ブリッジレポート
(8275) 株式会社フォーバル

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ブリッジレポート:(8275)フォーバル vol.12

(8275) フォーバル/大久保 秀夫社長
2005年12月1日(木)

フォーバルの中間決算説明会に出席しました。
大久保社長が決算概要、今後の取組みを説明された後、ウィリアム 斉藤副社長兼CTOがフォーバル・インターナショナルの概要、戦略などを説明されました。


大久保 秀夫社長

2006年3月期中間決算概要

<連結>

(単位:100万円)
 
中間実績
対前年同期比
売上高
14,730
-19.00%
営業利益
842
36.40%
経常利益
855
37.50%
当期純利益
1,320
221.90%

 

<セグメント別売上>
(単位:100万円)
 
中間実績
対前年同期
  電話機
4,266
-1,034
  ファクシミリ
96
-39
  パソコン
508
-41
  複写機
2,329
501
  その他
82
40
機器関連
7,284
-572
  通信サービス
6,180
2,629
  SDP等
-5,788
  セキュリティ・他
1,265
278
ネットワーク関連
7,445
-2,881
総合計
14,730
-3,453

・ 2005年3月期に子会社を売却した影響で売上高は減少しましたが、複写機、通信サービスが貢献し、利益は前年同期比で大幅な増加となりました。
・ フォーバル本体、フォーバルテレコムの業績は予定どおりでしたが、フォーバルクリエーティブ、販売子会社、システム販売子会社の業績は当初予想を大きく下回っており、下期以降の課題として認識しています。
・ セグメント別では、子会社売却でSDP等の売上がなくなりましたが、通信サービスの増加がこれをカバーしました。「直収サービス」の取次ぎは開始1年が経過し、上期に比べると落ち着いた推移となると考えています。

 

2006年3月期通期見通し

<連結>
(単位:100万円)
 
見通し
対前期比
売上高
32,000
-20.20%
営業利益
2,200
12.10%
経常利益
2,200
12.10%
当期純利益
2,250
91.60%


通期でも子会社売却のため減収とはなりますが、通信サービスや複写機売上などでカバーし、2桁の増益を見込んでいます。

下期以降は新しい施策により、FTフォンなどの売上を伸ばすべく、営業マンパワーの再配置を行なっています。

 

「新たな成長モデル:新しいあたりまえ」

2010年のブロードバンド社会の本格化を迎え、同社は様々な新商品、新サービスを開発、提供し新たな成長モデルへのチャレンジを続け、総合ブロードバンド・ソリューションのNo.1カンパニーを目指します。


<インフラ整備>


既存サービス:FTフォン、対応ハードウェア

Next Step
2007年にはワン・ナンバー制度が導入されます。
屋外では携帯電話として、屋内では 無線LANやBluetoothを経由し、固定電話あるいはIP電話で通話するような「FMC対応:固定電話とモバイルの融合化」に注力します。

<安全>

既存サービス:ITセキュリティー商品のディストリビューター

Next Step
セキュリティ事業を強化します。
市場は、「セキュリティツール/機器」の販売から、「セキュリティ・サービス」へシフトしつつあります。
同社は「ITセキュリティサービスプロバイダー」へ進化を目指しており、2006年第1四半期に、マネージド・セキュリティ・サービス市場へ本格参入します。

<便利>

既存サービス:ワン・ビリング、固定+モバイル

Next Step
ワン・ビリングを強化し、総合ビリングソリューションを提供します。
また、従来の「固定+モバイル」に加え、ASPによるサービス提供「exNavi」を展開します。
exNaviはユーザー専用ポータルサイトで、以下のようなメリットを想定しています。
・ アドオン・ストック型収益による顧客単価の向上と安定収益の確保
・ リアル・バーチャル両面からのユーザーグリップの強化
・ リアルタイムなユーザー動向把握による、営業・商品戦略の確度の向上
・ 営業マンのアフター・タスク軽減による、顧客獲得営業の専念度の向上

<利・活用>

新規事業参入:ブロードバンドを活用した経営管理支援や、業務拡大支援を行ないます。
「経営管理支援」
・ exNavi開設
・ ASPによる日常業務
・ 購買支援
・ オンデマンド印刷サービス

「業務拡大支援」
・ HP開設
・ EC基本環境の提供
・ ECお試し
・ BB WEB shop(EC)
・ 動画広告出店
・ BBショッピング(webTV)
・ 販売促進支援

