今後の取り組み「高齢者サービスの充実」
続いて、泉澤社長が今後の事業展開についてお話されました。
コンビニエンス業界は、同業者のみならず他業種との競合が益々激しくなっており、取り巻く環境は厳しいものがあると泉澤社長は認識しています。
そうした中、現状の同社ならではのコンビニ事業を進めていきながら、「日常生活のコンビニエンス化」を目指し新規事業に取り組んでいますが、なかでも「層が厚く、売上も見込みやすい消費者=高齢者」を対象としたサービス事業を、そのメインに据える考えです。
F.A.24サービス図(クリックすると大きい画像で御覧いただけます。)
携帯電話&スキャナーによる宅配サービス
以前の説明会でも、泉澤社長がアイデアの一端を説明されましたが、スキャナーを用いた会員制宅配注文サービスが来年春から開始されます。
同社の100%子会社「F.A.24」がシステムを企画・運営します。
会員に対し、携帯電話と小型スキャナーが無料で貸し出され、毎週配送される商品カタログのバーコードをスキャナーでなぞると注文が送信されます。FA24が受けた注文は、チェーン展開しているスーパーマーケットから商品を供給してもらい、外部委託業者が配達する仕組みです。
当面は生鮮食品など生活必需品を軸に据え、状況に応じて出前、タクシーの配車、クリーニング集配などにも取り組んでいきます。
同社の投資額は、電話会社と価格交渉中の携帯端末を除いて約5000万円。
スーパーマーケットなどからの運営手数料の他に、携帯電話の大口ユーザーとし通信費の一部が同社の売上となります。
運営にあたっては、低コストでの宅配の仕組みを徹底的に研究しました。
バーコード利用図
このサービスによる大きな意味として、「個々人のデータベースを構築することができる」点をあげています。
従来のコンビニ業界では、「20代男性」とか「40代女性」といったように、ある程度の塊のデータがあれば十分でしたが、右肩上がりの売上増が見込めない今後は、より効果的なマーケティングのために個別データが大変重要になります。その意味でこのサービス提供による個別データの入手は大きな意味をもっていると考えています。
千葉県から地域福祉への貢献、独創的なアイデアが評価され「先駆的地域福祉事業」第一号へ指定されました。お年寄りに対する信用力、安心感という点で大きな意味を持つと考えています。
ただこれも、このサービスがいきなり評価されたのではなく、同社がこれまでに行ってきた「ネットランドリー」、「クリーニング取次ぎ」等のサービスを、高齢者を対象として実績を積み上げてきたことも大きな要因です。高齢者向けサービスの事業化に対し、地方自治体など高齢者マーケットに対する意識が強い協力者が増加しているのが最近の特徴であり、同社にとってフォローの風となっているようです。
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