クリーニングの24時間取次ぎとヘアカットサービスを開始。同年12月にナスダックジャパン(現ヘラクレス)に株式を上場しました(その後、東証上場に伴い03年上場廃止)。02年9月には、事業エリアが千葉県10市から千葉県全域に拡大、同年10月には東証2部に株式を上場しました。
4.新規事業への取り組みを本格化
04年夏以降は、「大規模マンション向けクリーニング」や「リネン」事業を拡大。06年2月には東証1部に指定替えとなりました。そして、この7月からは「宝くじ」の販売を開始しました。「宝くじ」は、「宝くじ」の仕入れと売れ残った「宝くじ」を返す必要があります。収益性が高い商品ですが、これがネックとなって、FC方式で展開している他のチェーンでは取り扱う事ができません。一つ間違えば不正につながるだけに誰でもいいと言うわけにはいかないのです。販売を認められた同社の社員が店舗を運営する直営店方式を採用している同社だからこそできるわけです。 |
コンビニらしくないコンビ二としての同社 |
1.店舗戦略
店舗戦略は、量(店舗数)よりも質(1店舗の売上高)を重視しており、店舗の約8割は直営店。社員が実際に運営する事で効率的な店舗運営を実現しています。また、居住人口のない倉庫街へ出店して成功を収める等、立地創造型の店舗展開も特徴です。例えば、1998年10月のオープン以来、好成績を上げ続けている「サンクス品川埠頭店」です。同店は運河に周辺を囲まれた島に立地。周辺の居住人口はわずか2人ですが、昼間、周辺の倉庫街で働く人たちは5,000人に及びます。また、倉庫街であるだけにトラックの出入りも多く、実際の昼間人口はそれ以上と推定されます。コンビニ業界の常識では、居住人口がわずかに2人の地区に出店するという発想はありませんでしたが、同社は敢えて挑戦し成功しました。
2.商品・サービス戦略 「独自弁当」や「惣菜・刺身」の提供
一見、他のサンクスのチェーン店と変わりがないように見える同社の店舗ですが、その店づくりには同社ならではの工夫が随所に見られます。 例えば、倉庫に挟まれて駅方面からは全くの死角になるなど、周辺を倉庫に囲まれた人通りの少ない「サンクス新木場店」では、同店を利用する事の多いトラックの運転手さんに人気の「刺身」が並びます。夕方のピークタイムにあわせて並べる一品盛りと二点盛りの刺身は、コンビニではほとんど見ることのないもの。しかも、並べるそばから次々と売れていくそうです。 また、サンクス本体の商品を扱うだけでなく、各店舗の地域特性を考え、メーカーと何度も試行錯誤を重ねて創出する惣菜や周辺の季節の催事に合わせた商品等、同社オリジナル商品の開発にも力を入れています。 この他、「クリーニングの24時間取次ぎサービス」や「1000円ヘアカットサービス」など、サービスメニューの拡充による商機の拡大に努めており、今夏からは「宝くじ」の取扱いを始めるなど、常に新しいサービスの提供を目指しています。 「宝くじ」は、都内10店舗でのテスト販売からスタートして、現在27店舗で販売中です。「ナンバーズ」「ロト6」等の「数字選択式」も9月から販売を開始しました。10月25日より、新たに千業県内4店舗でも販売が始まります。 3.マルチブランドによる店舗展開
100%子会社(株)FA24が、コンビ二チェーン(株)ポプラと提携し、「ポプラ」ブランドでコンビ二のチェーン展開をしています。(株)ポプラと提携により、従来の東京9区以外の地域への出店が可能となり、品川区、大田区ヘの出店を昨年夏より開始しました。(※)千葉県内・東京9区内は、「サンクス」。それ以外は、「ポプラ」と使い分けています。 |
コンビ二の枠を超え、更なる便利さを追求 |
1.厳しい事業環境が続くコンビに業界
コンビ二業界で厳しい経営環境が続く最大の理由は、全体のパイが縮小傾向にある中で、各チェーンがシェア争いをしているためです。シェアを上げていくためには出店していかなければならず、これに伴いコンビ二のテナント料金も高騰しているとの事です。また、アルバイト、パートを含めて人手不足も深刻化しており、人を集めるために人件費も上昇傾向にあるそうです。
2.やがてコンビ二淘汰の時代へ
「今後、テナント料や人件費の上昇に耐えられるところと耐えられないところが出てきて、淘汰が進む」と言うのが泉澤社長の考えです。また、「大手のコンビ二本部は生き残っていくだろうが、コンビ二の各店舗はこれまでやっていたことと全く同じことをやっていては生き残っていけない。その中で、どういう工夫をしていくかが最大の問題になってくる」。このため、「社会の状況と自分自身が置かれている状況を、うまくクロスオーバーできるものをつくれないか」と考えているそうです。
