2006年3月期中間決算概要
<連結>
(単位:100万円)
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実績
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前年同期比
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期初予想
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売上高 |
17,199
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+7.3%
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17,000
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営業利益 |
691
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+79.0%
|
-
|
経常利益 |
672
|
+344.4%
|
620
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中間純利益 |
-173
|
-
|
-247
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大阪北部方面において販売エリアの拡大を図った戸建住宅が牽引、増収・増益となりました。
売上高の伸びに対して営業利益の伸びが大きいのは、前年同期は偶発的な土地の売却(17億61百万円)と不動産ファンド等向けの賃貸マンションの一棟売りの売上(25億17百万円)で売上高がかさ上げされた事、及び販売エリア拡大を図った大阪北部方面は1戸当たりの単価が高く収益性が高いためです。また、営業外損益が2億円強改善したことで、経常利益は前年同期比4.4倍に拡大しました。
ただ、9億42百万円の特別損失を計上したため、1億73百万円の中間純損失となりました。特別損失の内、879百万円は賃貸物件と賃貸管理事業を新設子会社(フジ・アメニティサービス㈱)に営業譲渡した際に発生したものです。これは財務体質改善のための対策ですが、これまでの処理が不適切だったわけではありません。繰延税金資産の解消という従来適切とされていた処理方法が認められなくなったため、将来の賃貸管理部門の経営の効率化の目的と併せてとった処理です。
<事業別売上高>
事業別売上高 |
(単位:100万円)
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数量
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実績
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構成比
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前年同期比
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戸建住宅 |
301戸
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9,826
|
57.1%
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+82.9%
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分譲マンション |
3戸
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69
|
0.4%
|
-59.6%
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中古住宅等 |
228戸
|
3,504
|
20.4%
|
-13.7%
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2,085㎡
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定期借地権付分譲住宅 |
-
|
-
|
-
|
-
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不動産投資ファンド向け賃貸マンション |
-
|
-
|
-
|
-
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不動産販売事業 |
532
|
13,399
|
77.9%
|
+8.1%
|
2,085㎡
|
土地有効活用事業 |
9件
|
1,216
|
7.1%
|
-3.8%
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賃貸及び管理事業 |
-
|
2,482
|
14.4%
|
+9.4%
|
その他の事業 |
-
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101
|
0.6%
|
+4.1%
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合計 |
532戸
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17,199
|
100.0%
|
+7.3%
|
2,085㎡
|
9件
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(1)不動産販売事業
不動産販売事業には、戸建住宅及びマンションの分譲を行う分譲住宅事業、改装付中古住宅販売の中古住宅等、及び今中間期には売上のなかった定期借地権付分譲住宅販売と不動産ファンド向け賃貸マンション販売が含まれます。
