この記事の結論
- 「BAT」とは「百度(バイドゥ)」「阿里巴巴集団(アリババ )」「騰訊(テンセント)」と中国のテクノロジー業界で大きな影響力を持つ3社の頭文字を取った名前
- 「TMMD」とは、トウティアオ、メイチュアン、シャオミー、ディディの企業から一文字ずつ取った名前
- 中国のテクノロジー業界を見る際は「BAT」だけでなく、今後さらに成長が期待される「TMMD」の4社も押さえておくことが大事
中国とテクノロジー
中国のテクノロジー企業(以下テック企業)についてご存知でしょうか?
中国は世界でも最先端のテクノロジーを有する国の一つです。
新型コロナウイルスの対策で様々な最先端技術が使われていたのをニュースで見たよ!
無人配送ロボットやドローンが使われていていてびっくりしたわ!
実際に中国は、企業の技術力等を示す指標となる国際特許出願件数で2年連続世界最多となりました!
中国がここまで進んている理由としては、最先端技術を育成することを目的に中国政府が企業に積極的に投資を行っていることが挙げれらます。
さらに中国当局は2021年3月5日から開催される全国人民代表大会において、新しい技術に投資する戦略が含まれた新5カ年計画を承認すると見られています。
BATについて学ぼう!
BATとは?
「BAT」とは「百度(バイドゥ)」「阿里巴巴集団(アリババ )」「騰訊(テンセント)」と中国のテック業界で大きな影響力を持つ3社の頭文字を取った名前になっています。
この3社は中国のテックジャイアントとも呼ばれています。
BATX、BATH、BATJなども聞くけど、BATとは何が違うの??
中国には、上記の3社以外にも台頭しているテック企業が複数あります。
そのため、BAT以外の企業の頭文字を含めた呼び方も存在します。
- BATX:「X」は スマートフォンの提供で有名な総合家電メーカー「シャオミ」を示します。
- BATH:「H」はICTソリューションプロバイダー「ファーウェイ」です。
- BATJ:「J」はECサイトJD.comを運営するEC&小売インフラカンパニー「ジンドン」を示します。
また、最近ではバイドゥの代わりに短編動画投稿アプリ「TikTok」の開発運営を行っているバイトダンスをBATの「B」とすることもあります。
バイトダンスは世界で最大の評価額を誇るユニコーン企業であり、世界唯一のヘクトコーン企業です。
ユニコーン企業やヘクトコーン企業については以下の記事を是非ご覧ください!
では、BATの企業概要と最近話題のトピックを見ていきましょう!
百度(バイドゥ)
バイドゥを理解できる5ポイント!
- 中国最大の検索エンジン会社
- 主要事業は検索やAIサービス等とオンラインエンターテインメント
- 「百度」は中国検索シェア率が首位で月間6億人以上のユーザーがいる
- オンラインエンターテインメント「iQIYI」は直近四半期決算(2020年10~12月期決算)で連結売上高の約4分の1を占めた
- 直近四半期決算の売上高は約4900億円、純利益は約850億円
<注目トピック>
バイドゥは今後、スマート電気自動車の生産・提供も行っていきます。
バイトダンスを始めとする他社に伝統的検索エンジンのシェアを侵食されつつある中で、事業の多角化を図っています。
同社のEV事業を320億ドルと評価し、2023年の収益を83億ドルと予想するアナリストもいます。
さらに、音声ビジネスの進化を背景に同社は近年スマートスピーカーの市場にも参入しています。
同社のスマートスピーカーでは、行動データをもとにユーザーに合った健康管理を提供する機能も使えます。
スマートスピーカーの出荷台数が増えている中、2019年時点で世界のスマートスピーカーの出荷台数のうち14%をバイドゥが占めました。
いろはに投資も音声配信を2月にはじめました!
投資基礎知識からトレンドまで幅広いテーマを扱っておりますので、是非ご視聴ください!
