ブリッジレポート
(8275) 株式会社フォーバル

スタンダード

ブリッジレポート:(8275)フォーバル vol.9

(8275) フォーバル/大久保 秀夫社長
2004年12月1日(水)

フォーバルの中間決算説明会に出席しました。
大久保社長が中間決算概要、FTフォンの現況・見通しなどを説明されました。

大久保 秀夫社長
2005年3月期中間決算概要
<連結>
(単位:100万円)
 
中間実績
対前年同期比
売上高
18,183
+5.7%
営業利益
617
-16.2%
経常利益
622
- 6.0%
当期純利益
410
+57.2%

「FTフォン」サービスの本格的な開始による、電話機の売上拡大(5,301百万円、前年同期比 +49.1%)が寄与し増収となりましたが、事業拡大のための営業員の拡充や広告活動など先行投資的費用が増加し、利益は減少しました。
子会社株式の売却益、退職金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したための移行益などで当期純利益は増加しました。

<セグメント別動向>
機器関連 
売上高   7,856百万円(前年同期比 +16.6%)
営業利益    257百万円(前年同期比 -35.1%)

前述のように、IP電話をバンドルしたタイプに加え、従来型の電話も好調でした。一方で、複写機、パソコンは減収となりました。
積極的な営業活動のための経費先行で、営業利益は減少しました。

ネットワーク関連 
売上高  10,327百万円(前年同期比 - 1.4%)
営業利益    360百万円(前年同期比 + 6.2%)

通信サービス「FTフォン」サービスを中心とした新通信サービスが順調に伸びました。 不振だったITセキュリティも反転、増加しました。
当初から減少が予想されていたSDP(液晶画面付き多機能電話機)も想定内の減少にとどまりました。
結果として、ネットワーク関連全体の売上高減少も小幅になりました。

<営業利益の増減要因>
プラス面では、子会社フォーバルテレコム、フォーバルクリエーティブの収益改善が合計で1.7億円寄与しました。
反面、PPOL(米国の子会社)とその子会社、AJOL、ゲートフォーがマイナス2.8億円となりました。
本体及び販売子会社は、0.1億円のマイナスとなりましたが、上期で経費吸収の目途はついたと考えています。


2005年3月期通期見通し
<連結> 
(単位:100万円)
 
見通し
対前期比
売上高
38,000
+15.2%
営業利益
2,000
+38.2%
経常利益
2,000
+47.0%
当期純利益
1,000
+51.4%

通期では大幅な増収・増益を見込んでいます。

上期に引き続き電話機の販売が好調なほか、「FTフォン」サービスの拡大などで通信サービスも大きく伸びます。セキュリティも堅調に推移する予想です。
営業利益見通しの増減要因を見ると、第2四半期で黒字化したフォーバル本体を始めとした販売子会社の売上増が下期更に拡大することや、フォーバルテレコム、フォーバルクリエーティブの収益改善が寄与する見込みです。


「FTフォン」サービスについて

<契約状況>
IP電話サービスの「FTフォン」は、2004年9月末時点で、申込約7,500社、利用約5,800社となっています。
月間500社、年間6,500社のペースですが、当初予想は年間10,000社なので遅い立ち上がりとなっています。
これは、代理店による拡販が遅れているのが理由です。

<営業体制を強化>
この遅れを挽回するために、営業体制の強化を進めており、2004年3月末 400人を、2004年9月末 460人。2005年3月末は同社グループで1000人、代理店2,000人の3,000人体制に拡大します。 大幅な増員計画ですが、このサービスを販売するためには、法人営業の経験と通信に関する知識が不可欠であり、そのための人材獲得と育成を出来る限り早く行なうことで、IP電話普及の大きな波に乗りたいと考えています。
また営業員を大幅に増強するほか、TVCMを含めた広告も積極的に展開していく方針です。

<IP電話の特徴と企業のメリット>
以前のレポートでも何度か紹介していますが、「FTフォン」サービスの特徴は、以下のような点です。

企業側の主要メリット
1. 導入に関し、初期投資がほとんど不要
2. 従来と同じ電話番号の使用が可能(最高水準の通話品質を確保)
3. 複数通話可能なIP電話と最大100メガの高速データ通信を提供
4. 高品質の光ファイバーを業界最低価格で利用可能
5. NTT基本料金が不要。IP電話で全国一律3分7.5円、ユーザー同士は無料 新たに「電報料金もNTTの半額以下」というメリットも加わりました。

営業の場においては、実際に通信費の大幅削減に成功した企業のケースを例示しています。
中小企業において年間で30-50万円の通信費を削減した場合、経常利益率が2%であれば、売上高では1500万円-2500万円の増加に相当するわけで、大企業になれば億円単位でのメリットを享受できます。
通信業界では固定電話においても基本料金・通信料金の値下げが始まっています。顧客企業にとっては「通信費削減」というわかりやすい材料なので、こうした商材も導入部として利用して、将来的な「FTフォン」の顧客開拓に活かしたいと考えています。


取材を終えて
「FTフォン」サービスの本格的な開始による、電話機の売上拡大が寄与し増収となりましたが、事業拡大のための営業員の拡充や広告活動など先行投資的費用が増加し、利益は減少しました。ただ、通期では増収・増益を見込んでおり、大久保社長は「何か特別な事態が発生しない限り達成できる」と考えています。
本格的な営業体制に入った「FTフォン」サービスの進捗状況などを引き続きフォローしていきます。

http://www.forval.co.jp/