ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

プライム

ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.8

(6914)オプテックス/小林 徹社長
2003年3月20日(木)

オプテックスをフォローアップ取材しました。
今回はIR担当の若林さんに、同社が取り組んでいる環境保全、社会貢献活動についてお話を伺いました。

環境と社会貢献により一層注力

<環境監視用製品>
同社には売上に占める比率は決して高くないのですが、環境監視用製品事業というセグメントがあります。


小林 徹社長


5年前に滋賀県から琵琶湖の水質保全に関する協力要請がありました。
それまで透明度検査は人間の目で行っていたのですが、この方法だとその時の天候、風、波の高さなどで正確な検査が難しいという欠点があり

そこで同社は自社の赤外線センサ技術を応用して世界で初めて、透明度自動測定装置を開発したのです。
現在、琵琶湖の南北に1ずつ設置されています。
このセグメントの主力商品は、下水道や農業集落排水処理施設等の管理に使用されている「透視度センサ」と、水中の懸濁物質をモニタリングする「SSセンサ」で工場廃水の管理などに使われています。

<環境体験学習>
同社では環境保全をビジネスとして行う一方、「地球環境に関心を持ち、水の大切さをより多くの人に知ってもらおう」という趣旨で、「環境体験学習」を実施しています。
これは一昨年東証に上場したたこともあり、より積極的に「地域貢献」、「社会貢献」を行っていこうと2年前から始めたものですが、今後は地元のマスコミなどでCMを打つなど、より一層企業業姿勢をアピールしていきたいと考えています。

オーパルという琵琶湖畔の施設を環境体験学習の拠点と位置付け、滋賀県内の小中学校を中心に無料もしくは低料金でスタッフを派遣したり、オーパルで各種体験教室を開催しています。

この「オーパル琵琶湖環境学習」の主なメニューは以下のとおりです。

「琵琶湖に学ぶ」エネルギー教室
自然のサイクル、風のパワーなど琵琶湖から学んだ事をパネルや実験を取り入れて紹介していきます。

「水をおもう」環境学習
世界で3番目に古い湖琵琶湖について、日本の湖、世界の湖との比較や水質調査の実験を行い、身の回りの水環境について考えます。

「出張カヌー教室」
学校のプールを利用して気軽にマリンスポーツを体験してもらいます。

「ソーラーボート工作教室」
ペットボトルを使ったソーラーボートを作り、自然の循環によるエネルギー利用をより身近に感じてもらいます。

この他、オーパルを使ったカヌー、ヨット、ドラゴンボートの実体験教室を開催しています。

まだ準備中のものもありますが、若林さんはアイデアとして以下のような年間プログラムも検討中とのことです。

太陽光、水力、風力といった環境エネルギーを学校の課外学習として実施。
 

夏休みを利用して「父と子のソーラーボート工作教室」と「ソーラーボートレース」を開催。またオーパルのカヌー、ヨット、いかだ、などを利用して水、マリンスポーツに親しんでもらいます。


 

「水をおもう環境学習」
琵琶湖には「よし」という植物が多く生息しています。「よし」は自然体系の中では水質浄化の働きをもつ、非常に重要な植物です。ただ枯れると二酸化炭素を発生するため、冬には「よし刈り」が必要になります。
また、「よし」は紙の原料にもなっており、この刈った「よし」を使って環境体験学習に参加した子供達に、世界で1枚しかない卒業証書を作成して交付し、子供たちの記念としてもらいます。

また滋賀県に限らず、修学旅行の一環にこの環境体験学習を組み込んでもらうことなども検討、提案していきたいということです。

 

取材を終えて

取材当日は本社近くの会場で「第3回世界水フォーラム in 滋賀」が開催されており、多くの人が来場していました。
このフォーラムは国内外から水の関係者が集まり、世界の水問題について様々なテーマで話し合うとともに、来場者に身近な水の大切さや世界の水問題について考えてもらう機会を提供するもので、同社もブースを出展し琵琶湖の透明度自動測定システムと環境体験学習について、説明を行っていました。
環境体験学習を始めたきっかけとして、少し前までは当たり前のように琵琶湖で泳いでいたにもかかわらず、最近では琵琶湖で泳いだことのない子供、若者が増えているという状況もあったようです。

近年日本でも「SRI(社会責任投資)」が注目され始めています。
セキュリティ事業を中心とした同社の事業展開もさることながら、環境体験学習を中心とした社会貢献、地域貢献の姿勢にも注目していきたいと思います。