・年収500万円だと住宅ローンはいくらまで借りられるのかな?
・他の人はどれくらい借りているのか知りたい!
このような疑問にお応えします。
この記事の結論
- 年収500万円の平均的な借入額は2,720万円
- 借入可能額いっぱいで借り入れるとリスクが大きいので注意が必要
- 借入可能額と理想の借入額は異なる
住宅ローンは年収によって借入可能額が異なってきます。
借入額によって購入できる家の選択肢も変わってくるため、どれくらい借りられるのかを把握しておくことが大切です。
とはいえ、どれくらい借りられるのか、分からないという方も多いはず。
また、周りがどれくらい借りているのかも気になるものですね。
そこで、この記事では、年収500万円での住宅ローンの借入可能額や平均額・借入額に対するリスクについて分かりやすく解説します。
借入額を判断するポイントも解説するよ!
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年収500万円の理想的な住宅ローン借入額はいくら?
まずは、年収500万円での借入額について見ていきましょう。
ここでは、「借入可能額」「平均額」「理想的な借入額」の3つに分けて借入額を算出していきます。
年収500万円の借入可能額はどのくらい?
住宅ローンは、希望する額を満額借りられるわけではありません。
金融機関の基準を元に「いくらまで借りられるのか」が算出され、借入額が決まるのです。
借入可能額を算出するうえで、重要になるのが次の2つの数値です。
- 返済比率
- 審査金利
返済比率とは
返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合のことをいいます。
金融機関によって数字は異なりますが、一般的には30%~35%が目安です。
年収500万円の場合は、住宅ローン返済額が年150万円~175万円となります。
返済比率は住宅ローン以外のローンの返済額も含まれるよ!
審査金利とは
また、審査金利とは金融機関が審査の際に使用する金利です。
審査の際に使用する金利は「審査金利」と実際に適用される「適用金利」に分かれ、審査金利の場合適用金利よりも1~2%程高い数字で審査されることが多くなっています。
ただし、審査金利は公表していない金融機関がほどんどです。
借入可能額の計算式
フラット35の場合は、適用金利で算出されているため、ここではフラット35での借入可能額を算出してみましょう。
借入可能額は、次の計算式で求められます。
借入可能額=年間返済可能額÷12ヵ月÷審査金利での100万円あたり返済月額×1,000,000
また、2023年1月時点のフラット35の条件は以下の通りです。
- 適用金利:1.680%(2023年1月最頻値)
- 借入期間:35年
- 返済比率:35%
年収500万円で返済比率35%の場合、年間返済額は175万円(月額約14.5万円)です。
また、金利1.680%で100万円(返済期間35年)借入れた場合の、返済月額は3,150円となります。
よって、借入可能額は以下の通りです。
借入可能額=14.5万円÷3,150円×1,000,000円=約46,031,747円
年収500万円でフラット35を借入れる場合は、約4,600万円まで借りられるのです。
年収500万円の平均的な借入額は2,720万円
他の人はどれくらい借りているのかな?
フラット35を提供している住宅支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」による年収倍率は次のとおりです。
- 土地付き注文住宅:7.5倍
- 建売住宅:7.0倍
- 注文住宅:6.8倍
ちなみに、年収倍率とは、住宅取得に要する資金を年収で割った倍率のことです。
倍率は6.8~7.5倍なので、年収500万円であれば、住宅取得にかかる費用は3,400万円~3,750万円となります。
また、同調査による「資金調達内訳」では、融資金の割合が80.5%です。
仮に、融資率が80%とすると、住宅ローンの額は2,720万円~3,000万円となります。
年収500万円の理想的な借入額は2,000万円
ただし、住宅ローンの借入可能額=理想の借入額ではない点には注意が必要です。
例えば、年収500万円の借入可能額は約4,600万円ですが、4,600万円で借入れた場合の返済額を見てみましょう。
- 金利:1.680%
- 返済期間:35年
- 返済額(月額):144,935円
年収500万円は月収にすると約42万円です。
しかし、年収=手取りではありません。
年収から社会保険料など約120万円が差し引かれるため、実際の手取りは380万円ほどになります。
この場合で手取り月額は約32万円です。
手取りだとかなり下がるんだね…
ここから、約15万円の住宅ローンを毎月返済していくとなると、大きな負担となる可能性があるのです。
返済比率30%~35%は金融機関の審査基準ですが、理想的な返済の目安とは異なります。
ライフスタイルや考え方により異なりますが、理想的な返済比率は手取りの20%~25%といわれることが多いです。
仮に、返済比率を20%とすると、手取り年間380万円のときに、返済額76万円(月額約6.4万円)となります。
この場合に、借入可能額を算出すると次のとおりです。
借入可能額=6.4万円÷3,150円×1,000,000円=約20,317,460円
ただし、理想的な借入額は、頭金の用意や資金状況などによって個別に異なるからシミュレーションすることが大切だワン!
