2006年2月期中間決算概要
<連結>
(単位:100万円)
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実績
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前年同期比
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期初予想
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期初予想比
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売上高 |
4,371
|
+10.9%
|
4,514
|
-3.2%
|
営業利益 |
181
|
-0.2%
|
218
|
-17.0%
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経常利益 |
175
|
-2.2%
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210
|
-16.7%
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中間純利益 |
104
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+25.3%
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110
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-5.5%
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前年同期比で増収・減益となりました。
「愛・地球博」関連で売上計上が下期にずれ込んだ案件が発生したこと及び機器演出で大型案件が想定を下回ったこと等から売上高が期初計画に達しませんでした。このため、機器演出部門の移転統合や天王洲スタジオ増設に伴う費用増を吸収できませんでした。
中間純利益が増加したのは、棚卸資産除却損(前年同期計上額40百万円)がなくなったためです。
<中間営業利益増減要因>
<セグメント別動向>
(単位:100万円)
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売上高
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前期比
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ビジネスコミュニケーション |
2,159
|
+14.6%
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デジタルコンテンツ |
2,212
|
+7.5%
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合計 |
4,371
|
+10.9%
|
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営業利益
|
前期比
|
ビジネスコミュニケーション |
191
|
-1.8%
|
デジタルコンテンツ |
220
|
+1.3%
|
消去 |
-231
|
-
|
合計 |
181
|
-0.2%
|
*前連結会計年度から事業の種類別セグメントの営業費用の配賦方法を変更しました。前年同期比は、前中間連結会計期間分を変更後の方法に組み替えて算出したものです。
*事業セグメントと連結子会社
ビジネスコミュニケーション事業
Producing(総合企画):株式会社プレイズ 株式会社ウィーズ・ブレーン
Product(制作演出): 株式会社プレント
デジタルコンテンツ事業
Producing(総合企画): デジタルサイト株式会社
Product(制作演出): マックレイ株式会社
ビジネスコミュニケーション事業
総合企画は、大型展示会の受注が厳しかったものの、「愛・地球博」関連が寄与しました。ただ、第2四半期に見込んでいた「愛・地球博」関連の売上約1億円の計上が下期にずれ込んだため、計画を下回りました
製作演出は、JOB数(手掛けた案件の数)は増加したものの、展示会での演出やコンサートなど大型案件の受注が伸びない中で、東京流通センター(TRC)への移転統合費用が負担となりました。
この結果、セグメント全体では、売上高が2,159百万円と同14.6%増加したものの、営業利益は191百万円と同1.8%減少しました。
デジタルコンテンツ事業
「愛・地球博」関連のコンピュータ・グラフィック(CG)制作が牽引、売上高は2,212百万円と同7.5%増加しました。ただ、映像制作でのプロデューサーの増員計画の遅れやDVD発売の下半期への延期等で当初の予想ほどには伸びませんでした。このため、天王洲スタジオ増設に伴う費用が重く、営業利益は220百万円と同1.3%増加にとどまりました。
<主な受注案件>
2006年2月期業績予想
<連結>
(単位:100万円)
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予想
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前期比
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売上高 |
9,080
|
+10.2%
|
営業利益 |
516
|
+33.7%
|
経常利益 |
504
|
+32.6%
