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今回は、システム開発から保守・運用までを行うIT企業でありながら、駐輪場運営も行う日本コンピュータ・ダイナミクス(4783)をご紹介します。(2024年1日1日付でNCD株式会社に商号変更)
※ブリッジレポートが掲載されている「ブリッジサロン」、「いろはに投資」ともに株式会社インベストメントブリッジが運営。
この記事では日本コンピュータ・ダイナミクス(以下、NCD)について以下のような内容をまとめています。
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NCDはどんな会社?【企業紹介】
NCDってどんな会社なの?
まずは、NCDの会社概要や事業内容を確認していきましょう。
会社概要
NCDは「ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する。」という経営理念を掲げ、業界黎明期と呼べる1967年に創業しました。
その後、当時は日本初となる中東でのシステム開発・導入を成功させ、PCが普及し始める70年代後半頃には海外からノウハウを吸収しシステム開発支援ツール「PRIDE」を日本で初導入するなど、IT企業のパイオニアとして歩んできました。
IT企業として始まった同社ですが、1997年にはパーキングシステム事業を開始し駐輪場のIT化も行っています。
IT企業が駐輪場を運営しているのは面白いね!
企業概要は次の通りです。
代表取締役社長 | 下條 治 |
所在地 | 東京都品川区 |
決算期 | 3月 |
株価(9/1 終値) | 959円 |
時価総額(9/1 終値で算出) | 7,740百万円 |
配当(24年3月期予想) | 32.00円 |
NCDの紹介動画も見てみるワン!
事業内容
どんなサービスを提供しているの?
同社は、大きく2つの事業を展開しています。
それぞれ見ていきましょう。
IT関連事業
IT関連事業は、2つの事業セグメントで構成されています。
- システム開発事業
顧客の課題解決・戦略実行に最適なシステムの構築や、各種パッケージ製品に関する導入支援などのソリューションサービスを提供 - サポート&サービス事業
システムの障害対応、テクニカルサポート、サービスデスク、運用管理、アウトソーシングまで、顧客のIT業務全般を幅広くサポート
開発から保守・運用までのITサービスをワンストップで提供できるビジネスモデルなんだワン!
IT関連事業って具体的にどんなことをするの?
通常、システム開発は以下のように様々な工程に分かれています。
- 企画・設計:開発を行う前段階として、システムに必要な機能や仕様を決め、仕様書や設計書に落とし込む
- 開発・構築:仕様書や設計書をもとに実際にプログラミングや、システムが動作するためのサーバーやネットワーク環境を構築する
- テスト:プログラムやシステム環境に不具合が無いか、仕様・設計通りに正しく動作するかを検証する
- 導入:実際に企業に導入される
- 保守・運用:開発したシステム全体の安全性を維持するために運用やトラブルのサポートを行う
同社ではこれらの工程を事業セグメントをまたいだ開発チームと、保守・運用チームで行っています。
このように事業セグメント間で連携をとることで、システム全般に関するきめ細かなサービスを提供できています。
パーキングシステム事業
パーキングシステム事業では、IT企業としての強みを活かした駐輪場の運営をしています。
記事の後半では実際に行ってみた様子も紹介しているよ!
具体的には、駐輪機器の販売から自社ブランド駐輪場の管理、他社運営の駐輪場の受託管理などを行っています。
ストック売上比率が多く、安定しているビジネスモデルとなっています。
駐輪場の利用料や運営料は、長期的に安定した収入が見込めそうだね!
顧客は主に自治体や商業施設、鉄道事業者となっています。
最近ではキャッシュレス決済はもちろん、シェアリングサービスやAmazonロッカーの設置など様々な次世代駐輪場への試みを行っています。
自治体からは財務健全性や管理運営の品質で高い評価を得ているワン!
NCDの特長・強み
NCDの特長や強みって何だろう?
それぞれ見ていきましょう。
IT関連事業におけるストック比率の高さ
同社のIT関連事業はストック売上が7割以上を占めており、安定した収益構造となっています。
IT関連事業でのストック売上とは保守・運用のこと。
保守・運用部分で長期的な取引ができていることが、ストック売上の安定性につながっているのです。
きめ細かなサービスが、長期的な取引につながっているワン!
顧客との強固な信頼関係
IT関連事業では、ストック売上比率の高さを支える大手優良企業の強固な顧客基盤・長年にわたる継続的な取引を強みとしています。
主な取引先と取引期間は以下の通りです。
50年以上の取引 | 高砂熱学工業、東京ガスグループ、パナソニックグループ |
30年以上の取引 | エスアールエル、西部ガスグループ、日本生命グループ、富士フイルムグループ、メットライフ生命 |
20年以上の取引 | KADOKAWA、商船三井、電通グループ、ニッスイ、福岡県庁 |
10年以上の取引 | 大阪府農協電算センター、九電工、ソニーグループ、東京海上日動火災、東京鐵鋼、マニュライフ生命、ヤクルト本社 |
近年の取引 | エラストミックス、FWD生命、オリックス生命、JTBアセットマネジメント、匠大塚、ベイシアグループソリューションズ、ベネッセコーポレーション、みずほフィナンシャルグループ、三菱商事ライフサイエンス、LIXILグループ他 |
※同社資料を元に(株)インベストメントブリッジ作成
有名な企業と長期的な取引関係にあるんだね!
