・繰り上げ返済をお得にする方法が知りたい!
・どう返済すれば良いのかな?
このような疑問にお応えします。
この記事の結論
- 利息軽減効果を高めたいのであればできるだけ早く繰り上げ返済する
- 住宅ローン控除や資金状況・ライフイベントなどでタイミングを判断することが大切
- 繰り上げ返済のしやすさは金融機関選びが大切
住宅ローンを返済するうえで検討したい繰り上げ返済。
繰り上げ返済することで、毎月の返済額を減らしたり返済期間を短くできたりなど返済の負担を減らすことができます。
さらに、返済の仕方をちょっと工夫するだけでより効果的に返済することも可能です。
とはいえ、繰り上げ返済をすることで損してしまうケースもあります。
そこで、この記事ではお得に繰り上げ返済するワザをご紹介。
あわせて、繰り上げ返済に失敗しないポイントも紹介するので、返済の参考にしてみてください。
お得に繰り上げ返済するなら金融機関選びも重要だよ!
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手数料の安い金融機関を選んでおけば、将来お得に繰り上げ返済しやすくなりますよ。
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住宅ローンの繰り上げ返済の種類
まずは、繰り上げ返済の基本を確認していきましょう。
繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別でまとまった額を返済することを言います。
繰り上げ返済による返済はすべて元本部分に充てられるので、効果的に残債を減らすことができるのです。
毎月の返済額は「元本+利息」だけど繰り上げ返済は「全額元本」だよ!
繰り上げ返済では、返済する額によって次の2つに分かれます。
一部繰り上げ返済
一部繰り上げ返済とは、借入額のうちの一部のみを返済する方法で、返済方法によってさらに次の2つに分かれます。
期間短縮型
期間短縮型とは、繰り上げ返済後も毎月の返済額を変えずに返済期間を短縮する方法です。
例えば、返済期間が残り20年だったのを繰り上げ返済で15年に短縮するという方法になります。
返済期間が短くなるので、利息のかかる期間が短くなり、同じ条件なら返済額短縮型よりも返済総額を抑えることが可能です。
期間短縮型の特徴
- 毎月の返済額は変わらない
- 返済期間が短くなる
- 返済期間が短くなるので利息軽減効果が大きい
返済額軽減型
返済額軽減型とは、返済期間は変えずに毎月の返済額を小さくする方法です。
子供の教育費が思ったより掛かってきたなどで家計を見直したい人、金利上昇で毎月の返済額が上がった場合の対処として適しています。
返済額軽減型の特徴
- 返済期間は変わらない
- 毎月の返済額を減少できる
返済額軽減型は、毎月の支出を減らしたい人におすすめだよ!
それぞれの返済方法によって大きな違いがあるので、どちらを選ぶかは返済シミュレーションをして慎重に決めることが大切です。
全部繰り上げ返済
全部繰り上げ返済とは、住宅ローンの残り元本を全額まとめて返済する方法で一括返済とも呼ばれます。
元本をすべて完済するため、利息軽減効果はもっとも高いといえるでしょう。
一方、全部繰り上げ返済することにより、手元のお金がなくなってしまう点には注意しなければなりません。
住宅ローン控除や団信も無くなってしまうから注意だワン!
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住宅ローン繰り上げ返済で得するワザ7選
お得に繰り上げ返済する方法はあるの?
繰り上げ返済するだけでも利息の軽減効果を期待できますが、ちょっと工夫するだけでよりお得になる可能性があります。
ここでは、繰り上げ返済で得するワザとして次の7つを紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.できるだけ早いタイミングで繰り上げ返済する
繰り上げ返済は、同じ条件であればできるだけ早いタイミングでするほうが利息の軽減効果が大きくなります。
例えば、次の条件の場合を見ていきましょう。
- 借入額:3,000万円
- 借入条件:金利1.2%/借入期間35年
- 繰り上げ返済額:500万円
- 繰り上げ返済方式:期間短縮型
上記の条件で、借り入れ後5年目・10年目・15年目で繰り上げ返済する場合の利息軽減効果は次のとおりです。
繰り上げ返済時期 | 5年目 | 10年目 | 15年目 |
---|---|---|---|
利息軽減効果 | 1,525,717円 | 1,157,405円 | 809,272円 |
繰り上げ返済の額はすべて元本に充てられるので、早い段階で元本を減らすことで利息軽減効果がより大きくなります。
できるだけ早く繰り上げ返済するとお得になるんだね!
