今回はIPO企業の中から、7月24日に東証グロースに上場予定のトライト(9164)をご紹介します。
トライトは、人材サービスやデジタルソリューションサービスを中心とした事業を運営する企業です。
想定時価総額は1,620.0億円で、サービス業のIPOとなっています。
トライトのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 7月24日(月) |
いろはに投資独自の初値予想 | D(1.0倍未満) ※想定価格の1,620円未満 |
企業Webサイト | https://tryt-group.co.jp/ |
取り扱い証券 | SMBC日興証券(共主)、UBS証券(共主)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共主)、Bofa証券(共主)など |
共同主幹事が4社もいるんだね⁉
トライトのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 1,620円 |
仮条件 | 1,100円〜1,300円 |
ブックビルディング期間 | 7月6日(木)~7月11日(火) |
当選発表日 | 7月12日(水) |
公開価格 | 1,200円 |
申込期間 | 7月13日(木)~7月20日(木) |
上場日 | 7月24日(月) |
初値 | 1,133円 |
初値は公開価格を下回ってしまったね。
トライトのIPO初値予想
想定時価総額が大きく、需給はマイナスに働くでしょう。
IPOラッシュの終盤ということで、投資家の資金枯れも心配なところです。
また、オファリングレシオが高く株式が市場で十分に消化できるかも懸念点といえます。
これらの点から、IPO評価: D( 予想レンジ 1.0倍未満 =1,620円未満 ) と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
トライトの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 (共主) | 32.05% | 7,371,200株 |
UBS証券(共主) | 2.56% | 588,200株 |
SMBC日興証券 (共主) | 60.52% | 13,918,600株 |
Bofa証券 (共主) | 2.93% | 673,200株 |
マネックス証券 | 0.65% | 149,600株 |
楽天証券 | 0.65% | 149,600株 |
SBI証券 | 0.65% | 149,600株 |
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当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
SBI証券 | 89 | 13 |
完全平等抽選: 60%
IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30%
取引状況等を踏まえて定めた配分: 10%
|
必要 |
楽天証券 | 65 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
SMBC日興証券 | 47 | 24 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
松井証券 | 55 | 0 | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 不要 |
岡三証券 | 38 | 0 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
マネックス証券 | 60 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
※取扱数、主幹事数は2022年のデータ
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!
証券会社を詳しく比較
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、筆頭株主の LIFE SCIENCE & DIGITAL HEALTH CO. LIMITED が親会社となっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
LIFE SCIENCE & DIGITAL HEALTH CO. LIMITED | 97.13% |
コタエル信託株式会社 | 2.87% |
第1位のLIFE SCIENCE & DIGITAL HEALTH CO. LIMITEDは2024年の1月19日までロックアップ期間中だよ!
トライトの業績情報
決算期 | 2019年12月 | 2020年12月 | 2021年12月 | 2022年12月 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 27,943 | 33,015 | 36,735 | 44,195 |
成長率 | ー | +18.2% | +11.3% | +20.3% |
調整後営業利益 | 5,522 | 5,906 | 6,734 | 6,731 |
成長率 | ー | +7.0% | +14.0% | -0.0% |
調整後営業利益率 | 19.8% | 17.9% | 18.3% | 15.2% |
当期純利益 | 3,872 | 4,482 | 4,818 | 4,451 |
成長率 | ー | +15.8% | +7.5% | -7.6% |
EPS | 38.7 | 44.8 | 48.2 | 44.5 |
※1 2021年12月1日に旧トライトを吸収合併。2021年12月期から連結決算へ移行。
※2 2021年12月期は、2021年1月~11月の旧トライトの業績と現トライトの12月の業績を単純合算。
※3 調整後営業利益=営業利益+M&A関連費用+リファイナンス関連費用(金融費用以外)+IPO関連費用
2019年12月期から売上高の年間成長率が右肩上がりとなっており、利益率も横ばいに推移しています。
安定的な成長の裏には吸収合併による事業の強化が考えられます。
しかしながら、直近の2022年は減益となり、それに伴い調整後営業利益率も3.1ポイント低下しています。
これは、求職者の登録を促進するデジタルマーケティングの強化を行ったほか、4県へ営業拠点を新設したことにより費用が増加したことが主な原因だと考えられます。
なお、現在も営業拠点を増やしており、2023年5月時点では28都道府県に営業拠点を有しています。
将来への投資にお金を使ったんだね!
2023年6月20日に公開された今期の業績予想は、売上高が52,767百万円(+19.4%)、当期純利益が4,309百万円(+18.5%)となっており、堅調に推移する予定です。
新型コロナウイルス感染症の影響回復による傾向から介護・サービス業の有効求人倍率が増加しており、さらなる今後の成長が期待されます。
介護サービス職の有効求人倍率は3.44 倍で、全体の1.22倍を大きく上回っているよ
トライトの事業内容
トライトの事業内容は人材サービスやデジタルソリューションサービスを中心とした事業を行うグループ会社の経営管理およびそれに関連する業務です。
ビジネスモデル
- 豊富な医療福祉人材、法人及び施設のデータベースを保有
- 豊富なデータベースを活用し、医療福祉従事者の転職支援を行うことで、契約施設から手数料を受領
- 医療福祉業務未経験者に医療福祉業界へのエントリーポイントを提供し、医療福祉従事者不足という構造的な社会問題の解決に寄与
※同社の事業内容分析は近日中にアップデートいたします。
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近の6月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
リアルゲイト | 6/22 | C(1.0~1.3倍) | 2.12倍 |
オービーシステム | 6/21 | C(1.0~1.3倍) | 1.76倍 |
シーユーシー | 6/21 | C(1.0~1.3倍) | 2.30倍 |
Globee | 6/14 | C(1.0~1.3倍) | 2.32倍 |
ABEJA | 6/13 | A(1.5~1.7倍) | 3.21倍 |
米国の金融不安などがありますが、日経平均はバブル後の最高値を更新するなど好調なこともあって直近のIPOは堅調に推移しています。
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資におすすめのネット証券3選
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。