・債券価格って金利と関係があるの?
・債券価格は何で決まるのかな?
・株価との関係は?
このような疑問を解決します。
この記事の結論
- 市場金利が上がると債券価格は下がる
- 市場金利が下がると債券価格は上がる
- 債券価格と株価に絶対的な関係は存在しない
債券価格と金利には深い関係があります。
しかし、なぜ金利が上昇すると、債券価格が下落するのか分からないという方も多いでしょう。
そこで今回は債券価格の仕組みについて、金利や株価との関係も理解できるよう分かりやすく解説します。
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そもそも債券とは?
債券って何のこと?
債券とは、お金の貸し借りの証拠となる「借用書」のようなものです。
国や企業などお金を借りたい側は、「債券」を発行し、お金の貸し手である投資家に債券を購入してもらうことで資金調達します。
そして債券の発行元はお金を返す期日(償還日)が来たら、債券を発行したときの額面金額を返す必要があります。
また、債券には利息が設定されており、利払い日に利息が支払われるものです。
そのため、債券購入者は額面金額と利息を得られます。
株とは違うの?
企業が資金調達する方法には株式もありますよね。
株式投資では、投資家は配当金や売買差益を得ることを目的としているものです。
企業などの発行元も出資してもらうのが目的であり、株式の場合はお金を返済する必要はありません。
それに対して、債券はお金の貸し借りであるため、お金を返済する義務があるのです。
投資家は債券を満期まで持っていれば、貸し倒れがない限りお金が戻ってくるんだワン!
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債券価格とは?
債券価格って何のことかしら?
債券には以下の2つの価格があります。
- 額面金額
- 債券価格
一つ目は、債券が発行される時の「額面金額」です。
額面金額は、償還日が来たら保有者に返済される金額のことです。
そして、もう一つの価格が「債券価格」です。
債券価格とは、債券が市場で取引される際の価格のことで、日々変動します。
例えば額面金額が100万円の債券の場合、債券価格が102万円であれば、市場ですぐに102万円で売ることが出来てしまいます。
その代わり、売ってしまったらその後の利息は手に入らないんだワン!
債券について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
>>【図解で分かる】債券とは?国債など種類ごとの違いやリスクについても解説
債券価格と金利の関係
債券価格と金利には深い関係があります。
具体的には、以下のような動きを見せるのです。
- 市場金利が上昇すると債券価格は下がる
- 市場金利が下落すると債券価格は上がる
詳しく見ていきましょう。
金利上昇で債券価格が下落するのはなぜ?
債券を償還日まで保有する場合、額面金額と定期的な利息を得られるので、市場での債券価格を気にする必要はないでしょう。
しかし、売買差益を見込んでいる投資家にとって重要なのは債券価格です。
債券価格は常に変動するから、変動要因を理解することが大事だワン!
債券価格に大きな影響を与えるのが「金利」です。
債券は金利収益を目的とした金融商品であることから、市場金利に価格が左右されます。
以下で具体例を見ていきましょう。
例えばあなたが持っている債券の金利が1%だったとしましょう。
この場合、市場金利が2%に上昇した場合、あなたの保有している債券は市場よりも金利が低いため、人気が無くなってしまいますよね。
人気が無いということは、債券価格が下落してしまうということです。
反対に市場金利が0.5%に下落した場合、あなたの債券の方が金利が高いため、人気になりますよね。
人気があるということは、債券価格は上昇するということです。
以上、ざっくりとした例ですが、イメージはつかめましたでしょうか。
このように、金利変化によってもたらされるリスクのことを「金利リスク」と呼びます。
投資するうえでは、このリスクもをしっかり把握しておく必要があるのです。
金利について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてくださいね。
>>【金利とは?】今知りたい固定金利・変動金利もわかりやすく解説
金利以外で債券価格に影響を与えるもの
じゃあ、金利だけ気にしていればいいのかな?
