今回はIPO企業の中から、3月29日に東証スタンダードに上場予定の住信SBIネット銀行(7163)をご紹介します。(同日は「ノイルイミューン・バイオテック」、「AnyMind Group」が上場予定です)
住信SBIネット銀行は、2007年9月に商号変更・営業開始されたインターネットバンクサービスを提供している企業です。
想定時価総額は1900.0億円の超大型IPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
住信SBIネット銀行のIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 3月29日(水) |
いろはに投資独自の初値予想 | D(1倍未満) ※想定価格の1,260円未満 |
企業Webサイト | https://www.netbk.co.jp/contents/company/ |
取り扱い証券 | SBI証券、大和証券、SMBC日興証券、岡三オンライン証券、松井証券など |
IPO取り扱い数No.1のSBI証券が取り扱っているね!
IPO日程と価格
IPOの日程は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
ブックビルディング期間 | 3月14日(火)~3月17日(金) |
仮条件 | 1,200円~1,260円 |
当選発表日 | 3月20日(月) |
公開価格 | 1,200円 |
申込期間 | 3月22日(水)~3月27日(月) |
上場日 | 3月29日(水) |
初値 | 1,222円 |
公開価格が1,200円と、仮条件の下限価格で決まったよ…
住信SBIネット銀行のIPO初値予想
2度の上場中止を乗り越え、ネット銀行初のIPOということで注目されています。
しかし、時価総額、吸収金額が大きいことが初値上昇にマイナスとなっています。
また、公募株式が0株という点も懸念されます。
これらの点から、IPO評価: D(予想レンジ1.0倍未満=想定価格の1,260円未満)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
住信SBIネット銀行の主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
野村證券(共同主) | 44.70% | 15,988,000株 |
SBI証券(共同主) | 26.51% | 9,483,300株 |
ゴールドマン・サックス証券(共同主) | 0.13% | 45,900株 |
大和証券(共同主) | 26.51% | 9,483,300株 |
UBS証券(共同主) | 0.13% | 45,900株 |
SMBC日興証券 | 0.41% | 145,600株 |
シティグループ証券 | 0.03% | 11,500株 |
Bofa証券 | 0.03% | 11,500株 |
アイザワ証券 | 0.22% | 78,800株 |
岩井コスモ証券 | 0.22% | 78,800株 |
岡三証券 | 0.22% | 78,800株 |
極東証券 | 0.22% | 78,800株 |
東洋証券 | 0.22% | 78,800株 |
松井証券 | 0.22% | 78,800株 |
みずほ証券 | 0.22% | 78,800株 |
大株主情報
大株主は以下の2社のみとなっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
三井住友信託銀行 | 50% |
SBIホールディングス | 50% |
住信SBIネット銀行の業績情報
決算期 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 60,613 | 67,855 | 74,569 | 78,754 | 83,527 |
成長率 | – | +11.9% | +9.9% | +5.6% | +6.1% |
経常利益 | 15,383 | 17,944 | 18,738 | 20,726 | 23,265 |
成長率 | – | +16.6% | +4.4% | +10.6% | +12.3% |
経常利益率 | 25.4% | 26.4% | 25.1% | 26.3% | 27.9% |
当期純利益 | 10,436 | 12,108 | 12,477 | 13,928 | 17,113 |
成長率 | – | +16.0% | +3.0% | +11.6% | +22.9% |
EPS | 69.21 | 80.29 | 82.74 | 92.36 | 113.49 |
BPS | 615.45 | 709.17 | 787.81 | 886.36 | 963.98 |
※2021年3月期から連結決算へ移行。
※2022年1月1日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実施。
売上高(経常収益)は順調な右肩上がりで、2022年3月期通期連結決算では800億円に届きました。
コロナ禍におけるキャッシュレス化・デジタル化加速の流れにのり、サービス利用者を増やしています。
また、楽天証券の相次ぐ改悪により、同社と連携が可能なSBI証券への乗り換えが相次いでいることから、同社口座への流入もさらに期待できるでしょう。
利益率も25~27%と安定しているね!
EPS・BPSも5年連続で上昇しており、業績は順調です。
銀行業銘柄の特徴でもある配当は未定であり、投資キャッシュフローも2021年度よりマイナスに転じていることから、DX変革に資金を投じていることが伺えます。
2023年3月期の業績予想では、経常利益が前年同期比24.6%増の290億円、当期純利益は13.4%増の194億円となっているワン!
住信SBIネット銀行の事業内容
同社は、「どこまでも使いやすく、魅力のある商品・サービスを24時間・365日提供するインターネットバンキング」をコンセプトに、先進テクノロジーを用いて金融サービスを提供しています。
同社の展開する事業としては、デジタルバンク事業とBaaS事業があります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
デジタルバンク事業
デジタルバンク事業では、モバイルアプリやインターネットを通じて個人・法人顧客にフルバンキングサービスを提供しています。
目的別口座を作れたり、ATM手数料が回数制限付きで無料になったりするのがいいよね!
主に利用できるサービスとして、以下が挙げられます。
- 円貨預金
- 外貨預金
- 住宅ローン
- スマート認証NEO(生体認証)
- アプリでATMが使える
- AI審査サービス
それぞれのサービスにおいて利用者を堅実に増やしており、事業の成長性が伺えます。
特に、住宅ローンビジネスにおいてはAI審査モデル等を用いてコスト削減、顧客利便性向上、低金利を実現しており、規模と収益性の向上にも期待がかかります。
また同社は、子会社のリソースや技術力を組み合わせることでシナジーを生み出すことを目指しています。
例えば、株式会社優良住宅ローンと一体経営を進めることで、便利で付加価値の高い住宅ローンを顧客に提供することができます。
BaaS事業
BaaSってなんだろう?
BaaSとは、「Banking as a Service」の頭文字をとった言葉で、銀行以外の事業者が自社のアプリサービスに金融機能を組み込んで利用者に提供することだワン!
BaaS事業では、銀行の持つサービス機能の中からパートナー企業の課題解決に必要なものを、Fintechを活用してスムーズに提供しています。
特に、顧客・提携先・同社のそれぞれがWin・Win・Winの関係となるビジネスモデル構築に力を入れています。
Win・Win・Winの関係とは?
- 顧客 :提携パートナー企業のポイント獲得
- 提携先 :決済コストの削減やキャッシュフローの改善
- 同社 :アカウント手数料によるサブスクリプション型収益、取引による収益
加えて、様々な業界業種と戦略的パートナーシップ締結を行い、より多くの個人顧客に最先端のテクノロジーを活用した金融サービスを届けることを目指しています。
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近の12月~2月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
プライム・ストラテジー | 2/22 | B(1.3~1.5倍) | 2.25倍 |
テクノロジーズ | 1/26 | A(1.5~1.7倍) | 3.65倍 |
スマサポ | 12/29 | A(1.5~1.7倍) | 2.81倍 |
BTM | 12/27 | B(1.3~1.5倍) | 1.41倍 |
アルファパーチェス | 12/26 | D(1倍未満) | 0.98倍 |
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資におすすめのネット証券3選
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。