2006年3月期第3四半期概況
(2005年4月1日~2005年12月31日)
<連結>
(単位:100万円)
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実績
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対前年同期比
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売上高 |
9,441
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18.50%
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営業利益 |
683
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176.00%
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営業利益率 |
7.20%
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+4.1P
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経常利益 |
678
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169.10%
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当期純利益 |
247
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172.50%
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大変好調な結果となりました。
・ 売上高は第3四半期過去最高
・ 人材稼動率の大幅な上昇(ほぼフル稼働)により、利益率が大きく改善
・ 有利子負債の削減も順調に進行
・ 老朽化社宅の減損で特別損失2.3億円を中間期に計上。今期中に売却による特別利益1.5億円の計上を予定。
<セグメント別動向>
(単位:100万円)
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実績
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対前年同期比
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SI |
3,195
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22.80%
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ITO |
4,095
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20.30%
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BPO |
1,513
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4.20%
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コンサル&セキュリティー |
637
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25.00%
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セグメント別では、同社の得意とする金融・保険業界からの新規も含めた受注が好調で、SI(システム開発)、ITO(ITアウトソーシング)が2桁の伸びとなり、全てのセグメントにおいて前年同期を上回りました。
2006年3月期通期見通し
<連結>
(単位:100万円)
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予想
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対前年同期比
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期初予想
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売上高 |
12,630
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11.00%
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12,300
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営業利益 |
730
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32.70%
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610
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営業利益率 |
5.80%
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+1.0P
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5.00%
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経常利益 |
720
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29.20%
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600
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当期純利益 |
360
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200.60%
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310
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期初予想を上回り、通期でも2桁の増収・増益の予想です。
ROEも7.9%と過去5年間で最高となる見込みです。
中期的な方向性について
<企業価値創造に向けて>
・ 同社の強みであるITO事業を安定的に伸ばしていきます。
・ パートナー(大手ベンダーなど)とのアライアンスによる新規顧客の獲得を進めます。
・ システム運営管理技術者は909名で業界トップです。女性の活用や経験のある高齢者の雇用、開発におけるID武漢の活用などで最大の鍵である人材の確保と育成に注力します。
これにM&A戦略を絡ませ、売上高で年率5-10%の伸び、営業利益率5-6%での推移を目指します。
<ITマネジメントの強み>
同社はITアウトソーシング中心の売上構造となっています。
今後も利益率は高いものの、競争が激しく、収益のぶれも大きくなる開発への過度な傾斜は考えておらず、強みであるITマネジメントを活かした企業運営を進めていきます。
<売上高と利益率>
創業以来の売上高を見ると、1990年前半と2000年前半(今回)に4年程度の踊り場を経験しています。
今年度以降、2度目の踊り場を脱して再び成長軌道へと回帰すると共に、前述のような利益率の安定した推移を目指しています。
社長就任に当たって
事業戦略などについては前述のように、従来の戦略どおり強みであるITアウトソーシングを活かした堅実な成長を目指していくということです。
今回のインタビューで舩越新社長が特に強調されていたのは、ビジネスそのものではなく、その前提となる「ものの考え方」でした。
社名のIDにかけて「ID Identity」という、「IDがIDであるために社員が考えるべきこと」をお話いただきました。
まず始めに挙げられたのが「誇りを持つ」ということです。
昨今、資本市場の発展・拡大の一方で企業の不祥事が相次ぐ中、『「損か得か」で判断するのではなく「正しいか正しくないか」で判断できる人間であって欲しい。』ということです。
ここ数年の苦しい環境を抜け出しつつある現在だからこそ、しっかりとした判断基準を持って自信をとり戻す良い機会との考えです。
次にミッションとして「わくわくする将来のために情報サービス事業を通じて未来創りに参加します。」を掲げています。
そして創業以来掲げている「三命(Three Philosophy)」を改めて心に銘じます。
・ 卓越した技術はIDの生命
・ 高品質のサービスはIDの使命
・ 未知への挑戦はIDの命題
こうしたミッション、三命を実効あるものとするために、以下の3点を目指した組織作りに取り組みます。
1.「前向き」に取り組む組織
2.「次の組織創り」を怠らない組織
3.「人間力創り」を怠らない組織
人として、会社としての「誇り」を持ち、チームワークを重視した組織造りを目指します。
最後に「5つの心得」を挙げていらっしゃいます。
1. 身だしなみに気を配る。
2. 悪い本当の事実を報告する。
3. 勇気を以って意見する。
4. 自分の仕事でない、と言わない。
5. 一度決定が下ったらそれに従い、命令は実行する。
「礼節」を重視すると共に、管理職の心構えを強調されていました。
部下を持つ管理職が、自分の参加した会議の場で特別に反対意見を述べないにもかかわらず、一度決まった決定に対し部下の前であれこれ言うことは、チームプレーとしての組織を組織でなくしてしまうと考えています。
以上のような社長の考えのベースにあるのが「Back to the Egg」、つまり基本に戻るということです。
人としての基本、企業としての基本に立ち返り、自分とID、自分と社会の関わりを真剣に見つめて、自分が今後どう生きていき、どう社会や企業に貢献するかを認識して欲しいと考えています。
取材を終えて
36年の社歴を持つ同社ですが、入社10年未満の社員が全体の50%以上となっているそうです。こうした若い社員が、これからのIDを牽引していくわけですが、業績の踊り場を抜け、新社長が就任した今が、社員一人一人が自分とIDの関係を、「何故自分はIDという企業に属しているのか?」という歴史認識を持つ良いチャンスであると、舩越社長は考えており、そうした認識の下、プライドを持って仕事に前向きに取り組んでいって欲しいと願っています。
新社長のリーダーシップの下、新たな成長軌道を目指す同社をこれからも注目して行きたいと思います。
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