この記事の結論
- エドテックとは、「アダプティブ・ラーニング」、「STEAM教育」、「リカレント教育」をサポートするテクノロジー
- エドテックによって、個人に最適化された学習、論理的思考力の向上、学び直しが可能
- コロナウイルスの影響によって、エドテックの市場規模は大幅に拡大
あらゆるサービスやビジネスにデジタルテクノロジーを導入する「クロステック」が現在注目されています。
先日、いろはに投資では『クロステックで時代を読む』シリーズの第2弾である「ヘルステック」をご紹介しました。
今回は、 第3弾「エドテック」です。
エドテックの意味から具体例まで、とことん解説していきます!
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そもそも、エドテックとは?
エドテックとは、教育(Education)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語です。
野村総合研究所(NRI)によると、2016年度のEdTech市場規模は約1,700億円、2023年には約3,000億円に到達すると予測されています。
コロナの影響でもっと市場規模が拡大しそう!
臨時休校措置が発表された2月、複数の企業がオンライン教育サービスを無償で提供するというニュースが話題を呼びましたが、これもエドテックの一例です。
エドテックは教育を提供する側の業界、受ける側の個人の学びに対して、大きなイノベーションを引き起こします。
ここからは、エドテックがサポートする「アダプティブ・ラーニング」、「STEAM教育」、「リカレント教育」に分けて解説していきます!
アダプティブ・ラーニング
アダプティブ・ラーニング(Adaptive Learning)とは、学習進度・理解度に合わせて個人に最適化された学習のことを指します。
Classi
株式会社Classiの「Classi」は2校に1校が導入している教育プラットフォームです。
ベネッセホールディングスとソフトバンクが共同で設立した「Classi」は、小中高、および専門学校を対象としたさまざまな支援ツールを提供しています。
「コミュニケーション」「ポートフォリオ」「学習動画」を提供することで、先生や保護者の負担を減らします。
また、ベネッセのテストに連動した学習教材で個々に合わせた自学自習ができることも魅力的です。
Qubena
株式会社COMPASSの「Qubena」は人工知能を活用したデジタル教材です。
子どもたちには、それぞれ間違い方や解き方のクセがあります。
それらを人工知能で分析し、クセを直すのに適切な問題へ誘導する点が最大の特長です。
さらに、文字認識や図の認識にも優れていて、これまでのタブレット教材での課題だったコンパスや分度器の作図や関数グラフの作成も、紙の上で書いているかのように再現してくれます。
STEAM教育
STEAM教育(スティーム教育)とは、「Science(科学)」、「Technology(技術)」、「Engineering(工学)」、「Art(芸術)」、「Mathematics(数学)」の頭文字を取って組み合わせた造語であり、これら5つの要素を盛り込んだ教育を指します。
現代社会の複雑な問題を解決するためには、「STEM」の理数系の知識、またそれによって培われる論理的思考力と、「Art」の常識に囚われない自由な発想力・表現力が世界レベルで求められています。
これからの時代に大切な能力なんだね!
STEAM教育に力を注いでいるのがシンガポールです。
シンガポールは独立以来、人材育成を国策とし、特に理数教育を重視してきました。
シンガポールのSTEAM教育を担っているのは、国立のサイエンスセンターです。
2014年、全中学生に教育プログラムを提供する組織を立ち上げ、ロボット工学やプログラミング、環境科学、健康科学などを教えています。
この組織には博士号を持つスタッフが所属し、各中学校でさまざまなSTEAM授業を展開しています。
Makeblock
中国では広東省の深センに世界的な教育ロボットメーカーのメイクブロック(Makeblock)が誕生しました。
学校や家庭、教育機関へ、「組み立てながらプログラミングを学べる」教育用ロボットキットなどを販売し、世界展開を進めています。
モーターやギアを使いオリジナルロボットを作ることで表現力を養い、知育ロボットにプログラミングして動きを命令することで、論理的思考力も鍛えることができます。
リカレント教育
リカレント教育とは、生涯にわたって教育と就労のサイクルを繰り返すことです。
義務教育や高校・大学などで学問を修めて仕事に就いてからも、必要と感じたタイミングで学び直すため、「学び直し教育」「社会人の学び直し」とも呼ばれています。
学び直す社会人にとっては、新しい知識を身に付けることでキャリアアップや転職時のアピールポイントになることが期待できます。
しかし、Survey of Adult Skills(PIAAC)によると、25歳~64歳のうち、大学等の機関で教育を受けている人の割合は英国で16%、アメリカで14%、日本で2.4%となっており、日本は他国と比較してリカレント教育がまだ定着していないことが分かります。
オンラインMBA
MBA(経営学修士)では、マーケティングや財務会計、経済学や人的資源管理など経営に関する知識を得ることができます。
以前はアメリカなど海外に行くイメージが強かったMBAですが、現在はオンラインでも受講し、取得することができます。
例えば、グロービスのオンラインMBAではただ動画で授業を受けるだけではなく、教員と学生がリアルタイムで参加するディスカッション形式のライブ授業を受けることができます。
また、海外の大学ではマサチューセッツ州立大学もオンラインMBAを提供しており、日本からでもMBAを取得することが可能です。
スキマ時間に授業を受けたり、自分のキャリアプランに合わせたコースをAIが選定する等、エドテックによってリカレント教育はさらに加速していくでしょう。
経営者を目指していたり、キャリアアップを目指す社会人にとっては嬉しいサービスね!
投資家が注目すべきは…
エドテックは、日本政府が推し進めている分野でもあります。
文部科学省の「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)」によると、単年度1,805億円の地方財政措置が講じられることとなっています。
また、小学校においてはプログラミング教育が必修化されるなど、今後の学習活動において積極的にICTを活用することも想定されます。
また、総務省によると日々の暮らしにおいてモバイル端末やパソコンの世帯保有率はそれぞれ95.7%、74.0%となっており、日本の大半の人がエドテックを受けられる環境にあります。
さらに、コロナウイルスの影響によって、今までオンライン学習を利用していなかった人たちの利用も拡大しています。
このような環境の中、ますますエドテックの市場規模は拡大すると考えられます。
投資家としては、GDPの上昇に必要不可欠な「教育分野」をウォッチするためにもエドテックを理解することは重要です。
実際、オンライン教育サービスに必要な機材やサービス提供企業の株価はここ数ヶ月で上昇傾向にあり、今後はその中でも優良企業が選別される段階になっていくと考えられます。
日々変わるテクノロジー動向に注目しながら、投資のチャンスを逃さないようにしましょう!
いろはに投資の『クロステックで時代を読む』シリーズ、第4弾は、「エネルギーテック」を予定しています。 お楽しみに♪