この記事の結論
- 人間拡張とは、テクノロジーで人間の身体能力や知覚等を拡張させる事
- 人間拡張は、身体拡張、知覚拡張、存在拡張の3つに分類される
- 人間拡張市場は、2025年に1兆円を突破するとされるが課題も存在する
あなたは「人間拡張」を知っていますか?
実はSF映画のような未来を実現するカギとして、注目を集め始めています。
今回は、注目の人間拡張について、定義から国内の事例、更に成長性や課題まで解説します!
そもそも、人間拡張とは?
人間拡張とは、テクノロジーで人間の身体能力や知覚等を拡張させる事です。
具体的には、AI(人工知能)やIoTで人間の運動能力や聴覚、視覚等を強化します。
これにより、「現実と仮想現実」や「体と機械」を融合させることができるようになります。
なんだか凄そうだね!一体どんな未来が実現するのかな?
例えば、運動神経や視覚を大幅に強化した人達が繰り広げる「超人スポーツ」が出来るようになるとされます。
実は、この「超人スポーツ」はヘッドセットの活用などにより既に実現しつつあります。
また、将来的にはデジタル空間に人格を移植して、仕事を代行させる「デジタルアバター」等も実現可能とされています。
SF映画の世界が現実になってきているんだね!
他にも「パワーアシストスーツを活用したリハビリ負担の低減」等、既存の社会問題への活用も期待されています。
人間拡張の3つの分類・関連企業
人間拡張は、強化される能力によって次の3つに分類分けできます。
- 身体拡張
- 知覚拡張
- 存在拡張
身体拡張は何となく想像できるけど、知覚拡張と存在拡張ってなんだろう?
まず、身体拡張とはロボット技術等を用いて、人の運動能力を強化する事です。
身体機能を強化するパワーアシストスーツが代表例です。
次に、知覚拡張は、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)・MR(複合現実)等で聴覚や視覚を強化する事です。
映画やゲームの世界に没入できるVRゴーグルが有名ですね。
最後に、存在拡張はIoT等の活用により、遠隔地との感覚共有や機械の直感的な操作をする事です。
例えば、視聴覚にとどまらず、触覚まで共有できるロボットが現在開発されています。
では次に、日本国内でどんな事例があるのか見ていきましょう!
①身体拡張:クボタ(6326)
農業機械を製造するクボタが、重労働の負担低減用に、農業用のパワーアシストスーツを発売しています。
このアシストスーツは立ち上がる時に補助をしたり、荷物をワイヤで上げ下げする機能があります。
これにより、1人で20kgものコンテナを簡単に持ち上げられます。
②知覚拡張:ソニー(6758)
日本では、ソニーが「PlayStation4」で使用するVRゴーグルを発売しています。
VRゴーグルを使う事で、ゲームや映画の世界に没入する事が可能となります。
VRゴーグルを使うと、まるで本当にゲームや映画の世界に入ったように感じるよね!
また、ソニーは東京大学と共同で「ヒューマンオーグメンテーション社会連携講座」を開講しています。
この連携講座により、人間拡張の社会実装を推進していくとしています。
③存在拡張:コマツ(6301)
国内では、建設機械を製造するコマツが、産業技術総合研究所と共同で「コマツ-産総研 Human Augmentation連携研究室」を設立しました。
この研究室では、「人と建設機械の協調」を高める為の高度な遠隔操作技術を開発していくとしています。
人間拡張の成長性
シード・プランニングによると、国内の人間拡張市場は2025年に1兆円を突破すると予測されています。
ここから、各分野の成長に期待が集まっています。
特に、知覚拡張市場は2025年に8,600億円と最も大きい市場になるとされています。
知覚拡張市場ではAR・VR・MRを活用して大きく成長する事が見込まれているワン!
実は、日本は人間拡張の世界的リーダーとなれる可能性を秘めています。
日本には人間拡張の研究機関が設立されており、中には世界的に有名な方もいらっしゃいます。
また、社会問題である生産年齢人口の減少も人間拡張の成長を後押しするとされています。
日本の生産年齢人口は2065年に4,529万人に減少する見通しですが、このような状況で生産活動を行う為には1人当たりの生産性向上が必要となります。
その一環として、人間拡張を活用し1人当たりの能力を高める方法が注目されています。
人間拡張の課題
人間拡張は、人の可能性を飛躍的に拡げるとされています。
しかし、その実現には、いくつかの課題があります。
まず、倫理観と法律という大きな課題について説明します。
例えば、「脳内に電子部品を埋め込む」という場合を考えてみましょう。
これは「人と機械の融合」ですが、この融合がどこまで許されるのかという点が議論されています。
また、倫理に反する人間拡張を規制する法律も整備が追いついていません。
多様な価値観を踏まえた話合いが必要とされているワン!
次に、人間拡張を事業とする企業が少ないという課題があります。
人間拡張は倫理面等の問題が存在する為、現状は多くが研究・実証段階止まりとなっています。
ただ、課題大国という日本の立場を活かせば、ユースケースを他国より多く蓄積できる可能性もあります。
投資家の目線
いかがでしたか?
人間拡張は課題もありますが、人の可能性を大きく拡げるテクノロジーでもあります。
そして、少子高齢化という社会問題を逆手に取り、成長できる可能性を日本は秘めています。
その為、人間拡張は次なる成長産業として多くの企業が参入することが予想されています。
最先端のテクノロジーですが、早い時期から理解を深めることで、まだ見ぬ有望企業を見つけられるかもしれません。
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