また、取引相手に大手保険会社が多いことがわかります。
これは、同社が蓄積したノウハウや地方拠点の活用が大手保険会社に評価され、取引が拡大したことが背景にあります。
今後は既存顧客の新領域獲得、新規顧客への横展開をしていくんだワン!
IT企業が行う駐輪場事業
なぜIT企業が駐輪場事業を始めたんだろう?
1997年に開始された駐輪場事業ですが、始まりは1992年に二次元コードを活用して自治体の月極駐輪場のIT化に着手したことでした。
その当時の駐輪場は管理人が紙で管理していたんだよ。
また、同社は駐輪場機器を取り扱うメーカーとの接点もありました。
放置自転車が社会問題化していたこともあり、その解決策として駐輪場事業をスタートしました。
キャッシュレス決済機能やITを駆使したサービスを導入することで、駐輪場事業は進化を続けています。
実際に駐輪場に行ってみた様子を紹介するよ!
【実際に行ってみた】NCDの駐輪場はどうなっているの?
いろはに投資編集部では、同社が運営している駐輪場に実際に行ってみました。
今回お伺いした駐輪場は六本木駅自転車駐輪場・新宿駅東口路上自転車駐輪場の2つです。
写真とともにそれぞれの特徴をお伝えします。
まず六本木駅自転車駐輪場は、六本木駅から徒歩2分ほどの立地にある定期専用の駐輪場です。
外観がとても綺麗で、駐輪場とは思えないね!
自分でロック板に乗せるタイプではなく、レールに乗せるだけで自動で車両を出し入れすることができます。
実際に出庫される瞬間を見ることができました。
カードのワンタッチで出庫していたワン!
また、車体やタイヤのサイズなどが規格外であっても専用の駐輪スペースがあります。
しかも管理人が常駐しているため、自分の自転車が規格外かどうか迷った時には相談することができます。
次に新宿駅東口路上自転車駐輪場は、新宿駅東口を出てすぐの場所にある時間貸駐輪場です。
こちらの外観はオーソドックスな形式となっています。
スマホ決済によって精算機を使用しなくても利用料金の支払いができたり、周辺の駐輪場の空き状況をスマホで見れたりすることが特徴的です。
IT企業が運営する駐輪場ならではの機能だね!
NCDの業績・業績予想
面白い企業だね!でも、業績はどうなのかな?
続いて、NCDの直近の通期業績・業績予想を見ていきましょう。
業績:2023年3月期決算
売上高は前期比11.2%増の228億53百万円、営業利益は前期比32.5%増の11億95百万円となりました。
人的資本等への投資を強化して販管費が増加したものの、営業利益率は前期から向上しています。
事業別にはどうなっているのかな?
全体的に増収増益だね!
売上面では、IT関連事業は主要顧客である保険会社との取引拡大や、大手企業におけるアウトソーシング案件の業務領域拡大により増収となりました。
パーキングシステム事業は、鉄道・商業施設利用の回復と、料金改定効果が増収に寄与しました。
営業利益では、駐輪場管理運営の収入増や料金改定等による採算性改善によりパーキングシステム事業が大幅な増益となりました。
一方システム開発事業は新規案件の開始に伴う人件費等の先行コストが発生し、微増益にとどまりました。
業績予想:2024年3月期通期決算
2024年3月期の予想売上高は前期比2.8%増の235億円、営業利益は前期比17.1%増の14億円となっています。
IT関連事業では、DX投資がビジネス変革の手段として定着してきている流れ等を踏まえ、今後も顧客企業のIT関連投資の拡大を見込んでいます。
パーキングシステム事業においては、収益性の安定化をめざした料金改定のさらなる推進、駐輪場運営のDX化等を行っていくとしています。
また、多様なモビリティに対応する次世代駐輪場の拡大等サービスの高付加価値化にも取り組んでいます。
【まとめ】NCDに注目!
NCDについて、よくわかったよ!
NCD(4783)の事業内容や業績などをご紹介しました。
今回のポイントをまとめてみましょう。
同社IRサイトを見てみると、英語での決算資料開示も行っており、海外機関投資家への積極的なIR姿勢も読み取れます。
今後の成長に期待がかかるNCDをもっと知りたい方は、以下より無料でブリッジレポートも見てみましょう。
\プロのアナリストが執筆/
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※いろはに投資、ブリッジサロンともに株式会社インベストメントブリッジが運営しています。