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当期純利益 |
263
|
+16.4%
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通期予想に修正はありません。秋の展示会シーズンを迎え、足下、販促企画の受注が好調です。このため、上期の下振れ分はカバーできる見込みです。
<セグメント別予想>
ビジネスコミュニケーション事業
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上期実績
|
下期予想
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通期予想
|
前期実績
|
前期比
|
売上高 |
2,159
|
2,726
|
4,885
|
4,219
|
+15.8%
|
営業利益 |
191
|
379
|
570
|
409
|
+39.4%
|
*セグメントの営業利益は、本社経費配布前 |
「愛・地球博」効果に加え、足下の受注も好調。増収・増益が見込まれます。
(単位:100万円)
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売上高
|
営業利益
|
|
部門
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上期
実績
|
下期
予想
|
前下期
実績
|
通期予想
|
通期予想
|
総合企画 |
販促企画
|
1,484
|
1,916
|
1,589
|
3,400
|
400
|
制作演出 |
演出機器
|
675
|
810
|
746
|
1,485
|
170
|
合計 |
2,159
|
2,726
|
2,335
|
4,885
|
570
|
*セグメントの営業利益は、本社経費配布前 |
総合企画は、「愛・地球博」及び秋の展示会の受注が堅調なことから当初の下期予想(1,650百万円)を大幅に上方修正。これに伴い、営業利益も当初の300百万円から400百万円へ修正しました。
制作演出は、足下の受注状況から下期は当初予想通りに推移しそうです。このため、売上高、営業利益共に上期の下振れ分をカバーすることは難しいようです。
デジタルコンテンツ事業
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上期実績
|
下期予想
|
通期予想
|
前期実績
|
前期比
|
売上高 |
2,212
|
1,983
|
4,195
|
4,017
|
+4.4%
|
営業利益 |
220
|
196
|
416
|
453
|
-8.2%
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*セグメントの営業利益は、本社経費配布前 |
スタジオ経費等の増加により、増収ながら営業減益が見込まれます。
(単位:100万円)
|
|
売上高
|
営業利益
|
|
部門
|
上期
実績
|
下期
予想
|
前下期
実績
|
通期
予想
|
通期予想
|
総合企画 |
DVD販売 |
326
|
450
|
290
|
776
|
20
|
|
映像制作 |
337
|
350
|
429
|
687
|
85
|
|
機材販売 |
565
|
276
|
412
|
841
|
0
|
制作演出 |
映像合成編集 |
984
|
907
|
829
|
1,891
|
311
|
合計 |
2,212
|
1,983
|
1,960
|
4,195
|
416
|
*セグメントの営業利益は、本社経費配布前 |
DVDは通期の出荷予想を上方修正。通期売上高を当初予想の700百万円から776百万円へ、営業損益を△18百万円から20百万円へ、それぞれ上方修正しました。
映像制作の下期は当初の予想通りに推移する見通しです。このため、上期の下振れ分をカバーすることは難しいようです。
機材販売は、事業環境の厳しさを鑑み下期の売上高予想を470百万円から276百万円へ修正しました。
映像合成編集は、五反田スタジオ増設効果等で、通期の売上高は前期比9.5%の増加を見込んでいます。
<受注残高>
(単位:100万円)
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受注残高
|
前年同期
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ビジネスコミュニケーション |
1,356
|
1,694
|
デジタルコンテンツ |
149
|
390
|
合計 |
1,505
|
2,085
|
前年同期の受注残高のうち約8億円は、今2006年2月期売上計上予定のもの。このため、下期売上計上予定分については、今中間期末は前年同期に比べ約3億円増加しています。
戦略と進捗状況及び今後の展開
<ビジネスコミュニケーション事業>
総合企画
(1)戦略
展示会等での豊富な実績を強みに、販売促進(セールスプロモーション、以下SP)の受注拡大を目指しています。具体的には、期初に組織を営業、企画、製作、コンテンツの機能別に再編し、SPの受注拡大に向けて攻めの営業組織を立ち上げました。
(2)上期を終わっての総括
社内休制は整いつつあります。特に企画チームの育成に効果が出始め、東京モーターショーにおいてプレス発表から当日の演出までの一括受注に成功しました。この件に限らず、従来の機材演出中心から総合的な企画案件が増加しています。また業営の組織化により、デルフィス(トヨタの代理店)や日通など新規の顧客開拓も進んでいます。ただ、攻めの営業組織については、未だ道半ばといったところです。
(3)今後の展開
より一層、分業を明確化して企画力及び運営力を強化し、ボリュームゾーンであるSPの受注拡大に取り組みます。