阿里巴巴集団(アリババ )
アリババを理解できる5ポイント!
- 世界最大の流通総額を誇るオンラインモバイルコマースカンパニー
- 主要事業は通販と金融サービス
- 小売事業では「TMall」を運営
- 金融事業では「アリペイ」を運営しており、同サービスのユーザーは10億人を超える
- 直近四半期決算(2020年10-12月期決算)の売上高は約3兆5,816億円、純利益は約1兆2800億円
<注目トピック>
今までアリババは高い技術を有する複数のスタートアップに出資し、自社の経済圏に取り込んできました。
全国に行き渡ったスマートロジスティックスネットワーク構築を目指す物流企業「菜鳥」もアリババが取り込んだ企業の一例です。
しかし、2020年にアリババ傘下のフィンテック企業アントの上場が唐突に延期されて以来、アリババによる投資は急激に減りました。
アントの上場規模は約3兆6000億円で史上最大になる予定だったよね!
どうして上場は延期されちゃったの?
上場要件などを満たしていない可能性があるなどが理由とされ、上場は延期されました。
ただし、10月にアリババの創業者のマー氏は講演で中国金融当局に関して挑戦的な発言をしました。
その結果、政府指導部がアントの事業活動を徹底的に調査するよう指示を出し、上場が延期されたとも考えられています。
そして、その後も中国政府は様々な規制強化を行っています。
実際に、2020年12月に独占禁止法違反でアリババは罰金の処罰を受けました。
そのため、現在は以前のように大々的に投資をすることを控え目立たないようにしているようです。
日本経済新聞の調査によるとアントの上場延期から2021年2月までの新興企業への投資額は前年と比較して半分以下になりました。
2年連続中国長者番付で1位を獲得していたマー氏だったけど、政府の規制の影響を受けて2021年には4位になってしまったワン!
騰訊(テンセント)
テンセントを理解できる5ポイント!
- ネットサービス大手の企業
- ゲーム事業やソーシャルメディアを提供する
- 対話アプリ「WeChat」の月間アクティブユーザーは11億人を超える
- ECや金融への拡大も図っている
- 直近四半期決算(2020年7-9月期決算)の売上高は約2兆円、純利益は約5143億円
<注目トピック>
さて、アリババの投資額が減少している中で成長しているのがテンセントです。
テンセントの新興企業への投資額は2020年にアリババを超えました。
最近では、SaaSリモートアクセスソリューションを提供している「Oray」に出資を行いました。
しかし、最近はバイトダンスが提供する中国版TikTok「ドウイン」にテンセントの主力事業「WeChat」の利用時間が奪われてしまっています。
このような中、テンセントはWechatからドウインのリンクに飛ぶことが出来ないようにしたり、TikTokのライバルにあたる快手科技に出資するなどの対抗策を打っています。
快手科技は2021年2月5日に香港市場に上場したワン!
インターネット企業として、2019年の米ウーバー・テクノロジーズ以来の上場規模だったワン!
BATはもう遅い?いま注目すべきTMMDとは
そして、今後BATに続いて影響力を拡大していく企業として「TMMD」が注目されています。
「TMMD」は、トウティアオ、メイチュアン、シャオミー、ディディから一文字ずつ取られています。
(シャオミーからは「Mi」の「M」が取られています)
- トウティアオ:バイトダンスを親会社として持つ、AIを用いたニュースアプリを提供する企業。
- メイチュアン:中国のフードデリバリー市場でシェアが1位。
- シャオミ:スマートフォンの世界出荷台数が3位の総合家電メーカー。
- ディディ:ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資している配車アプリを提供する企業。
テック企業というとアメリカ・シリコンバレーを想像してしまいますが、実は中国でも非常にホットなのです!
これからは中国にも注目してみよう!
中国のテック業界を見る際はBATだけでなく、これからさらに成長が期待されるTMMDの4社も是非押さえておきましょう!
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