2.小まめに繰り上げ返済する
繰り上げ返済=まとまった額が必要、とイメージしている人も多いものです。
金融機関によって繰り上げ返済できる額は決まっていますが、1万円単位でできる金融機関も珍しくありません。
例えば、住信SBIネット銀行の場合は1円単位で繰り上げ返済可能です。
利息を抑えるためには早い段階で元本を減少させる必要があります。
そのため、まとまった額を貯めるのを待っているよりも小まめに繰り上げ返済するほうが利息軽減効果は大きくなるのです。
10年貯めて300万円を繰り上げるより、毎年30万円ずつの方が総額はお得になるんだよ!
ただし、金融機関によっては繰り上げ返済時に手数料がかかります。
小まめに複数回繰り上げると手数料の方が大きくなる場合もあるので、注意しましょう。
住信SBIネット銀行の場合、一部繰り上げ返済手数料は無料だワン!
なお、住信SBIネット銀行はネットバンクでありながら、SBIマネープラザを利用すれば担当者の方と対面しながら手続きを進めることが可能です。
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3.年が切り替わってから繰り上げ返済する
住宅ローン控除を適用している場合、年末に繰り上げ返済するのではなく年が変わってから繰り上げ返済するのがおすすめです。
2023年現在、住宅ローン控除の控除額は、毎年年末時点の住宅ローンの残高×0.7%です。
仮に、年末に500万円繰り上げ返済すると年末時点の住宅ローン残高が500万円減少します。
そのため、控除額も500万円×0.7%=3.5万円減少してしまうのです。
反対に年が明けてから繰り上げ返済すれば、この3.5万円は控除でき所得税還付が期待できます。
もちろん、翌年の住宅ローン控除額は減ってしまいますが、1年分はお得に受け取ることができるのです。
特に、大きな額を繰り上げ返済する場合は、年末時点の残高にも注意するようにしましょう。
繰り上げ返済は年を越すのを待ってから考えたほうが良いんだね!
4.住宅ローン控除の期間が終わってから繰り上げ返済する
住宅ローン控除を適用している場合、適用できる残り期間にも注意が必要です。
住宅ローン控除の適用期間は購入年度によりますが、13年もしくは10年となります。
適用期間内で大きく繰り上げ返済すると、控除できる額も大幅に減少してしまうので注意しなければなりません。
控除できる上限額以上の部分なら繰り上げ返済しても影響はないんだワン!
また、期間短縮型で繰り上げ返済し、すでに返済し終えた期間と合わせて、住宅ローンの返済期間が10年を割ってしまうと住宅ローン控除の対象外となってしまうので注意が必要です。
住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済する場合は、繰り上げ返済の利息減少分と控除額を比較して検討するようにしましょう。
5.返済額軽減型ではなく期間短縮型を選ぶ
繰り上げ返済方式を選ぶ際、利息軽減効果が大きくなるのは返済額軽減型よりも期間短縮型です。
- 利息軽減効果:期間短縮型>返済額軽減型
例えば、次の条件で期間短縮型と返済額軽減型の返済額・返済期間について見ていきましょう。
- 借入額3,000万円
- 金利1.2%/借入期間30年
- 返済済み期間:5年
- 繰り上げ返済額:600万円
繰り上げ前 | 期間短縮型 | 返済額軽減型 | |
---|---|---|---|
毎月の返済額 | 99,272円 | 99,272円 | 76,046円 |
返済残期間 | 25年 | 18年6ヵ月 | 25年 |
減少する利息額 | – | 1,780,937円 | 944,612円 |
上記のように、返済期間短縮型は、利息のかかる期間が短くなり利息軽減効果が大きくなるのです。
ただし、金融機関によってはどちらかの返済方式しか選べない場合もあるので注意しましょう。
期間短縮型を選ぶようにしよう!