債券価格に影響を及ぼすものは、金利だけではありません。
他の要因には次のようなものがあります。
以下では、あくまでも基本的な関係性をご紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
為替相場(円高・円安)
- 円高になると債券価格が上昇
- 円安になると債券価格が下落
例えば、円高の時には日本国債の価格に次のような動きが起こります。
- 海外の投資家が為替差益を狙って日本国債を購入→債券の人気アップ→債券価格は上昇
- 円建ての輸入物価が下がり国内物価が低下→金利が低下→債券価格は上昇
- 国内での外貨建債券の人気が下がる→国内債券の人気アップ→債券価格は上昇
円安の場合は上記と逆の原理が働き、債券価格が下落する傾向にあります。
景気
- 景気が好転すると債券価格が下落
- 景気が暗転すると債券価格が上昇
景気が良い時には個人消費が増え、金融機関から企業への貸し出しも増えることから金利が上がります。
金利が上がるということは、債券価格は下落しますよね。
反対に景気が悪くなると、金利が下がるから債券価格は上昇するね!
また、景気は株価にも影響します。
詳細は債券価格と株価の関係は?を確認してみてください。
格付け
- 格付けが高い債券は金利が低い
- 格付けが低い債券は金利が高い
格付けとは格付け会社などの専門機関によって、債券ごとに発行元の利払いや元本支払い能力などを評価し、レベル分けしたものです。
格付けが高い債券はそれだけ信用度が高い債券となります。
逆に、格付けが低い債券は信用度も低いため、投資してもらうために金利を高く設定しなければいけませんよね。
>>格付けとは?格付け会社や日本国債などの格付けを詳しく解説
債券の利率と利回りはどう違う?
利率と利回りって同じことじゃないの?
債券では「利率」や「利回り」といった言葉をよく耳にするものです。
混同されている方も多いですが、これらは違うことを意味しています。
- 利率:額面金額に対しての利息の割合
- 利回り:年間における実際の債券の収益性
以下ではそれぞれについて詳しく解説していきます。
債券における利率
「利率」とは、債券の額面金額に対して投資家が受け取る利息の割合のことを言います。
例えば、額面金額100万円の債券を購入した場合を見てみましょう。
この債券の利率が5%の場合、利息は次のようになります。
100万円×5%=5万円
投資家は、1年で5万円の利息を受け取れるのです。
利率のことは分かった!
債券における利回り
一方「利回り」は、実際の年間の収益性を示したものです。
額面金額100万円(利率5%)の債券を、5年後に105万円で売却した場合は次のとおりです。
- 1年間の利息 100万円×5%=5万円
- 5万円(利息)×5年間=25万円
- 105万円(売却価格)-100万円(購入価格)=5万円
よって、この債券での利益は 25万円+5万円=30万円となります。
このとき1年間あたりの利益は30万円÷5年間=6万円です。
そのため、1年間での実際の収益性は次のとおりです。
6万円÷100万円(額面金額)=6%
この債券の利回りは6%となるのです。
実際の利回りの計算では、税金なども考慮されるんだワン!
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債券価格と株価の関係は?
債券と株式にはどのような関係があるの?
債券市場と株式市場の性質は異なるので、一概に関係を説明することは難しいです。
しかし要因によっては、債券価格と株価が連動することもあるため、以下で事例を確認しましょう。
景気と債券価格の関係
債券価格と株価は一般的には反対に動くと言われています。
これは景気によって、下図のように債券価格や株価が変動するからです。
好景気では、個人の消費や企業の投資が活発になるため、金利上昇が起きて株価は上昇します。
好景気では資金需要が高まるから、金利が上昇するんだったね!
一方で金利と債券価格は反対に動くため、債券価格は下落します。
したがって、株式と債券価格は負の相関を持つと言われているのです。
株価が上がると、株式市場の方が債券市場に比べて魅力的になることも、債券価格の下落要因だワン!
しかし、上記で示した景気と債券価格の関係は一般的な理論であり、必ずしも同じような変動になるとは限りません。
物価と債券価格の関係
インフレ抑制やデフレ脱却のために金融政策が取られる場合には、下図のように変動することもあります。
インフレ抑制時には金融引き締めが行われ、金利上昇が起きます。
この時、金利が高いことで企業の借入れコストが上昇するため企業は投資の縮小を行い、株価は下落するのです。
先ほどの例とは株価の動きが反対になっているね!
また、金利と債券価格は反対に動くため債券価格は下落し、債券価格と株価は正の相関を持つのです。
まとめると、経済状態や相場などによりその関係は異なるため、債券価格と株価に絶対的な関係は存在しません。
債券価格と株価の関係は常に変わる、ということを覚えておきましょう。
臨機応変に、債券価格や株価の変動要因を探るのが重要だワン!
