(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア
泉澤 豊社長
2005年10月12日(水)
CVSベイエリアの中間決算説明会に出席しました。
泉澤社長、谷取締役が決算概要、今後の取り組みについて説明されました。
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泉澤 豊社長
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2006年2月期中間決算概要 <非連結>
(単位:100万円)
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実績
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前年同期比
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対予算比
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加盟店を含む売上高 |
14,137
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+4.8%
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-0.4%
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営業総収入 |
11,496
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+8.6%
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+0.1%
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営業利益 |
668
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+7.5%
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+6.2%
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経常利益 |
668
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-3.9%
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+5.5%
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中間純利益 |
372
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+3.2%
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+0.3%
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増収・営業増益となりました。経常利益が減少したのは、投資有価証券売却益の減少や本社移転費用を計上したためです。猛暑効果の反動で既存店の実績は前年同期を下回りましたが、利益率の低いハイウエイカードの売上減少等により利益率が改善しました。
中間期末の店舗数は127店舗、新たに7店舗(前年同期7店舗)を出店する一方、3店舗(同 4店舗)を閉店しました。
また、コンビニエンス・ストア(以下、コンビニ)において多様化するお客様のニーズに対応すべく事業の基盤を強化することを目的に、平成17年6月に「証券仲介業」の登録を行ないました。
<全店平均日販と全店平均客数>
全店平均日販は621千円、全店平均客数は1,051人、全店平均客単価は591円。また、既存店平均日販は前年同期比98.4%の637千円。既存店平均客数は同98.5%、既存店客単価は同99.9%となりました。
<免許品及び新サービスの導入店>
免許品及び新サービスの導入店は「酒類販売免許」121店舗(導入率95.3%)、「たばこ販売免許」103店舗(導入率81.1%)、「SRクリーニング」の取次は75店舗(導入率59.1%)、「1,000円ヘアーカットサービス」の併設は8店舗(導入率6.3%)、ATM導入店は11店舗(導入率8.7%)となりました。
2006年2月期予想 <非連結>
(単位:100万円)
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予想
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前期比
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加盟店を含む売上高 |
28,313
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+6.5%
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営業総収入 |
23,000
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+9.8%
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営業利益 |
1,126
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+4.2%
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経常利益 |
1,135
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+3.1%
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当期純利益 |
598
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+3.5%
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通期の業績予想に変更はありません。他業態との価格競争が激化による客単価の減少が予想される中、地域個店対応をより細かく行なう事で既存店平均日販の維持に努めると共に、新規出店を予定通り進めることで増収・増益を達成する考えです。
尚、9月にハイウエイカードが発売停止となりましたが、この影響で、10月以降の既存店平均日販が約0.8%低下します。ただ、利益率が低いため、利益への影響はほとんどありません。
下期の新規出店は9店舗(前年同期6店舗)、閉店2店舗(同 0店舗)を計画、期末店舗数134店舗を計画しています(通期では新規出店16店舗、閉鎖5店舗)。
新店平均日販は500千円と前期比2.2%の増加を見込んでいます。全店平均日販は新規出店の影響で617千円と若干減少するものの、既存店は売上高、来店客数、客単価共に前期並を維持する見込みです。
今後の取り組み
<新しいビジネスモデルの構築>
あくなき出店競争によるオーバーストア症状に加え、他業態の営業時間延長等の影響もあり、コンビニ各社の既存店売上高は前年割れが続いています。つまり、従来の物販中心の長時間営業というだけでは業績を伸ばすことが難しくなってきているわけです。このため、更なる業績の拡大には、「新しいビジネスモデルを構築する必要がある」というのが同社の考え。
新しいビジネスとして、同社が目をつけたのがサービス。「リアル店舗の最大限の活用」と「便利さの追求」をキーワードに、各種サービスを物販と並ぶ収益の柱として育成していく考えです。つまり、従来の物販を主体にした便宜性の追求に加え、日常生活における多種多様なサービスのコンビニエンス化を進めて売上の拡大を図ろうと言うわけです。しかも、自社店舗に限定せず、提携により他のコンビニ・チェーンや他業態をも販売チャネルとして取り込んでいこうと考えています。
(1)早期に10,000店舗のネットワーク構築へ
「大規模マンション向けクリーニング取次ぎサービス」やファンドの組成(手数料収入を得ることができる)による「アイドルDVD&フィギア」の販売等はその代表例です。また、金融商品などにも取り扱いを広げる考えで、「証券仲介業」の登録はこの一環。保険や信託などの取り扱いの準備も進めています。
また、自社店舗だけでなく他のコンビニ・チェーンへも商品やサービスを提供することで販売力を強化します。既に8,000店舗のネットワークが構築されており、早期に10,000店舗に拡大させる考えです。更に「クリック&モルタル」のモルタルの役割を担うべく、Webビジネスを展開する企業との提携も視野に入れています。
(2)宅配サービスの提供で便利さを追求
便利さの追求として、宅配事業にも取り組む考えです。米、水、酒など、持ち運びが一苦労の「重いもの、かさばるもの」の宅配サービスが、60歳以上の女性を中心に好評で、利用が増えています。高齢化社会を迎え、大きな需要が期待できますが、①宅配コスト、②需要の大きい生鮮3品(廃棄ロスの発生リスクがある)の品揃え、③認知度の低さ、などが課題となっています。
上記の課題を克服するためには、ローコストオペレーションの確立と事業規模の拡大が必要となります。ローコストオペレーションの確立に向けて、上期に携帯電話・スキャナー活用の発注システムを稼動させました。また、M&Aにも積極的に取り組み、様々なノウハウの導入を図ると共にスケールメリットを追求していく考えです。
取材を終えて
「リアル店舗の最大限の活用」と「便利さの追求」とは、言い換えれば、これまでのインフラを活用しつつ「売るもの」と「売り方」を変えるという事です。例えば、消費者ニーズがモノからサービスへシフトしている事を考えれば、サービスのコンビニエンス化(売るものを変える)で商機が拡大するものと思われます。また、避けては通れない高齢化や人口減少に対応した女性の労働力活用等を考えれば、消費者の元へ商品を届けるサービス(売り方を変える)の潜在需要は大きいものと思われます。商品の品揃えではスーパー等にかないませんが、各種サービスの品揃えでは機動力の面でコンビニに優位性があるように思われます。
ただ、そのためには先行投資が不可欠。今後、投資負担が収益を圧迫する事もあろうかと思いますが、既成概念にとらわれない新しい発想とその実現へ向けた同社の取り組みを引き続きフォローしていきたいと思います。
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