ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

プライム

ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.7

(6914)オプテックス/小林 徹社長
2003年2月27日(木)

オプテックスをフォローアップ取材しました。
小林社長、IR担当の若林さんに足元の状況、今後の見通しを伺いました。

 

2002年12月期決算実績と2003年12月予想:セキュリティ分野が引き続き好調

<2002年12月期実績(連結)>
金額
前期比
売上高
13,047百万円
+13.4%
経常利益
1,546百万円
+18.4%
当期純利益
951百万円
+74.6%

 

個人レベルでの防犯意識の高まりを背景に、主力のセキュリティ関連が好調でした。 画像関連製品を中心とした防犯用製品の更なる市場浸透と新製品の開発に注力。以前のレポートで紹介した「センサ内蔵型 催涙ガス噴射装置:ワンダーセーフ」もその一つとして開発、販売しました。


小林 徹社長


海外では、防犯需要の拡大、新規販路の拡大に加え、一昨年に買収した英国SEL社の好調な業績が寄与し、ヨーロッパの売上高が19.41億円(前期比 +99.8%)、営業利益が 1.94億円(前期比 +430.4%)と大幅に伸びたことが注目されます。

このように、設備投資の低迷で産業機器用製品が伸び悩んだものの、国内外共にセキュリティ用製品が好調に推移し増収・増益を達成しました。

<2003年12月期予想(連結)>
金額
前期比
売上高
15,500百万円
+18.8%
経常利益
1,600百万円
+0.3%
当期純利益
990百万円
+4.1%

国内、海外経済の見通しについては不透明感が強いため、今期も含めた業績予想、計画に関しては不確定要素を除いたベースで作成しています。
ただ、今期に入ってからも足元の状況は順調に推移しているようです。
大手の警備会社などでは、ホームセキュリティの契約が月間で約1000件増加しているそうで、個人におけるセキュリティニーズは益々高まっています。こうした流れを受けて、これら警備会社向けにセンサカメラ、テレビドアフォン、画像システムなどが引き続き好調のようです。
現在、ホームセキュリティと法人向け警備の契約件数の比率は3:7ですが、2006年には半々になると予測されています。

海外では、SEL社の画像監視システムを英国以外の欧州大陸、米国で拡販していくことを目指します。

また、新市場の開拓と全製品の販路拡大に注力し、経営資源の積極的な有効活用で更なる成長を目指していきます。
具体的には、

  1. フランスおよび韓国における子会社の設立による営業体制の強化
  2. 中国工場におけるEMS(エレクトロニクス マニュファクチャリング サービス:電子機器の製造受託サービス) の推進

があげられます。

同社の製品は「画像監視」、「威嚇・撃退」など、新しいセキュリティのあり方を提案するものであることから、ただ単に製品を開発すればいいというものではなく、そうした「コンセプトの普及」が欠かせないものとなっています。
そのため、既存の代理店網に加えて直販ルートによって、より細かな情報収集を行うともに、販売のスピードアップを図っていきます。

 

中期見通し:セキュリティを中心に継続的に20%成長を目指す

連結売上高(単位:100万円)
2002年
2003年
2004年
2005年
2005/2002
売上高
13,047
15,500
20,000
25,000
+91.6%
セキュリティ
7,912
9,275
11,000
13,070
+65.2%
自動ドア
2,539
2,675
3,100
3,920
+54.4%
産業用機器
2,453
3,120
4,065
5,080
+107.1%
環境監視
82
60
335
640
+680.5%
EMS
0
320
1,450
2,240
その他
61
50
50
50
-18.0%

2005年までの中期見通しでは、引き続きセキュリティが同社収益の柱として成長を牽引していく形となっています。同社では継続的に年間20%の売上高成長を目指していきます。
「画像監視システム」というコンセプトが浸透し始め、今まで打ってきた布石がここのところで、成果となって結実し始めたと考えています。

一言でセキュリティといってもその範囲は広いため、どの部分でビジネスを行っているのか従来はやや判り難い点がありました。そこで今後は軸足をどこに置いて拡大していくのかという姿勢を、社内外に明確に示す必要から、2つのグループに分けた組織作りを行いました。

1.モニタリンググループ
MISSION:世界的なセキュリティニーズに対するセンシング
    画像記録装置の提供
    ハイセキュリティへの対応商品の拡販
    警備会社への直販ルートの開拓
    「画像監視・記録装置」の研究開発
顧客は警備保障会社で、業務用セキュリティシステムを取り扱います。 国内市場でのシェアアップと、今期から海外市場を開発し事業のグローバル化をさらに進展させていきます。
 
2.プロテクショングループ
MISSION:自己警備ニーズの高まりに対する防犯機器・システムの提供
    ホームユースセキュリティ商品の拡販
    企業間提携による新販路の開拓
    早期の認知・威嚇・撃退をコンセプトとした防犯装置の研究開発
量販店、DIYなどを通じて各家庭向けに自己警備用防犯機器、システムを販売します。 まずは国内市場の開発に注力し、自己警備コンセプトの普及と独自ブランドの構築を目指します。各製品の有効性を国内市場で確認したのち、海外での展開を検討します。

それぞれのグループには3つの事業部がありますが、各事業部長は皆、30歳代後半から40歳代半ばとなっています。

 

取材終えて

同社が唱えてきた新しいセキュリティのあり方が、着実に浸透してきているようです。
また、新しい組織分けによって同社の注力する分野がより明確になり、年間20%成長に向けた体制作りも進んでいます。
同社の新しい事業報告書は、同社が何を考えて、どう行動しているのかが詳細に説明されています。
ご興味のある方は是非インベストメントブリッジまでメールでお問い合わせください。 事業報告書を郵送させていただきます。
メールアドレス:webmaster@cyber-ir.co.jp