売上高は前年同期比8.1%増の133億99百万円、営業利益は同90.4%増の9億28 百万円となりました。受注高は189億41 百万円となり同7.1
%の減少ですが、土地売却とリスクを警戒して抑制した分譲マンション(いずれも後述)を除いた実質的な受注高は、188億25百万円となり、前年同期比11.2%の増加となります。
①分譲住宅事業
守口市のほか、枚方市や箕面市など大阪北部方面への販売エリア拡大策の奏功に加え、前年同期に物件の引渡し戸数が例年より少なかったこともあり主力の戸建住宅分譲が大きく伸びました。顧客の住宅間取りや設備仕様に対する様々なニーズに対応した「自由設計方式」の住宅が好評を維持したことにより、戸建住宅の受注契約戸数は、396
戸と前年同期比33 戸増加、受注契約高は128億63 百万円と前年同期比11.7%増加しました。
一方、分譲マンションの売上高は、戸建住宅へのシフトに伴い大幅に減少しました。なぜ戸建住宅にシフトしたかと言うと、大阪市内を中心とする分譲マンションが供給過剰傾向にある中で、地価及び建築コストが上昇しているため、適正利潤の確保ができないと考えたからです。
②中古住宅等
改装付中古住宅「快造くん」が引き続き好調です。受注契約高は31億74 百万円と前年同期比12.3%増加しました。売上高が減少しているのは、中古住宅等の「等」の土地売却で前年同期は近隣地権者の要望に応えて大型分譲用地の一部を売却したためです。
③不動産投資ファンド向け賃貸マンション
売上こそありませんでしたが、大型物件2棟を成約、受注契約高は27億87百万円と前年同期比10.7%増加しました。尚、上記のマンション2棟の受注は、中期経営計画の目標粗利益を約10%上回りました。
(2)土地有効活用事業
売上高は前年同期比3.8%減の12億16 百万円、営業損失44 百万円(前年同期は1億29百万円の利益)となりました。また、受注については、契約件数は前年同期と比較して6
件増加したものの、単価が低く受注高は同7.5%減の17億49 百万円となりました。
ただ、前期に受注済みで、現在、工事中物件の竣工が下期に集中しています。このため、通期目標(売上高45億88百万円)の達成に不安はありません。
(3)賃貸及び管理事業
売上高は前年同期比9.4%増の24億82 百万円、営業利益は同12.4%減の1億71 百万円となりました。
土地有効活用事業にリンクした賃貸物件及び管理物件の取扱い件数が増加し、稼働率も改善しました。営業減益となったのは、前年同期は不動産投資ファンド向け大型賃貸マンション2
棟188 室の賃貸稼働に伴い入居者からの礼金収入等がありましたが、今中間期はこうした一時的な収入がなかったためです。
(4)その他の事業
中古住宅の仲介45 件を成約。売上高は前年同期比4.2%増の101 百万円、営業利益は8 百万円(前年同期は12 百万円の損失)となりました。
2006年3月期業績予想
<連結>
(単位:100万円)
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予想
|
前期比
|
売上高 |
44,000
|
+0.1%
|
営業利益 |
3,485
|
+8.6%
|
経常利益 |
3,300
|
+17.9%
|
当期純利益 |
1,333
|
-19.7%
|
通期の予想に変更はありません。
不動産ファンド向け賃貸マンション事業において、中期経営計画において今期の売上を予定した一部の物件が前期に前倒しで売却された事、及び土地売却の減少により売上高は前期比微増にとどまるものの、戸建住宅の営業エリア拡大効果等で収益性が高まり、経常利益は同17.9%増加。ただ、不動産関連の特別損失等の実績942百万円(当初計画1,040百万円)を計上するため、当期純利益は同19.7%減少する見込みです。
<事業別売上高>
事業別売上高 |
|
(単位:100万円)
|
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|
数量
|
予想
|
構成比
|
前期比
|
|
戸建住宅 |
810戸
|
27,475
|
62.4%
|
+50.2%
|
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分譲マンション |
4戸
|
98
|
0.2%
|
-98.4%
|
|
中古住宅等 |
440戸
|
6,544
|
14.9%
|
-4.0%
|
|
4,568㎡
|
不動産販売事業 |
1,254戸
|
34,117
|
77.5%
|
-0.3%
|
4,568㎡
|
土地有効活用事業 |
43件
|
4,588
|
10.4%
|
-5.0%
|
賃貸及び管理事業 |
-
|
5,007
|
11.4%
|
+8.3%
|
その他の事業 |
-
|
288
|
0.7%
|
+5.5%
|
合計 |
1,254戸
|
|
|
|
4,568㎡
|
44,000
|
100.0%
|
+0.1%
|
43件
|
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<配当政策>
今2006年3月期から中間配当を実施します。中間配当は、本年9月末現在の株主に対し、1株につき一部昇格記念配当5円を含む計11円を予定しており、期末配当は2006年3月末現在の株主に対し6円、年間17円を予定しています。尚、17円の配当は株式分割前に換算すると34円に相当し、16円の増配となります。
また、次年度以降も業績に見合った配当で、株主還元を実施していく考えです。
中期経営計画
同社は、更なる経営基盤の強化と業容の拡大を図るべく、新たに3ヵ年(2006年3月期~2008年3月期)の中期経営計画を策定し現在推進中です。
この新中期経営計画では、営業エリアの拡大や賃貸マンションの開発・販売など新規事業に取り組むと共に、商品づくりと経営の効率化に努め、最終の2008年3月期に連結売上高600億円(2005年3月期比36.5%増)、経常利益46億円(同64.3%増)の達成を目指しています。計画期間中の数値目標は次の通りです。