3.勝ち残るために
(1)高齢化社会への対応
泉澤社長は勝ち残るための一つの解として、「高齢化社会の中で果たすべき役割、その中でのビジネス展開」を考えています。何時の時代も消費のボリュームゾーンであった団塊の世代。この世代が定年を迎えようとしていることから、この世代のニーズに合ったサービスを模索しています。
ネットランドリーサービス
同社は00年7月にコンビ二店舗での「クリーニング」取次ぎサービスを開始しました。ここで培ったノウハウを活かし、少子高齢化社会への対応事業として子会社(株)FA24が手掛けているのが、「ネットランドリーサービス」です。同サービスは、専用ランドリーネットを使用した会員制の下着クリーニング・サービスです。需要は毎日生まれ、高齢者の増加により更なる需要の拡大が見込まれます。また、施設職員を洗濯業務から開放することで施設のサービス拡充にもつながることから、老人ホームや病院への導入実績が順調に進んでいるそうです。この他、必ずしも高齢者向けではありませんが、子会社(株)FA24を通じて、各種福利厚生施設、飲食店、病院施設での「一般クリーニング取次ぎ」や職員の制服等の「リネン事業」、更には「大規模マンション向けクリーニング・サービス」等の横展開も進めています。湾岸地域等では大規模マンションが相次いで誕生しており、こうしたマンションの多くは、入居者への付加価値サービスとして、「フロントサービス」を導入しています。「大規模マンション向けクリーニング・サービス」は、こうした動きに対応したものです。 この結果、2006年2月期の(株)FA24の「クリーニング事業」の売上高は前期比45%増の約1億9000万円に拡大しました。現在、60棟以上のマンションへサービスを提供中しており、会員規模は約7,000名。コンビニでの利用者を含めると、約30,000名へサービスを提供している計算になるそうです。 (2)今後の展開
同社はコンビニ業界の中では強い方ですが、先々を見たときには不安がないわけではありません。このため、コンビニの業態にとらわれることなく、これからの日本の社会に本当に必要な便利さを追い求めて新しいピジネスモデルを構築していく考えです。例えば、マンション向けサービスを活用した新サービスを計画中とのことです。大規模マンション向けクリーニング・サービスにより、マンションの「フロント」ヘのアクセスが可能となった事に加え、クリーニングの配送網は各マンションヘの「物流ネットワーク」ともなります。「高齢化社会の進展に伴い、商品を宅配しなければならない時代が必ず来るし、既に来ているとも言える」と言うのが、泉澤社長の考えです。その際、クリーニング・サービスを通して構築されたこのインフラが威力を発揮します。出資やM&Aによる買収、あるいは様々な業態との提携により、独自の宅配サービスの構築を考えているそうです。 実際、マンションの管理会社と提携したルームクリーニングや宅配など、様々な生活サービスについてマンション業者の賛同も得て話が動き出てきていそうです。 フリーマガジンの発行と介護施設紹介サイトの運営
また、別の視点から高齢化に対応した事業を、現在、立ち上げ中です。具体的には、フリーマガジンの発行と介護施設紹介サイトの運営事業です。
(1)フリーマガジンの発行
シニア世代向けのフリーマガジンがないことに着目、2006年4月、「成熟世代のためのワクワク・ドキドキ発信」をキーワードに「hatsukoi(はつこひ)」を創刊しました。60代、70代の方たちが一番行く場所は病院だということで、関東1都3県の約250の医療施設を中心に配布しています。TV番組ガイドの掲載など細かい配慮もなされており、配賦先で好評なようです。今後、取材によるデータ収集を通して、「こういうものがあったらいいな」、「こういうものが必要だ」というシニア世代のニーズの掘り起こしにも活用していきたいとの事です。 (2)介護施設紹介サイトの運営
2006年7月、介護施設紹介サイト「憩ikoi」を立上げました。現在、約170施設を紹介しています。フリーペーパー「はつこひ」とも連動させた小規模老人ホームと入居希望者のマッチングサービス等への展開も検討しているとの事です。
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