ブリッジレポート
(2687) 株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア

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ブリッジレポート:(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア vol.4

(2687)シー・ヴイ・エス・ベイエリア/泉澤 豊社長
2002年10月9日(水)

CVSベイエリアの中間決算説明会に出席しました。
泉澤社長が今後の展開を説明しました。

中間決算概要:着実に増収・増益を達成

<平成15年2月期中間決算>
営業総収入
6,925百万円
前年同期比
+10.3%
(加盟店を含む売上高)
11,513百万円
前年同期比
+13.7%
営業利益
528百万円
前年同期比
+12.2%
経常利益
579百万円
前年同期比
+20.8%
純利益
307百万円
前年同期比
+24.4%

<平成15年2月期通期業績予想>
営業総収入
14,764百万円
前年同期比
+19.5%
(加盟店を含む売上高)
23,584百万円
前年同期比
+16.3%
営業利益
1,054百万円
前年同期比
+24.4%
経常利益
1,113百万円
前年同期比
+27.5%
純利益
563百万円
前年同期比
+26.5%


泉澤 豊社長


上期は開店7店舗、閉店1店舗で中間期末店舗数は96店舗となりました。
既存店売上は、前年同期比97.4%と苦戦を強いられ、創業以来初めて前年同期でマイナスとなりました。これは同社の好調な店舗の地域に他社が出店してきているためです。
一方当期開店した7店の新店平均日販は559千円と比較的好調に推移しました。


下期は開店13店舗、閉店2店舗を予定しています。
今後も年間20店のペースでの出店を目指していきます。
また今中間期は初めて中間配当一株当り6円を実施します。

今後の方針

<事業環境への対応>
コンビニエンス業界は店舗の飽和状態に入っています。一店舗当りのパイは小さくなっており、店舗数増加による売上確保を目指して益々競争が激しくなっていると泉澤社長は認識しています。
こうした中、新規に出店を行っても30-40%は閉店に追い込まれる可能性もあり、出店のリスクはますます高くなっていると判断。従来どおり身の丈にあった出店を進めていく考えです。
そこでこうした環境下、「出店エリアの拡大」と「特色あるサービスの更なる付加」を目指していきます。

<出店エリアの拡大>
従来の同社の事業エリアは東京都9区(人口280万人)、千葉県10市(人口290万人)でした。
これが今年9月から千葉県全域に拡大し、松戸市、柏市、我孫子市など常磐線沿線などへの出店が可能になりました。これにより出店可能エリアの商圏人口は300万世帯、720万人へと拡大しました。昼間人口も考慮すれば巨大なマーケットが誕生したことになります。
出店方針としては、出店ペースを変えることなく引き続き質の向上を目指します。また、飛び地出店は行わず、周辺地域よりドミナント重視の出店を継続していきます。
またマルチブランドによるエリア拡大も引き続き検討していきます。

<特色あるサービスの更なる推進>
同社は激しい競争に打ち勝つ為に「特色のある店舗作り」に注力しています。 「日常生活サービスのコンビニエンス化」を掲げ、以下のようなサービスを提供しています。

開始済みサービス(平成14年8月末現在)
クリーニング取次ぎ
40店舗
(前年同期比:9店舗増加)
ネットランドリー
35店舗
(前年同期比:4店舗増加)
ふとん丸洗い
全店舗
クイックマッサージ
4店舗
1000円ヘアーカット
6店舗

こうしたサービスの既存店売上高は前年比120%以上の伸びを見せており、着実に顧客ニーズを開拓しています。

これらサービスはまず実験的に行ってきましたが、中でもクリーニング取次ぎはコンビニエンスストアにピッタリのサービスであり、顧客ニーズも極めて高いことがわかったということです。
クリーニングの最大の問題はシミ抜きなど、顧客とのコミュニケ-ション不足から発生する「クレーム」でした。
同社では受付けの新システムを開発し、店頭オペレーションの簡素化に成功。クレームも殆どなくすことができました。
このシステム開発により、加盟店でも負荷なく展開することが可能になりました。
他のコンビニチェーンの関心も高く、他チェーンへの実験提供を10月からスタートさせました。クリーニング業界最大手の「白洋舎」の店舗数が全国で約1070店に対して、コンビニエンスストアは全国で4万店。数チェーンが導入するだけで全国最大のネットワークが構築可能で、「24時間・年中無休」のコンビニならではのサービスを提供していきます。

また会員制の下着クリーニングであるネットランドリーサービスも、店舗での提供に加え、病院、老人ホームなどの施設からの引合いが増加し、契約に結びついているとのことです。 その他、レンタルYシャツ事業も、この11―12月から実験を開始します。

これらサービス事業の売上高を全体の10%にまで引き上げていくことを当面の目標としています。
同社および子会社のFA24による売上が現在約5億円で、これは約2年で到達しました。 他チェーンの導入状況によって異なってきますが、3年以内には15‐20億円まで持っていきたいと泉澤社長は考えています。

 

取材を終えて

泉澤社長は以前から繰り返し、コンビニエンス業界の従来のシステムの限界を指摘していますが、本部のみが利益を出す一方、加盟店は儲からず、益々リスクの高まっている加盟店FCを希望する人が少なくなっているなど、様々な問題点が顕在化しているようです。 その点、殆どを直営で行っている同社にとっては経営上のリスクは少ないと泉澤社長は考えています。
そして一方で、競争が激しい同業界での勝ち残りを目指してユニークなサービスを積極的に導入していく方針です。このサービスをオリジナル商品として他チェーンに提供すれば、大きな投資無しで、全国展開が可能となります。
クリーニング取次ぎサービスの他チェーン導入状況を中心に、今後の展開を注目していきたいと思います。