「システム開発」
IDの主要顧客はみずほグループなど大手金融機関です。これら金融機関にとっては、顧客の利便性向上と業務の効率化のためのシステム開発が非常に重要であり、IDは主に信託業務系のノウハウを活かした開発を得意としています。全売上高の約40%を占めています。
「システム運営管理」
次に開発されたシステムを安定した環境で、効率的に稼動させることもIDの重要な仕事です。
365日、24時間稼動するコンピュータシステムの運営管理をアウトソーシングする形で受託しています。全売上高の約46%を占めています。これがIDの安定収益源になっています。
「データ入力」
売上高の約10%を占めます。帳票類などの生データをコンピュータ用の入力データに変換する作業です。医療関係のデータ入力や、信託銀行における証券代行業務などがこれにあたります。最近ではイメージデータ処理に注力しています。
「セキュリティ業務」
インターネットなどネットワークの高度化、複雑化が進む中で、コンピュータウィルス、不正アクセスへの安全対策は重要な課題となっています。IDは、ネットワーク安全対策で世界最大を誇る「ネットワークアソシエイツ社」をはじめトレンドマイクロ、シマンテック、コンピュータアソシエイツなど主力商品を全て取り扱っています。
1.足元の状況
同社は昨年の11月に今2002年3月期の業績予想を以下のように修正しました。
<連結>単位:100万円 カッコ内は修正前 |
売上高 |
11,100
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(11,190)
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前期
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9,738
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経常利益 |
650
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( 790)
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前期
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735
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当期純利益 |
360
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( 435)
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前期
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242
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売上高に関しては、主力の金融機関向けは順調に増加しましたが、子会社における新規顧客の獲得やWeb系新分野業務の受注が計画どおりに進んでいないことが要因です。
利益面に関しては、数億円規模の大型開発案件の受注に備え、外部パートナー(外注)を早期に確保しましたが、予定通りに着手できなかったことによる外注費のロスや、新分野における開発業務での追加作業の発生などでコストが予想以上に発生してしまったためです。
システム開発においては、まずコンサルティング段階で顧客の業務内容を理解し、課題を抽出した後、システム構築段階に入り、基本設計を行いながら同時に検証を行い、それが済んだら詳細設計、ネットワーク構築、実地テストに進むという流れとなります。(図参照)
ところが、今回の大型案件においては基本設計と検証の部分で、見直し、やり直しが出てしまい、詳細設計に進むのが大幅に遅れてしまい、そのために確保しておいた外部パートナーへの外注費が余計にかかってしまったわけです。
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