今回はIPO企業の中から、 7月7日に東証グロースに上場したグリッド(5582) をご紹介します。
グリッドは、人工知能を用いた計画最適化システムの開発・販売・保守・運用サポートをする企業です 。
想定時価総額は80.8億円で、情報・通信業(業種)のIPOとなっています。
グリッドのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 7月7日(金) |
いろはに投資独自の初値予想 | A(1.5倍以上1.7倍未満) ※想定価格1,790円から、2,685円~3,043円 |
企業Webサイト | https://gridpredict.jp/ |
取り扱い証券 | 野村證券(主幹事)、SMBC日興証券、SBI証券、丸三証券など |
IPO取り扱い数No.1のSBI証券が取り扱っているね!
グリッドのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 1,790円 |
仮条件 | 2,000円~2,140円 |
ブックビルディング期間 | 6月21日(水)~6月27日(火) |
当選発表日 | 6月28日(水) |
公開価格 | 2,140円 |
申込期間 | 6月29日(木)~7月4日(火) |
上場日 | 7月7日(金) |
初値 | 6,400円 |
初値は公開価格の約3倍!最近のIPOは高値が付くね!!
グリッドのIPO初値予想
VC比率が0%で公募比率が高いため、過去のデータから初値が上昇しやすい傾向にあります。
また、既存株主に解除条項のない90日間のロックアップ(持ち株の売却禁止)が定められているため、下げ圧力も小さいと思われます。
事業転換後の業績も好調で、将来性にも期待できます。
一方、オファリングレシオが高めであることが初値にマイナスの影響を及ぼすと考えられます。
また、IPOラッシュの終盤という事で、投資家の資金枯れも心配なところです。
これらの点から、IPO評価: A(予想レンジ1.5倍~1.7倍=2,685円~3,043円)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
グリッドの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
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大株主情報
大株主の状況は以下の通りです。
筆頭株主の株式会社Weはグリッドの親会社となっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
株式会社We | 68.04% |
寺島 敬臣 | 14.10% |
三井物産株式会社 | 13.04% |
丸紅株式会社 | 2.41% |
伊藤忠商事株式会社 | 2.41% |
ベンチャーキャピタル(VC)がいないのは良いね!
グリッドの業績情報
決算期 | 2018年6月 | 2019年6月 | 2020年6月 | 2021年6月 | 2022年6月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 1,719 | 1,345 | 692 | 706 | 910 |
成長率 | ー | -21.8% | -48.6% | +2.0% | +28.9% |
経常利益 | 149 | -45 | -626 | -198 | 67 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
経常利益率 | 8.7% | 0% | 0% | 0% | 7.4% |
当期純利益 | 105 | -49 | -676 | -210 | 91 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
EPS | 31.3 | -14.9 | -192.9 | -58.0 | 25.3 |
BPS | 123.5 | 100.3 | -112.2 | -178.3 | -149.5 |
2023年4月15日付で普通株式1株につき3,000株の株式分割をしており、EPS/BPSは分割後の単位で算出。
2019年6月期以降、売上や利益が大きく下がっているね。何でだろう?
理由として、事業転換をしたために売上高や利益が大きく減少したと考えられます。
同社の沿革を見ると、2017年1月にエネルギーソリューション事業の縮小を開始し、2020年11月には同事業からの撤退を果たしています。
つまり将来性を考えて既存事業から撤退していったため、徐々に売上高が減少したのです。
さらに目論見書には、以下のような記載があります。
第10期、第11期及び第12期は、エネルギーソリューション事業からAI開発事業へ事業転換するために収益を上回る規模で人件費等に対する先行投資を行ったため、経常損失及び当期純損失となりました。
※第10期:2019年6月期 第11期:2020年6月期 第12期:2021年6月期
目論見書 より
このことから、新たな事業に先行投資をしたため、利益が赤字となっていたことが分かります。
事業転換後は回復基調にあることから、今後に注目だワン!
業績の回復とともに、EPSも回復しています。
BPSの低さが気になりますが、今後業績を伸ばし利益を蓄積していけば回復すると思われます。
2023年6月2日に発表された業績予想を見ると、売上高が前期比+48.3%、当期純利益が+106.6%となっています。
同社は2009年創業ではありますが、先ほど述べたように最近事業転換を行ったばかりであり、実質的には新しい企業です。
そのため、今後もさらなる業績拡大が期待されます。
経常利益は前期と比べて、2.5倍にもなる予定なんだね!
グリッドの事業内容
グリッドは、AI技術を用いて短時間で最適な計画を提供する計画最適化事業を展開しています。
事業としては、AI開発事業を単独で行っています。
AI開発事業では、主に3つの分野に集中して展開しています。
電力・エネルギー
- 電力需給計画
- プラント制御
- 分散電源制御
物流・サプライチェーン
- 配船計画
- 生産計画
- 輸送計画
都市交通・スマートシティ
- 都市計画
- 渋滞予測
- 空調熱源制御
同社が行う計画最適化は、化石燃料の消費削減にもつながるんだワン!
※同社の事業内容分析は近日中にアップデートいたします。
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近のIPO企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
Globee | 6/14 | C(1.0~1.3倍) | 2.32倍 |
ABEJA | 6/13 | A(1.5~1.7倍) | 3.21倍 |
Ridge-i | 4/26 | B(1.3~1.5倍) | 2.54倍 |
レオス・キャピタルワークス | 4/25 | B(1.3~1.5倍) | 1.33倍 |
楽天銀行 | 4/21 | C(1.0~1.3倍) | 1.33倍 |
6月は日経平均株価が33,000円を超えるなど市場全体が好調であり、直近のIPO以上の株価上昇が期待できそうです。
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
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