今回はIPO企業の中から、3月27日に東証グロースに上場予定のカバー(5253)をご紹介します。
カバーは、キャラクターIPの開発やVTuberプロダクションを運営する企業です。
想定時価総額は433.9億円で、情報・通信業のIPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
カバーのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 3月27日(月) |
いろはに投資独自の初値予想 | S(1.7倍超) ※想定価格の1.7倍の1,207円超 |
企業Webサイト | https://cover-corp.com/ |
取り扱い証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 、SBI証券、大和証券、 マネックス証券 、 楽天証券 など |
IPO日程と価格
IPOの日程は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
ブックビルディング期間 | 3月8日(水)~3月14日(火) |
仮条件 | 710円〜750円 |
当選発表日 | 3月15日(水) |
公開価格 | 750円 |
申込期間 | 3月16日(木)~3月22日(水) |
上場日 | 3月27日(月) |
初値 | 1,750円 |
初値騰落率は133.3%=公開価格の2.33倍は今年4番目の上昇率!
カバーのIPO初値予想
情報・通信業の中でも時代に沿った事業を展開しているIPOで、業績も非常に良好です。
似た事業を行っているANYCOLOR(5032)上場時には初値が公開価格の3.14倍となり、上場後も著しく株価が上昇しました。
カバーも同じく初値の上昇が期待できますが、ANYCOLORとの違いは次のようになっています。
カバー | ANYCOLOR | |
---|---|---|
価格 | 710円(想定価格) | 1,530円(公開価格) |
上場時想定時価総額 | 433億円 | 458億円 |
吸収金額 | 101.4億円 | 27.5億円 |
オファリング・レシオ | 20.8% | 4.5% |
VC比率 | 36.8% | 約20% |
ロックアップ | 180日間(1.5倍で解除) | 180日間 |
経常利益率 | 13.6% | 29.1% |
カバーの場合はオファリングレシオが高く、吸収金額も多いことが懸念点です。
VCの割合も大きく、ロックアップも1.5倍で外れてしまうことは初値上昇にはマイナスでしょう。
供給が絞られているとはいえ、グローバルオファリングもあり、初値はそれなりに上昇すると予想しています。
これらの点から、IPO評価: S(予想レンジ1.7倍超=1,207円超)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
グローバルオファリングとは?
株式や債券等の有価証券を複数の市場で同時に募集、売出しをすることで資金調達をすることです。発行会社が日系企業の場合では、日本国内と同時に国外、主にユーロや米国市場において行われる募集、売出しを指します。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
カバーの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
みずほ証券 | 94.86% | 765,000株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 4.83% | 690,000株 |
SBI証券 | 0.10% | 15,000株 |
大和証券 | 0.05% | 7,500株 |
野村證券 | 0.05% | 7,500株 |
マネックス証券 | 0.05% | 7,500株 |
楽天証券 | 0.05% | 7,500株 |
大株主情報
大株主は以下の通りで、代表取締役社長の谷郷氏が35%弱を保有する筆頭株主となります。
株主名 | 比率 |
---|---|
谷郷 元昭 | 34.76% |
AT-Ⅱ投資事業有限責任組合 | 15.76% |
若山 理子 | 9.10% |
バレー株式会社 | 5.03% |
福田 一行 | 4.57% |
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 | 3.25% |
i-nest1号投資事業有限責任組合 | 3.10% |
HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND投資事業有限責任組合 | 3.10% |
千葉道場2号投資事業有限責任組合 | 2.48% |
OLM1号投資事業有限責任組合 | 2.34% |
カバーの業績情報
決算期 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 3 | 136 | 1,479 | 5,724 | 13,663 |
成長率 | – | +3,596.0% | +980.7% | +287.1% | +138.7% |
経常利益 | -20 | -62 | 243 | 1,705 | 1,853 |
成長率 | – | – | – | +600.9% | +8.7% |
経常利益率 | – | – | 16.5% | 29.8% | 13.6% |
当期純利益 | -20 | -62 | 176 | 1,220 | 1,244 |
成長率 | – | – | – | +593.1% | +1.9% |
EPS | -0.59 | -1.39 | 3.76 | 20.47 | 20.87 |
BPS | 0.38 | -1.07 | 2.63 | 38.63 | 74.31 |
ホロライブプロダクションのチャンネル登録者数は7,200万以上となっており、VTuberあたりの年間収益も右肩上がりで増加傾向です。
2023年3月期の業績予想では、売上高は前年同期比32.1%の180億円となる見込みです。
2021年より利益は少しずつ成長しており、純資産は逆に急速に拡大しています。
2023年3月期の業績予想では、営業利益が前年同期比16.9%増の21億円で、EPSは23.93円となる見込みです。
想定価格(710円)から算出したPERは29.6倍で、自己資本比率は第3四半期時点で40%となっているワン!