6.優遇金利が終わるタイミングで繰り上げ返済する
優遇金利とは、金融機関独自のキャンペーンなどで一定期間適用される金利のことです。
例えば、フラット35Sの場合一定の基準を満たす住宅の場合は、次のような金利優遇を受けられます。
引き下げ期間 | 金利引き下げ幅 | |
---|---|---|
フラット35S(ZEH) | 当初5年 →6年目~10年目まで | 0.5% →0.25% |
フラット35S(金利Aプラン) | 当初10年間 | 0.25% |
フラット35S(金利Bプラン) | 当初5年間 | 0.25% |
フラット35S(ZEH)であれば、10年間は0.25~0.5%金利が引き下げられますが、11年目からは引き下げが無くなってしまうのです。
固定期間選択型も、固定期間終了後に金利が大きく上がる可能性があるよ!
優遇金利期間が終了して金利が上がるタイミングに合わせて繰り上げ返済することで、金利が上昇しても影響を抑えられるでしょう。
7.金利が上がりそうなタイミングで繰り上げ返済する
変動金利の金利上昇リスク対策としても繰り上げ返済が有効です。
変動金利は、一般的に4月と10月の半年ごとに金利が見直されます。
金利見直しのタイミングで金利が上昇してしまうと、返済額が大きくアップしてしまう可能性があるのです。
基本的には5年ルールや125%ルールがあるため、返済額が急激に上がることはありません。
しかし、返済額の元本と金利の割合が変わることで、元本がなかなか減らない事態になりかねないので注意が必要です。
また、6年目以降は実際に返済額も上昇してしまう可能性もあります。
金利が上昇する前に、繰り上げ返済しておくことで金利上昇の影響を抑えることが可能です。
小まめに繰り上げ返済して残債を減らしておけば、万が一、返済額を大きく変わっても全額繰り上げ返済や借換もしやすくなります。
金利を完全に予想することは不可能だけど、トレンドを知っておくことはできるんだワン!
変動金利は短期プライムレート、固定金利は10年固定金利に連動するため、小まめに金利動向をチェックしておくとよいでしょう。
変動金利の金利動向については、「2023年変動金利が一気に上がる可能性はある?金利上昇への対策や変動金利の仕組みを解説」でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
住宅ローンをすでに借りていますか?
繰り上げ返済で失敗しないためのポイント
繰り上げ返済って失敗することがあるの?
せっかく繰り上げ返済しても、手数料がかかってお得にならないことや貯蓄が減るなどで失敗してしまう可能性もあるので、慎重に判断することが大切です。
ここでは、繰り上げ返済で失敗しないためのポイントとして、次の4つを紹介します。
繰り上げ返済しやすい住宅ローンにする
繰り上げ返済には手数料が必要です。
金利タイプや繰り上げ返済の方法・金融機関によっても異なりますが、1~3万円ほどかかるケースも珍しくありません。
金融機関ごとの繰り上げ返済手数料を一覧で確認してみましょう。
住信SBIネット銀行 | auじぶん銀行 | りそな銀行 | |
---|---|---|---|
一部繰り上げ返済 | 無料 | 無料 | インターネット:無料 店頭受付・テレビ電話: 変動金利・固定金利:5,500円 固定期間選択型特約期間中:3.3万円 |
全額繰り上げ返済 | 変動金利期間中:無料 固定金利特約期間中:3.3万円 | 変動金利期間中:無料 固定金利特約期間中:3.3万円 | 店頭受付・テレビ電話 変動金利・固定金利:1.1万円 固定期間選択型特約期間中:3.3万円 |
特に、少額をこまめに繰り上げ返済したい場合、毎回手数料がかかってしまうと支払総額であまりお得にならない可能性があります。
事前に繰り上げ返済の手数料を確認して、手数料を抑えられる金融機関を選ぶようにしましょう。
繰り上げ返済できる額や方法が決まっている場合もあるから注意だワン!
