今回はIPO企業の中から、9月22日に東証スタンダード・名証メインに上場予定の笹徳印刷(3958)をご紹介します。(同日は「ファーストアカウンティング」が上場予定です)
笹徳印刷は、パッケージ・カタログ制作や販促全般等幅広く提案可能な総合印刷会社です。
想定時価総額は43.9億円で、パルプ・紙業のIPOとなっています。
笹徳印刷のIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 9月22日(金) |
いろはに投資独自の初値予想 | D(1.0倍未満) ※想定価格710円未満 |
企業Webサイト | https://www.sasatoku.co.jp/ |
取り扱い証券 | SMBC日興証券 、SBI証券、大和証券、岡三オンライン証券、 楽天証券 、 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 など |
IPO取り扱い数No.1のSBI証券が取り扱っているね!
笹徳印刷のIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 710円 |
仮条件 | 580円〜600円 |
ブックビルディング期間 | 9月6日(水)~9月12日(火) |
当選発表日 | 9月13日(水) |
公開価格 | 600円 |
申込期間 | 9月14日(木)~9月20日(水) |
上場日 | 9月22日(金) |
初値 | 680円 |
初値は680円となりました!
笹徳印刷のIPO初値予想
時価総額が43.9億円と小型案件ではありますが、公募比率が28.5%と低く初値は期待できそうにありません。
また、スタンダード市場への上場や直近のIPOも多いことも初値にとってマイナスの影響を及ぼします。
これらの点から、IPO評価: D(予想レンジ1.0倍未満=710円未満)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
笹徳印刷の主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
東海東京証券(主) | 86.96% | 1,753,900株 |
SMBC日興証券 | 3.04% | 61,400株 |
大和証券 | 3.04% | 61,400株 |
SBI証券 | 3.04% | 61,400株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 1.30% | 26,300株 |
岡三証券 | 0.87% | 17,500株 |
楽天証券 | 0.87% | 17,500株 |
安藤証券 | 0.87% | 17,500株 |
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
SBI証券 | 89 | 13 |
完全平等抽選: 60%
IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30%
取引状況等を踏まえて定めた配分: 10%
|
必要 |
楽天証券 | 65 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
SMBC日興証券 | 47 | 24 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
松井証券 | 55 | 0 | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 不要 |
岡三証券 | 38 | 0 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
マネックス証券 | 60 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
※取扱数、主幹事数は2022年のデータ
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!
証券会社を詳しく比較
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、筆頭株主王子マテリア株式会社は、笹徳印刷の主要仕入先です。
株主名 | 比率 |
---|---|
王子マテリア株式会社 | 28.02% |
すぐるラボ株式会社 | 12.41% |
国際紙パルプ商事株式会社 | 9.89% |
杉山 妙子 | 6.20% |
笹徳印刷グループ従業員持株会 | 5.38% |
杉山 昭作 | 3.88% |
DIC株式会社 | 3.76% |
杉山 卓繁 | 3.66% |
杉山 昌樹 | 3.51% |
有限会社聡明 | 3.15% |
創業家による保有が多くなっているね。
笹徳印刷の業績情報
決算期 | 2021年6月 | 2022年6月 | 2023年3月期(第3四半期) |
---|---|---|---|
売上高 | 11,852 | 12,373 | 9,984 |
成長率 | – | +4.4% | – |
経常利益 | 352 | 734 | 544 |
成長率 | – | +108.5% | – |
経常利益率 | 3.0% | 5.9% | 5.5% |
当期純利益 | 275 | 551 | 402 |
成長率 | – | +100.4% | – |
EPS | 55.14 | 110.32 | 80.65 |
BPS | 1,285.60 | 1,392.11 | – |
※2021年6月期から連結決算へ移行。
2022年6月期は、前期から大幅に増益増収となりました。
増収に大きく寄与したのは、パッケージ分野での売上が78億90百万円(前期比8.8%増)となったことです。
脱プラスチックとCO2削減をキーワードとする環境配慮型パッケージとして森林認証紙やバイオマスプラスチックを利用した高付加価値パッケージの提供に注力しました。
また、パッケージ分野に含まれる海外子会社については、中国事業は増収増益となりましたが、インドネシア事業は新型コロナウイルス感染の影響が収まらず減収減益となりました。
2023年6月期は第3四半期時点において、売上高99億84百万円、経常利益5億44百万円となっています。
情報媒体のデジタルシフトによる紙媒体の需要縮小が今後の業績に影響を及ぼしそうだね。
笹徳印刷の事業内容
同社グループは、お客さまの心からの満足、感動と信頼を第一に考え、お客さまと共に成長する企業であり続けるために「お客様の信頼第一」を基本理念の1番に掲げています。
同社グループは印刷事業の単一セグメントであり、その商品構成はパッケージ分野とコミュニケーション分野で区分されています。
パッケージ分野
- 紙器・軟包装などのパッケージ、店頭什器・販促物、段ボールなどの輸送包装箱
- 各種パッケージの企画開発、構造設計、パッケージングに係わるフルフィルメントサービス等
コミュニケーション分野
- 折込広告、パンフレット、ポスター、カレンダー、マニュアル、CSRレポートなどのプリントメディア及びプリントメディアに係わるフルフィルメントサービス等
- Webサイト規格の構築・製作・運用、展示会やイベントで使用する動画コンテンツやサイン、その他ロゴ、キャラクターCG製作、コンテンツマネジメントサービス
事業系統図
※同社の事業内容分析は近日中にアップデートいたします。
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近の7月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
Laboro.AI | 7/31 | S(1.7倍超) | 2.06倍 |
クオルテック | 7/28 | C(1.0~1.3倍) | 0.92倍 |
GENDA | 7/28 | A(1.5~1.7倍) | 0.92倍 |
テクニスコ | 7/26 | C(1.0~1.3倍) | 1.63倍 |
エコナビスタ | 7/26 | A(1.5~1.7倍) | 2.54倍 |
日経平均は下落傾向にあり、以前ほどの勢いはなくなっています。
ただ、公募割れする企業も少々ありますが、直近のIPOは以前通りの伸び方をしています。
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資におすすめのネット証券3選
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。