年収500万円で借入可能額まで借りた場合のリスク
借入可能額まで借りれば良い家を買えるけど、ダメなのかな?
借入可能額いっぱいで借りることで家の選択肢も増えるでしょう。
しかし、借入可能額いっぱいでの借入には以下のようなリスクが伴うので注意が必要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
収入減少
住宅ローンは返済期間が30年や35年と長期に渡ります。
その期間、今の収入より高くなるか維持できるかの保証はないものです。
返済期間中に、転職や独立で収入が減る可能性もあるでしょう。
また、近年は新型コロナウイルスの影響により、減給やボーナスカットとなったケースも珍しくありません。
上限ギリギリで借り入れた場合、毎月の返済額も大きくなります。
その状態で収入が減少してしまうと返済の負担が大きくなりすぎて、最悪破綻してしまう可能性もあるのです。
いつ収入が減るか分からないよね…
突発的な支出
収入は維持できても、支出が増える可能性もあります。
子供の誕生や進学に伴い教育費は嵩んでいきます。
また、親の介護などで支出が増えるケースもあるでしょう。
家の維持にもお金がかかるものです。
毎年の固定資産税だけでなく、年数が経てば屋根や壁の塗り替えや、設備の交換など修繕の費用も高額になります。
台風などの災害で大きく損害すると突発的に高額な修繕費も必要になるでしょう。
教育費などの支出が増えることで、毎月の返済が厳しくなる恐れがあります。
さらに、支出が増えなくても毎月のローン返済額が高額になると、思うように貯蓄ができずに突発的な支出に対応できなくなる可能性もあるので注意が必要です。
ライフイベントや修繕計画などを含めた長期的な返済計画が必要だよ!
金利上昇
変動金利で借入れる場合、定期的に金利が見直されるため金利リスクに注意が必要です。
特に、限度額ギリギリの高額な借入になることで、金利の影響が大きくなります。
例えば、4,600万円借り入れた場合(返済期間35年)の金利ごとの返済額を見てみましょう。
金利 | 1.5% | 1.0% | 0.5% |
---|---|---|---|
毎月の返済額 | 140,844円 | 129,851円 | 119,409円 |
このように、1%違うだけで2万円以上の差が出てきます。
金利上昇への対策としても、借り入れ可能額ギリギリでの住宅ローンは避けるようにしましょう。
限度額いっぱいでの借入では、貯蓄もできず万が一の金利上昇で返済ができなくなってしまうでしょう。
金利って上がるのかな?
現在は低金利の住宅ローンですが、この水準がいつまでも維持される保証はありません。
特に、2022年12月に日銀による実質的な利上げが発表されたことから、今後住宅ローンの金利が高くなる可能性も高まっています。
変動金利で借入れる場合は金利動向をこまめにチェックし、必要に応じて借り換えなどの対応を取るようにしましょう。
年収500万円だと頭金なしで住宅ローンを組んでも問題ない?
住宅ローンを組む際に悩むのが「頭金」ですね。
一昔前は、住宅ローンに頭金が必ず必要と言われていましたが、現在では頭金なしで住宅ローンを組むケースも増えてきています。
しかし、頭金を入れないことでのリスクもあるため、慎重に判断する必要があります。
低金利であれば頭金なしで住宅ローンを組むメリットは大きくなる
頭金を入れないメリットには、次のようなものがあります。
- すぐに家を購入できる
- 住宅ローン控除額を大きく取れる
- 自己資金を減らさずに済む
特に、低金利の住宅ローンであれば住宅ローン控除を利用することで金利負担をほとんどない状態にすることも可能です。
住宅ローン控除
住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、ローン残高に応じて一定額を所得税から控除できる税制優遇措置。
年末時点残高の0.7%を最長13年間控除できる。
頭金を入れないことで借入額がその分高額になり、控除を最大限利用できるというメリットがあります。
また、金利が0.7%以下であれば金利負担分と同じくらいの控除になるため、金利負担を抑えることも可能です。
ただし、控除のなくなる14年目以降には注意が必要だワン!