繰り上げ返済後も余裕資金を手元に残しておく
繰り上げ返済することに盲目になり、手元資金をすべて繰り上げ返済に充てるのはおすすめできません。
手元資金が大きく減少することで、もし、教育費などで大きな支出が必要になった場合に対応できなくなる可能性があります。
また、貯蓄を繰り上げ返済に回して、教育ローンやカーローンなど別の借入をする羽目になるのは、本末転倒です。
住宅ローンは一般的にローンの中で最も金利の低いローンのため、別で金利の高いローンを借りるくらいなら住宅ローンを残しておくほうが賢い選択と言えるでしょう。
必要資金+余裕資金を残して、それでも余裕があるときに繰り上げ返済するのが良いんだワン!
繰り上げ返済用の資金で資産運用することも検討する
繰り上げ返済のためのまとまった資金があるなら、その資金で資産運用を検討するのを一つの手です。
住宅ローンの金利は低く0.3%台というものも珍しくありません。
資産運用方法にもよりますが、利回りによっては金利分以上の利益を得ることも可能でしょう。
また、住宅ローンには団信という保険機能や、住宅ローン控除という節税機能もあるため、無理に繰り上げ返済する必要もないでしょう。
投資にはリスクもあるから慎重に判断してね!
完済時の年齢を考慮する
定年後に収入が減少するなか住宅ローンの返済が続くと、老後の生活費を大きく圧迫します。
まずは、定年時にローンがどれくらい残るのかを計算してみるのがおすすめです。
そのうえで、できるだけ現役世代中に住宅ローンを完済できるような返済計画を立てておくことで老後も安心して生活できるでしょう。
小まめに繰り上げ返済することで期間を短縮することや、退職金で残額を完済するのも一つのです。
ただし、預貯金をすべて住宅ローンの返済に充ててしまい、老後の生活費が確保できなくならないように注意しましょう。
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住宅ローンの繰り上げ返済に関するよくある質問
最後に、住宅ローンの繰り上げ返済に関するよくある質問を見ていきましょう。
住宅ローンを繰り上げ返済するベストなタイミングは?
繰り上げ返済は「できるだけ早く」がお得になるポイントです。
しかし、余裕資金を残す必要があり、住宅ローン控除との兼ね合いなどを踏まえるとベストなタイミングは個別の状況によって異なります。
資金状況や今後のライフイベントなどを考慮して、ファイナンシャルプランナーなどに相談するのがおすすめです。
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住宅ローン控除期間に繰り上げ返済をするのは損?
繰り上げ返済することで控除できる額が減りますが、一概に損とは言い切れません。
住宅ローンの金利が高い場合は、繰り上げ返済を優先させた方がトータルでお得になる可能性が高くなります。
反対に、金利が低ければ控除額を大きくとることで金利分以上の還付を期待できる場合もあるのです。
控除期間は余裕資金を投資に回して、控除期間終了後にまとまった額を返済するという方法も検討できるでしょう。
控除期間中の繰り上げ返済は個別の事情により検討したほうが良いので、一度プロに相談することをおすすめします。
繰り上げ返済手数料の安い住宅ローンは?
金融機関によっては、一部繰り上げ返済手数料無料というところもあります。
しかし、繰り上げ返済手数料のみで判断するのはおすすめできません。
繰り上げ返済手数料が安くても金利が高ければ本末転倒と言えます。
また、手数料には繰り上げ返済手数料だけでなく住宅ローン契約時の事務手数料などもあり、それぞれ金額が異なります。
住宅ローンを選ぶ際には、金利・事務手数料・繰り上げ返済手数料など総合的に判断する必要があるのです。
手数料まで比較するのは面倒だな…
そのような場合におすすめなのがモゲチェックです。
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さらに、無料で住宅ローンのプロに相談できるサービスもあるので、あなたにぴったりの住宅ローンを見つけられるでしょう。
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【まとめ】賢く繰り上げ返済しよう!
繰り上げ返済についてよく分かったよ!ファイナンシャルプランナーに相談してみる!
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
- 利息軽減効果を高めたいのであればできるだけ早く繰り上げ返済する
- 住宅ローン控除や資金状況・ライフイベントなどでタイミングを判断することが大切
- 繰り上げ返済のしやすさは金融機関選びが大切
繰り上げ返済は人によってお得な返済時期が異なります。
そのため、まずは無料でファイナンシャルプランナーに相談するのがおすすめです。
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