2005年3月期第3四半期実績
<連結>
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(単位:100万円) |
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第3四半期累計
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前年同期比
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売上高 |
27,905
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+14.0%
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営業利益 |
1,048
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+39.5%
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経常利益 |
1,052
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+57.7%
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当期純利益 |
878
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+230.1%
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IP雷話(インターネット技術を利用した電話)サービスである「FTフォン」の販売拡大が、同サービスをバンドルした雷話機の販売増加につながり売上高が前年同期比14.0%増加。営業人員や広告費の増加による販管費の伸びを吸収して営業利益は37.7%増加しました。持分法投資損益などの改善に加え、特別損益の改善もあり当期純利益は3.3倍に拡大しました。
特別損益の主なもの
(単位:100万円)
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特別利益 |
1,143
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子会社株式売却益 |
309
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販売体制構築支援金 |
676
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確定拠出年金制度への移行益 |
120
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特別損失 |
875
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固定資産除売却損 |
416
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投資損失引当金繰入額 |
80
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買収関連費用 |
369
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<セグメント別の動向> セグメント別売上高
(単位:100万円)
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実績
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前年同期比
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機器関連 |
11,859
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+24.7%
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通信機器関連
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7,794
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+40.4%
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情報機器関連
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825
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-9.0%
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OA機器関連
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2,860
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+8.0%
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その他
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378
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-5.3%
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ネットワーク関連 |
16,045
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+7.2%
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通信ネットワーク
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6,005
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+24.1%
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情報ネットワーク
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9,979
|
-1.5%
|
その他
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61
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+1425.0%
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連結売上高 |
27,905
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+14.0%
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機器関連の売上高は前年同期比24.7%増の11,859百万円。「FTフォン」サービスをバンドルした電話機の販売が同43.4%増の7,589百万円となり、好業績を牽引しました。
ネットワーク関連の売上高は同7.2%増の16,045百万円。「FTフォン」サービスを中心とした新通信サービスの販売増で通信ネットワークの売上高が6,005百万円と同24.1%増加しました。また、前年同期に比べ1.5%売上高が減少した情報ネットワークにおいても、ITセキュリティ関連の売上高は同23.0%増加しました。大手企業や官公庁市場の需要回復に伴い主力商品の販売が堅調に推移、新規保守契約の獲得が順調であることに加え保守契約の更新率も向上しました。
<「FTフォン」サービス>
同社グループが提供する「FTフォン」サービスとは、通話品質の高いIP電話と最大100メガの高速データ通信をセットにしたサービスです。
「FTフォン」サービスの導入企業側のメリットを挙げると次のようになります。
1. 導入に関し、初期投資がほとんど不要
2. 従来と同じ電話番号の使用が可能(最高水準の通話品質を確保)
3. 複数通話可能なIP電話と最大100メガの高速データ通信を提供
4. 高品質の光ファイバーを業界最低価格で利用可能
5. NTT基本料金が不要。IP電話で全国一律3分7.5円、ユーザー同士は無料。
*IP電話
IP電話とは、インターネット技術を利用した電話です。従来の電話では通話時に一定容量の回線を占有しますが、IP電話では他の利用者の通信データと共用するため通信コストが抑えられます。国内ではブロードバンド(高速データ通信サービス)と組み合わせて提供される例が多く、家庭での利用が先行しました。企業では内線網のIP化からスタートし、ここにきて外線に使うケースも増えてきました。ただ、改善されつつあるとは言え、従来の電話番号が使えない(050」で始まる専用番号を使う)、或いは通話品質が悪い等の問題がありました。
2005年3月期 予想
<連結>
(単位:100万円)
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予想
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前期比
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売上高 |
38,000
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+15.2%
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経常利益 |
2,000
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+47.1%
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当期純利益 |
1,200
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+81.8%
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通期計画に対する第3四半期までの進捗率は、売上高73.4%、経常利益52.6%と低いものの、同社は第4四半期に売上高が集中する傾向があります。このため、通期の計画達成に向けて大きな不安はないようです。ちなみに、実績ベースでの前年同期の進捗率は、売上高74.2%、経常利益49.0%でした。
今期実績及び計画 |
(単位:100万円)
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中間決算
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第3四半期
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第四四半期計画
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売上高 |
18,183
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9,722
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10,095
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経常利益 |
622
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430
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948
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当期純利益 |
410
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468
|
322
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前期実績 |
中間決算
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第3四半期
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第四四半期
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売上高 |
17,210
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7,268
|
8,503
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経常利益 |
661
|
6
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693
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当期純利益 |
261
|
5
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394
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取材を終えて
「FTフォン」サービスの販売好調が、電話機販売の増加につながるなど好循環が生まれています。同社の「FTフォン」サービスは、コストパフォーマンスに優れた光ファイバーを利用した高品質の音声通信と高速データ通信、さらに使い慣れた電話の使いやすさを兼ね備えており、中小企業などでも導入しやすい点が特徴です。3月3日の新聞報道によると、主要250社に対する調査において、回答企業の9割がIP電話を導入または導入を計画しているとのことです。同社が得意とする中堅、中小企業においても、需要の顕在化はこれからが本番。「FTフォン」サービスの販売も一段の拡大が期待できます。
また、個人によるショッピングや株式などの金融取引に加え、法人間の取引でインターネットの利用が広がっています。今後、更なる利用の拡大が予想される中で、安心して利用するために、セキュリティ(システム・教育等)の重要性が益々高まっていくものと思われます。グループ企業が展開するセキュリティ事業も回復基調が鮮明で、こちらも今後の事業拡大が期待できます。
創業以来、情報通信分野に軸足を置き事業展開を進めてきた同社にとって、大きなビジネスチャンスが到来していると言えます。
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