同社は今後の成長戦略として、次の3つを掲げています。
- IPライセンスアウトの強化
プロダクションの企画力と付加価値の高いIPを背景に、ライセンスアウトなどによる多面的なコマース展開を強化 - 海外展開の加速
コマース展開の本格化を含め、積極的な海外展開 - メタバース
3D空間でVTuberやそのファン同士が交流できるメタバースサービス「ホロアース」の開発
すでにシンガポールやオーストラリアでは、イベント開催とかを通じてカルチャーが浸透・現地コミュニティが形成されつつあるんだって!
次に、同社の事業内容や直近の業績推移を確認していきましょう。
カバーの事業内容
カバーは、「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を経営理念に、包括的なVtuber事業を展開しています。
VTuberとは、モーション・キャプチャー技術とアニメルック・アバターを使ってYouTubeなどの動画配信プラットフォームを中心に活動するバーチャル・エンターテイナーのことだワン!
同社の事業構造はとても多面的であり、二次元エンタメを加速させることが可能になっています。
- バーチャルプラットフォーム
- VTuberプロダクション
- メディアミックス
それぞれ見ていきましょう。
バーチャルプラットフォーム
同事業では、配信アプリやキャラクターモデル制作など、バーチャル経済圏のインフラとなるプラットフォームを自社開発しています。
所属VTuberのIP権利は同社に帰属しており、IPに基づいて多様なコマース展開を可能にしています。
Vtuberプロダクション
同事業では、YouTubeを中心として世界中に数多くのファンを有するVTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営しています。
日々のライブ配信を通じてファンとコミュニケーションを深め、ファンからも日常的に関連コンテンツが発信されることによって、高頻度かつ双方向のコミュニケーションが可能となっています。
それにより、生み出された膨大なコンテンツとエンゲージメントの高いファンコミュニティは同社の強みと言えるでしょう。
グループIPや統一感のあるキャラクター・コンセプト、世界観を前提としたユニットIPのプロデュースを行うことで幅広い顧客層へリーチできるワン!
VTuber業界のグローバルトップ10をほぼ独占しているんだね⁉
メディアミックス
同事業では、それぞれのチャネルに合わせたコンテンツを企画・開発することで、同社IPの認知度拡大を推進しています。
業界トップクラスのブランド力を誇る「ホロライブプロダクション」は、クオリティの高い人材を引き付けてきました。
それがデビュー時からの大規模な集客を可能にして、魅力的なIPを継続的に生み出してきたんだワン!
収益機会もたくさんあるし、漫画やアニメ、ゲーム、音楽とかの色んなメディアで展開できるから、さらなるブランド認知が期待できるね!
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近の12月~2月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
プライム・ストラテジー | 2/22 | B(1.3~1.5倍) | 2.25倍 |
テクノロジーズ | 1/26 | A(1.5~1.7倍) | 3.65倍 |
スマサポ | 12/29 | A(1.5~1.7倍) | 2.81倍 |
BTM | 12/27 | B(1.3~1.5倍) | 1.41倍 |
アルファパーチェス | 12/26 | D(1倍未満) | 0.98倍 |
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資におすすめのネット証券3選
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公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
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主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。