【2024年】米国債相場の見通し
2024年の米国債はどう動くのかな?
債券価格と株価の関係を理解した上で、米国債相場の見通しを確認していきます。
2024年は政策金利の利下げや大統領選、円高への転換など、様々なイベントが予想される注目の年です。
どれも国債価格に大きな影響を及ぼす可能性が高いものなので、それぞれチェックしましょう。
利回りの推移
インフレ抑制のため、2023年もFRB(連邦準備制度)は政策金利目標を上昇させました。
その影響で米国債価格は下落、利回りは高い水準を保っています。
名称 | 利回り |
---|---|
米国債2年 | 4.33% |
米国債10年 | 4.09% |
米国債30年 | 4.30% |
今後は米国政策金利の利下げが期待でき、国債価格の上昇によって、さらに高いリターンが得られるでしょう。
米10年国債利回りの推移
米10年国債利回りの推移は以下のようになっています。
現に、2023年10月ごろを境に米国債価格は上昇、利回りは下降トレンドになっています。
国債の途中売却を考える場合、現在の米国債は投資対象として魅力的であると言えるでしょう。
今後の見通し
FOMC(連邦公開市場委員会)の見通しでは、少なくとも2024年末には政策金利目標が0.75%ポイント下がり、これ以上の利上げはないと予想されていています。
これ以上金利は上がらないってこと?
そのため現状では、これ以上の金利上昇はないという見方が強いです。
とはいえ、利上げによるインフレ抑制の効果は現時点で十分に発揮されておらず、FOMCが目標とするインフレ率2%には到達していません。
直近の米CPI推移
以下は、直近の米CPIの推移です。
2023年12月の時点で、CPI(消費者物価指数)が3.4%上昇する結果になりました。
11月の3.1%と比べると、加速する形で進んでいるワン!
インフレ率自体は鈍化しているものの、現在の金利で目標数値を達成できるのか、見極めが難しいところです。
CPIによっては、金利が変わる可能性もあるんだね!
大統領選の影響はありそう?
2024年11月頃の大統領選の結果は、米国債価格に大きく影響します。
特に、当選有力候補のトランプ氏は利上げに対して否定的です。
彼が当選した場合、政策金利の引き下げも視野に入れておかなければいけません。
開票前のニュース報道でも値動きするから注意が必要ワン!
為替の影響は?
2024年はドル安円高になるとの見方が強くなっています。
日銀が利上げに踏み込めば、2024年末にはドル円が120円台になるとの予想もあります。
為替は日銀の動向も注意しないといけないね!
為替差損のリスクを回避するならば、円建て米国債を買うというのも、より安全性が高いといえます。
米国政策金利の利下げが保留され、利回りが現在の値付近で推移する場合、円高を見越して今年中は買わないという選択肢も視野に入るでしょう。
まとめ
結局どう取引するのがいいのかな?
時期は未だ不明確であるものの、年内にFRBの米国政策金利の利下げによって米国債価格は上昇すると考えられます。
CPIや為替レートの変化によっては投資の方針は変えていく必要がありますが、2024年1月時点では、今後の債券価格上昇を見込んだ米国債の購入はアリでしょう。
また、大統領選の結果によっては国債価格が大きく値動きする可能性もあるので、11月前後の値動きには特に注意が必要です。
場合によっては買わないという判断も必要だワン!
【まとめ】債券価格と金利の関係
債券と金利の関係についてよく分かったよ!
債券価格と金利の関係性について解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめると次のようになります。
- 市場金利が上がると債券価格は下がる
- 市場金利が下がると債券価格が上がる
- 債券価格と株価に絶対的な関係は存在しない
債券価格と金利は連動しており、反対に動きます。
また、株価との関係は常に変化しますので、相場によって柔軟に関係をつかむことが重要です。
筆者の総括
金利が上がると債券価格が下がるのは一見直観に反するように思われます。
しかし、今回説明したように既に発行された債券と新しく発行される債券の関係を考えれば納得がいくでしょう。
また、債券と株式の関係を捉えることは非常に難しいです。
どのような相場が来ても対処できるよう、まずは本記事のような基礎的な価格変動の原理を理解しておきましょう。
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