(単位:100万円)
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|
'06年3月期
|
'07年3月期
|
'08年3月期
|
売上高 |
44,000
|
52,000
|
60,000
|
売上総利益 |
8,644
|
9,420
|
10,595
|
販管費 |
5,159
|
5,460
|
5,858
|
営業利益 |
3,485
|
3,960
|
4,737
|
経常利益 |
3,300
|
3,800
|
4,600
|
税前利益 |
2,260
|
3,800
|
4,600
|
当期純利益 |
1,333
|
2,242
|
2,714
|
1株当たり利益 |
40.84
|
68.69
|
83.15
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<中期経営計画のポイント>
(1)地域戦略
①分譲住宅と土地有効活用事業は、2005年3月期に進出・拡大した兵庫県南部と大阪府下全域を深耕します。
②中古住宅再生事業「快造くん」の営業地域を堺市に拡大します。
(2)新規事業
不動産投資ファンド向け賃貸マンションの開発・販売を更に積極化します。また、これと同じビジネスモデルで個人富裕層に向けた小規模の賃貸マンションの供給も開始します。
(3)商品づくり
各々の事業分野で、「建てていただく」、「買っていただく」、「住んでいただく」お客様に向けた住宅づくりを目指します。
(4)経営の効率化
賃貸管理事業部門と賃貸物件を新設子会社に営業譲渡し、経営資源を集中させて経営の効率化を図ります。
<事業別施策>
(単位:100万円)
|
|
|
'06年3月期
|
'07年3月期
|
'08年3月期
|
|
分譲住宅 |
27,573
|
28,155
|
29,295
|
|
中古住宅 |
6,544
|
8,253
|
11,148
|
|
ファンド向け等賃貸 |
-
|
4,148
|
7,400
|
|
土地有効活用 |
4,588
|
5,614
|
5,680
|
|
賃貸及び管理 |
5,007
|
5,525
|
6,150
|
|
その他事業 |
288
|
305
|
327
|
連結売上高 |
44,000
|
52,000
|
60,000
|
|
分譲住宅 |
2,443
|
2,337
|
2,431
|
|
中古住宅 |
380
|
476
|
735
|
|
ファンド向け等賃貸 |
|
473
|
661
|
|
土地有効活用 |
353
|
334
|
537
|
|
賃貸及び管理 |
264
|
283
|
305
|
|
その他事業 |
45
|
57
|
68
|
営業利益 |
3,485
|
3,960
|
4,737
|
(1)分譲住宅事業
従来の大阪府南部地域に加え、大阪府北部地域で仕入れ及び販売を強化すると共に、兵庫県南部地域へ本格的に進出、分譲事業を展開しています。100㎡の土地付建物の相場は、大阪府南部では1,800万円程度ですが、本社のある岸和田市内では3,000万円、堺市では3,500万円、更に大阪市内では4,500万円に上昇します。1住戸売る手間は変わらない一方で、販売単価が上昇するため、収益性が高まっています。
また、「自由設計方式」を全面に出すことでパワービルダー(建売を得意とする地域の有力工務店等)等との差別化を図ると共に設備・仕様の各品目について、オプション制度の充実を図っています。
一方、事業リスクが高まりつつある分譲マンションの供給計画はありません。もちろん分譲マンションの市況が回復する見通しが立てば、供給を再開し更なる業績の向上を目指します。
(2)中古住宅事業 (中古住宅再生事業「快造くん」)
最も成長性のある重要事業と位置付けています。これまで大阪府南部地域に限定して事業展開していましたが、既に確立している「快造くん」のノウハウをもって他地域へ進出します。
具体的には、より市場規模の大きい大阪府北部地域に段階的に進出します。交差点単位での地域情報とその分析による物件の鑑定力、及び仕入れ・販売価格の査定の速度と正確性、更にはリフォームのマニュアル化により、他社との差別化を図ります。今期は堺市に進出、3年間をかけて市場深耕を図る考えです。
(3)土地有効活用事業
従来通り銀行ルートでの提案営業を中心に、所有地に関する市場性の調査・診断サービスや賃貸マンションやアパート経営に関する助言サービスの提供に努めます。
分譲住宅部門と並行して営業エリアの拡大を図るほか、主力商品の「フジパレス」シリーズに、低コストのRC造マンション「エフ・コンスパイヤー」を新シリーズとして加えます。
(4)不動産投資ファンド等向け賃貸マンション販売事業
土地有効活用事業や賃貸及び管理事業で培った情報網やノウハウを行かせる、既存の営業エリアに絞って事業を進めていきます。また、個人富裕層に向けた小型の賃貸マンションの開発・販売にも着手し、2008年3月期には不動産ファンド向けで50億円、個人富裕層向けで24億円、合わせて74億円の売上高を計画しています。
個人富裕層向けは、土地有効活用事業の顧客網を活用し、提案商品が増えることでのマンション・アパート等の建築請負事業との相乗効果も期待できます。
(5)賃貸及び管理事業
この事業は、100%出資子会社であるフジ・アメニティサービス㈱が担います。
不動産投資ファンド等向け賃貸マンション販売後の管理業務の受注に努めます。また、管理物件の大規模修繕提案を推進し収益の増大を図ると共に、経営の合理化と賃貸管理原価の低減に努めます。
取材を終えて
ここ数ヶ月間、同社の株価は650~730円のボックス圏にあります。株価700円として、記念配の5円を落としたとしても、配当利回りは1.7%を上回ります。同社は「業績に見合った配当で株主還元を実施していく方針」ですから、中期経営計画が着実に達成されていけば、来期以降、増配が期待でき長期保有による投資妙味が更に高まります。引き続き中期経営計画の進捗状況をフォローしていきたいと思います。
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