1.2005年3月期中間決算概要
<連結>
(単位:100万円)
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中間実績
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前年同期比
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売上高 |
3,137
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-1.4%
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営業利益 |
216
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+101.9%
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経常利益 |
209
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+107.8%
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中間純利益 |
200
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+97.3%
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主要ターゲットとする中小法人においても、ブロードバンド環境の整備が急速に進んでいます。これを追い風に中小企業向けブロードバンドサービスを中心とする新通信サービス事業の売上が大きく伸長、損益も大幅に改善しました。法人向け旧音声系サービス事業は減収・減益となりましたが、これを吸収して利益は倍増しました。
また、短期借入金を270百万円(期末残高比39%)削減したほか、与信管理の強化により貸倒率の改善にも努め、財務の健全化を進めました。
<セグメント別動向>
(単位:100万円)
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売上高 |
前年同期比 |
営業利益 |
前年同期比 |
旧音声系 |
国際通信 |
323
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-23.6%
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27
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黒字転換
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移動体通信 |
42
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-33.3%
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10
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-9.1%
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国内通信 |
1,858
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-25.8%
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68
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-37.0%
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その他 |
37
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-22.9%
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8
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-46.7%
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新通信 |
875
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+525.0%
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101
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黒字転換
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合計 |
3,137
|
-1.4%
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216
|
-101.9%
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(1)旧音声系サービス事業(音声系サービス事業から名称変更)
国際通信、移動体通信、国内通信、及びその他からなる回線再販及びその附帯事業については、これまで「音声系サービス事業」としてセグメントしていましたが、今中間決算より「旧音声系サービス事業」に名称を変更しました。
収益性の高い新通信サービス事業に経営資源をシフトさせたことと、その一環として基本料金や付加サービス等の回線再販以外の取引は、契約主体とならずに取次ぎのみに改めたこと等もあり、減収・減益となりました。
(2)新通信サービス事業(IP系サービス事業から名称変更)
当セグメントの主要サービスは二つあり、その一つである「BBフォン」は、法人向けVoIP(データ通信回線を利用した電話技術)及びADSL(非対称デジタル加入者線)サービスとして、ソフトバンクとの合弁会社であるビー・ビー・コミュニケーションズ(株)を通じて販売しています。
また、もう一つのサービスである「FTフォン」は、都市部を中心に商用光ファイバー・ブロードバンドサービスを提供している(株)有線ブロードネットワークスを中心とするグループの協力を得て、中小法人向け光ファイバー対応IP電話(従来の交換機を通した電話技術による通話でなく、インターネット技術による通話)サービスとして、親会社であるフォーバルを中心に販売しています。
今中間決算では、2003年10 月よりサービスを開始している「FTフォン」を中心に販路を拡大した成果が現れてきました。売上高は前年同期の6.2倍に拡大し、営業損益も1億15
百万円改善し黒字転換しました。
2.2005年3月期業績予想 <連結>
(単位:100万円)
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予想
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前期比
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売上高 |
7,000
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14.5%
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経常利益 |
400
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95.1%
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当期純利益 |
400
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95.1%
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引き続き新通信サービス事業が業績を牽引します。同事業は損益の大幅な改善も見込まれ、通期でも経常利益がほぼ倍増する見込みです。
2004 年10 月29 日に、ビー・ビー・コミュニケーションズを連結子会社化したため、下期より同社の売上高及び営業利益が連結決算に反映されます。尚、2004年11月29日に発表しました株式会社トライ・エックスの買収による連結業績に与える影響については、現在算定中のため含まれておりません。
3.今後の取り組み
今後の取り組みとして、ビー・ビー・コミュニケーションズが販売主体となって取り組んでいる「BBフォン」の拡大を進めると共に、「FTフォン」の拡販をフォーバルや大塚商会等と協力して行っていく考えです。また、子会社化に伴いビー・ビー・コミュニケーションズも「FTフォン」の取り扱いを積極化していく予定です。
(1)IP電話の市場拡大を示唆したアンケート調査の結果
2002年に実施したアンケート調査の結果から、「小規模事業経営者の多くがIP電話に強い関心を持ちながら、事業所への導入に至っていいない」ということがわかりました。導入の障害となっていたのは、番号ポータビリティの問題や従来のビジネスフォンとの整合性、更には音声品質に対する懸念でした。
(2)IP電話の問題や懸念を解消した「FTフォン」
「FTフォン」は既に構想から3年の歳月が流れていますが、その期間の大半が上記の問題や懸念を技術的に解決するために充てられてきました。具体的には、これまで使っていた電話番号がそのまま使え、従来のビジネスフォンの使い勝手も継承、音声品質も固定電話並の品質を実現しました。40%程度の通信費の削減ができると試算されています。
また、ハード(電話機)側の対応も進んでおり、今ではIP電話の60%が「FTフォン」に対応しています。
(3)アドオンサービスによる顧客単価の引き上げとアライアンスによる販売強化
「FTフォン」サービスの拡販と共に、複数の通信会社の請求書を一本化してユーザー企業に請求する「ワンストップ・ワンビリング」の付加サービスを販売することで客単価の引き上げを目指します。
この他、ブロードバンド環境に即したコンテンツやアプリケーションを提供するサービスであるASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービス等の新サービスについても検討されています。
更に、M&A(合併・買収)や事業提携等によるアライアンスを進め販売ネットワークを強化していく考えです。
また、従来からの「旧音声系サービス」については、引き続きサービスの効率的な運営に努めていきます。
取材を終えて
オフィスにおけるブロードバンドの波をうまく捉えることができたようです。ただ、ブロードバンドサービスの分野は、競争も激しく楽観はできません。
勝利の方程式は、「先行逃げ切り」。技術的に先行している間に、どれだけのシェアを確保できるか。また、シェアを確保すると共に顧客の深堀を進め、アドオンサービスの拡販も勝ち残りに不可欠です。
楽観できないとは言え、大きなビジネスが育ちつつあることは事実です。今後の事業展開に注目していきたいと思います。
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