制作演出
(1)戦略
傾向として展示会等の大型のJOBが減少し、小型JOBが増加しています。このため、小型JOBを効率よくこなすための体制構築を目指しています。また、学会関係へも本格進出する考えです。
(2)上期を終わっての総括
大量の小型JOBをこなす体制はほぼ確立されました。上期のJOB数は1,743本(平均単価38万円)となり、前年同期の1,472本から大きく増加しています。また、学会関係についても、14件(平均単価5百万円)の受注に成功するなど、順調なスタートを切りました。ただ、JOB数の増加がJOB単価の下落に追いついていない面があります。
(3)今後の展開
①大量のJOBをこなす体制作りは今後も継続し、併せて②営業力(特に提案力)を強化し、ソリュ一ション、企画面での充実を図り、質・量ともに増加を目指します。
<デジタルコンテンツ事業>
総合企画
映像制作は、プロデューサーの増員による拡大を目指しています。上半期はブロデューサーの増員が想定したほどには進みませんでした。下期も厳しい状況が続くものと予想されますが、万博の実績等を武器にプロデュ一サーの募集を強化します。
DVD販亮は、大量リリースの方針で臨んでいます。現在、利益よりもコンテンツ資産の充実を図る先行投資の段階にあります。償却処理の完了も含めた先行投資の一巡後には、レンタルや再リースにより収益を上げていく考えです(利益体質への転換が図られます)。
上期はリリース予定が下期にズレ込んだことが響きましたが、下期は12月以降、アニメ系(レンタル、セル)及び音楽系の大量リリースを予定しています。主なリリ一ス予定作品は、あしたのジョ一2、キャッツアイ、レイチャールズ、ボブ・ディラン等です。
機材販売は、単なる販売ではなくインテグレーション(システム構築)を含めた販売ですが、それでも価格低下の影響を免れません。このため、設計施工、インテグレーション、そして保守と一括受注によるサービスの高付加価値化に取り組んでいます。
制作演出
(1)戦略
設備面のインフラ整備と営業強化に取り組んでいます。具体的には、①天王洲スタジオを早期に採算にのせる、②CG、DVD等付加価値部分の強化、③アビッド等オフラインスタジオ(仮編集)の拡充です。
(2)上期を終わっての総括
①については、道半ばです。②については、DVDの強化に取り組んでおり、下期には大量リリースが予定されています。③については、昨年の天王洲スタジオに続き、9月に西麻布と五反田のリニューアルを実施、インフラ面の最適化は完了しました。
TVCM等(単価が高い)の売上が伸びたことで上期の売上高は前年比13%増加しましたが、JOB数は横バイでした。インフラ面の充実によって、キャパシティ(受注能力)には十分な余裕があります。また、市場規模の面でも問題はありません。JOB数の拡大が課題です。
(3)今後の展開
次の3点を掲げています
①拡充したインフラにあわせて、営業や制作を強化する。
②TVCM中心は変わらないが、デジタル化にあわせて番組系の受注増加を図り、イベント映像やプロモーションビデオ等の案件を掘り起こすことで稼働率を高める
③堅調な伸びの撮影部隊の強化を今後も続け、TVCM、映画、番組等の受注強化につなげる
<ポノポノコミュニケーションズ株式会社設立>
モバイル事業の拡大に向け、レイグループの新たな子会社であるポノポノコミュニケーションズ株式会社が、10月1日に営業を開始しました。
これまでレイグループ内でモバイルマーケティング事業室として二次元コードを活用したビジネスに取り組んできました。その一環として、グループ5社のプロジェクトという形で「花日和」というターゲットを絞ったフリーマガジンを発行してきましたが、日経BP等との合弁(資比率:同社
65% 日経BP 34% 他1%)による「ポノポノコミュニケーションズ株式会社」を軸にモバイルマーケティング事業を本格化する考えです。
「花日和」とは、大人の女性に向けた書店配布型のフリーマガジンで、書店で雑誌や書籍を購入すると付いてきます。コンセプトは、"携帯電話のポータルサイトマガジン"。記事や広告の中にあるプチCODE(2次元コード)によって、携帯サイトのコンテンツやサービスと連携できる点がポイント。読者との双方向コミュニケーションを実現しeコマースやアンケート調査なども可能になります。また、サービスの一つである「はなプチ日記」では、「花日和」からのお知らせなどをチェックできるほか、簡単に自分のホームページ(ブログ)を作ることができます。もちろん、利用は無料。ホームページ作成にあたっては、オリジナルテンプレートも用意されています。
掲載する広告で発行費等のコストを賄い、コンテンツ販売や通販で利益を上げていく考えです。このため、現在はラインクライアント作りに専念、今期は費用が先行します。
* ポノポノコミュニケーションズ株式会社のWEBサイト : http://www.ponopono.co.jp/
取材を終えて
プロモーションの概念が変わりつつあり、展示会など同社の得意とする大型案件が減少する一方、全国的なSP等、小型案件を一度に大量に展開するようなケースが増えています。しかも、WEBの活用に見られるように、メディアの複合的かつ双方向での活用も昨今の特徴です。
これまで技術力を生かすことのできる大型案件対応型の布陣を敷いてきた同社ですが、現在、そのマーケットの変化に合わせて陣形を変えている最中です。「愛・地球博」は大きなビジネスチャンスではありましたが、陣形の変更を遅らせる一面があったことも否定できません。
WEB活用等の普及により、同社が得意とする3D(三次元)等の特殊技術は利用機会が拡大しています。また、フリーマガジン事業にしても、メディアの複合化・双方向化に対応したものです。愛・地球博」も終わり、これからが勝負です。
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