今後の重点施策
以下の5つの重点施策を推進していきます。
1.トライアングル作戦
同社、販売店・JA、農家の3者の関係を従来の同社と会員店・JA、同社と農家のつながりから、3者相互のコミュニケーションをつなげることにより、今まで以上に顧客ニーズの機動的・迅速な収集、活用が可能となることを目指した、営業技術普及活動です。
この背景としては、「農薬を正しく理解してもらいたい」という願いがあります。自然環境との調和を図り、農薬を正しく使ってもらい、食糧生産に従事してもらうことが重要と考えています。
農業振興の中核である農家が各地域でそれぞれ主体となって活動できるよう支援してゆくことが重要であると考え、「農家との対話を密に」をモットーに活動しています。
農家との対話を通じて情報を収集・整理し、また情報交換を行うことによって信頼関係を築き、ひいては農家の自発的行動を促し、同社の収益拡大につなげようと日々努力しています。
このための体制として、本社のほか8支店、8営業所を全国に配置し、76名のTCA担当者(営業技術普及担当者)が各担当地域をカバーし、農家、会員店、JA等と日々コミュニケーションを密に営業活動を行っています。
2.海外展開
主力のダニ剤であるカネマイトは、現在韓国、台湾向けに輸出が始まっています。
またアメリカでは、2002年11月末に登録申請が受理されました。
カネマイトは、米国において薬害リスクが低い農薬であるとの認定を受けたことにより、通常より早く18ヶ月以内には登録が予定されています。
ヨーロッパでは2003年4月に登録申請しました。
また南米でもコロンビア、エクアドルで2003年中に登録認可予定です。
アメリカ、ヨーロッパではそれぞれ5-10億円程度の輸出が可能と考えています。
販売体制に関しては、商社を利用する計画です。同社のヨーロッパ事務所は、ヨーロッパで製品の販売を行うにあたり、登録取得のための現地法制度上の必要性から設置しているもので、販売拠点ではありません。
3.適用作物の拡大
農薬は、その対象となる病害虫、対象作物に関して無制限に使用できるものではなく、農薬登録制度によってその対象病害虫、対象作物等が細かく規制されています。
ただ、その対象病害虫、対象作物は「適用拡大」の申請を行うことにより広げることが出来ます。
この適用拡大により、販売対象が広がり売上増を期待することができます。
カネマイトフロアブルでは、平成15年、16年で「ぶどう」「すもも」「やまのいも」「あづき」等が予定されています。これによる売上増は14年15年各々45百万円程度の見込です。
4.M&A
まだ大規模なM&Aの実績はありません。
しかしM&Aは時代の流れとして機会があれば取り組む方向で、常に外への情報収集のアンテナは高く掲げています。
最近のM&Aの実績としては、「菱陽商事からの営業の一部譲受け」(平成15年4月)があります。
菱陽商事は、同社の取り扱っていたサンキャッチ、ハイタック、フルハート等の植物調整剤の製造元でしたが、菱陽商事の「経営資源のコア事業への集中化」という目的と、同社の「植物調整剤の更なる充実と経営改善」という目的が合致し、実現したものです。
5.事業特化の推進
資本の効率的な活用と農業の概要、農薬市場を考慮して、以下の3つの方向に特化して行く方針です。 (1) 土壌病害虫防除剤への特化
2005年に臭化メチル剤の全廃が決まった状況にあって、代替剤としての剤が望まれていること、また特に土壌病害虫防除剤の分野は需要が拡大する分野でもあることから、開発の重点分野としています。バスアミド、アルバリンに続く剤の開発を進めています。
(2) ダニ剤への特化
創業以来得意としてきた分野であり、また創業者の遺志でもあります。現在カネマイトフロアブルが好調ですが、次の剤の開発を進めています。
(3) 生物農薬への特化
今後期待される分野です。2002年7月に三井物産と合弁でセルティス ジャパンを設立し、BT剤、フェロモン剤の販売を開始し、生物農薬部門の強化を図りました。
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