新規事業参入:経営サポート事業
・ 販売戦略支援
・ 金融サービス支援

またこの他にも、「知的所有権を有したサービス」を現在開発中です。
情報通信業界において、現在では当たり前となっているものの、その当時は誰も想定していなかった様々なサービスを、業界に先駆けて開発、提供してきた同社は、「新しいあたりまえ」を今後も成長戦略の中で提供し続けていく考えです。


フォーバル・インターナショナルについて

前述の「マネージド・セキュリティ・サービス市場」への参入に際し、重要な役割を担うのがフォーバル・インターナショナルです。


<概要>

設立:2005年8月1日
資本金:100万USD
本社:カリフォルニア州アーバイン
事業内容:研究開発、国際ビジネス、大学とのパートナーシップ

<ミッション>

・ フォーバルの顧客に価値と効率をもたらす革新的な通信製品とソリューションの提供
・ フォーバルの部門あたり平均売上高を増加させるような付加価値の高いサービスの開発
特に技術的なミッションとして以下の数点をあげています。
・ 従来のプッシュ型からプル型セールスへの転換
・ 通信関連企業からブロードバンド企業への変身
・ 製品販売からサービス提供への変革
・ ビジネスモデルを「原子」型から「電子」型へ変化
・ ゴール:取引/決済ビジネス

いつでもどこでも様々な人々や組織と繋がる「ユビキタス社会」が到来し、生産性の改善に向けたインターネットの更なる発達と普及、依存度の向上にともない、世界は「原子」型から「電子」型に変化。その中で、従来とは異なった「セキュリティ」のアプローチと種類が必要とされています。

つまり、ネットワークの高度な発達により、ネットを通じた様々な危険、脅威にさらされる可能性が高まっています。こうした背景の中、潜在的な売上減少や企業のマイナスイメージといった「間接的なリスク」、データの毀損、預金やデジタル資産、個人情報の盗難といった「直接的なリスク」にとどまらず、より大きなリスクとして、既にビジネス上に不可欠なものになっているインターネットにリスクを恐れて参加しないことによる機会ロス、コスト増があげられます。
インターネットの利便性はより大きなリスクの増大に繋がっているのです。
コンピューター・セキュリティは単に技術的な問題ではなく、企業は、他の一般的なビジネスにおける不確実性と同様にコンピューター・セキュリティを捉える必要があります。

同社は、顧客がセキュリティと利便性のどちらかを選ぶという必要はなく、総合的で、自動、効率的、費用対効果が高く、透明で、使い安く安全という、セキュリティに必要とされる条件を満たした製品・サービスを今後開発していきます。

その一つが「セキュリティ教育プログラム」です。
日本のITリテラシー(知識、教養、能力)が非常に低いと認識しており、各種メディア(YOMIURI PC、東商新聞など)と共同で、セキュリティについての情報を発信していきます。
また、メッセージの普及に関してIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)と協力していきます。
12月には「セキュリティ」のWebsite「ウィリアム博士のセキュリティ教室」
http://www.mysecurity.jp/)を開設。一般向け、情報システム担当向け、ITプロ向けの3段階のセキュリティコラムや、ニュースレター、ニュースを掲載します。
この他にも、ワークショップやコンファレンスを計画しています。

マネージド・セキュリテ・サービスの参入に当たって以下のような点を考えています。
・ 企業はどんな問題が存在し、どう対応すればいいか知らないが、ITについて悩むべきではない。
・ フォーバルのような企業は、安全で、問題がないネットワークに関する経験を提供する社会的責任を負っている。
・ セキュリティサービスの運営により、フォーバルは企業の後方事務を管理することができるようになるだろう。
・ 企業は自社内にIT要員を置く必要がなくなるだろう。
・ 現在、米国の著名なセキュリティサービス提供会社との交渉を行なっている。

このように、フォーバル・インターナショナルは、セキュリティサービスに注力し、ユビキタス社会におけるあらゆる機器(PC、ルーター、複写機、サーバー、モバイル、ビジネスフォンなど)に、フォーバルのセキュリティサービスが組み込まれているという姿を目指していきます。

 


取材を終えて
子会社売却により減収とはなりましたが、通信サービスや複写機の販売が好調でその分をカバーして増益となり、通期でも利益は拡大する見込です。
ブロードバンド時代本格化の追い風の中、新たな成長モデルに挑戦する同社の動向を引き続きフォローして行きたいと思います。

このレポートは公開された企業情報の提供を目的としており、対象企業に対する投資の推奨、勧誘などを目的としたものではありません。投資の最終判断は御自身で行ってください。仮にこのレポートに基づいて投資を行った場合でも、その結果に対し弊社には一切の責任は生じません。


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