頭金なしで住宅ローンを組むリスク
頭金なしの場合、借入額が高くなることからリスクも伴います。
主なリスクとしては、以下のようなものがあります。
- 毎月の返済額の負担が大きい
- 金利上昇のリスクが高くなる
- 突発的な支出に対応できなくなる
- 担保割れの可能性がある
特に、借入額が高額になるため、毎月の返済額が高くなり返済期間も長くなる点に注意が必要です。
頭金なしの住宅ローンについては、「頭金なしで住宅ローンを組むと後悔する?メリット・デメリットや年代別注意点も解説」の記事でも詳しく解説しています。
年収500万円は頭金をどの程度貯めればよい?
頭金ってどれくらい用意するものなのかな?
住宅支援機構の2021年度データでは以下のような結果が出ています。
- 資金調達内訳:手持ち金(16.7%)/融資金(80.5%)/その他資金(2.8%)
- 年収倍率:6.8倍
よって、年収500万円の場合の住宅取得費は3,400万円。
そのうち、手持ち金(頭金)が16.7%となるため、頭金平均は567.8万円となります。
ただし、データはあくまで平均であり、個別事情によって適切な頭金の額は異なります。
モゲチェックなどのサービスを利用して、あなたにとって最適な頭金や住宅ローンを選ぶようにしましょう。
住宅ローン借入額を決める際に押さえておきたい3つのポイント
住宅ローンの額ってどうやって決めればいいんだろう…
ここでは、住宅ローンの額を決める際に押さえておきたいポイントとして、次の3つを解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
住宅購入後のランニングコスト
持ち家を持つと、住宅ローンの返済以外にも家に関わる支出が発生します。
主な住宅に関わる支出として以下のようなものがあります。
- 固定資産税と都市計画税
- 修繕費やメンテナンス費用
- 火災保険料と地震保険料
固定資産税は、不動産を所有する人に毎年課せられる税金です。
自治体によっても異なりますが、基本的には「固定資産評価額×1.4%」で課税され、毎年10万円~15万円程かかります。
さらに、市街化区域であれば都市計画税も課税されるので、注意しましょう。
また、家は定期的なメンテナンスなど修繕費もかかります。
屋根や壁の塗り替えともなると、修繕費だけでも数百万円かかる場合もあるでしょう。
火災保険や地震保険は、5年で15万円~20万円ほどになります。
このような家の維持にかかるコストについても支出計画を立てたうえで、住宅ローンの返済額を決めることが大切です。
あらかじめランニングコストを計算してくことが大切だね!
収入と支出の変動
住宅ローンを返済する間、今の支出と収入がずっと維持できるわけではありません。
子供の誕生や進学で支出が増えるケースや転職や会社の業績悪化・病気などで収入が減少するケースもあるでしょう。
今度の収入と支出の動向も現実的に考えたうえで、返済計画を立てていくことが大切です。
金利の動向
日銀が実質的な利上げを発表したことから今後住宅ローンの金利が上がる可能性が高まっています。
変動金利で組んだ場合は、今は金利が低くても今後金利が上がれば、返済額が高くなってしまうため、金利の動向に注意が必要です。
固定金利で組めばいいのかな?
全期間固定金利であれば、返済途中で金利が上昇するリスクは避けられるでしょう。
しかし、全期間固定金利は変動金利よりも金利が高く、返済額も高くなるものです。
金利タイプごとにメリット・デメリットが異なるので、どの金利タイプが向いているかは資産状況や返済プランなどに応じて判断する必要があります。
とはいえ、どの金利プランがいいのかなど自分だけでは判断が難しいという人も多いでしょう。
また、どれくらいの借入額が理想なのか算出するのも難しいものです。
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最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
- 年収500万円の平均的な借入額は2,720万円
- 借入可能額いっぱいで借り入れるとリスクが大きいので注意が必要
- 借入可能額と理想の借入額は異なる
住宅ローンの理想の借入額は、1人1人異なります。
個別の事情や資金状況などに応じで、あなたにぴったりの借入額を判断することが大切です。
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