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プライム・ストラテジー(5250)【IPOインタビュー・IPO上場企業紹介・初値予想】

松井証券 IPOバナー

今回は「IPO企業」の中から 2月22日に東証スタンダードに上場予定のプライム・ストラテジー(5250)をご紹介します。

プライム・ストラテジー は、CMS(Contents Management System)の運用における課題解決のためのサービスの提供を行っている企業です。

想定時価総額は40.4億円で、東証スタンダードに上場します。

SBI証券が主幹事を務める中型のIPO案件となっています。

企業からのメッセージ

2月13日(月)、プライム・ストラテジー株式会社の渡部 取締役に、インタビューを実施しました。

インタビューでは同社の強みや成長戦略、個人投資家へのメッセージなどを伺いました。

創業の経緯

代表の中村は、野村證券やTAC株式会社を経て、中村けん牛会計士補事務所を設立しました。

いわゆるITコンサルティング業務を行っており、プログラミングの経験も豊富でWeb業界にも精通していたという経緯があります。

Webサイトの運用コンサルも行っていたことなどから、2002年12月にプライム・ストラテジー株式会社を設立しました。

市場環境

当社は、国内クラウド市場国内パブリッククラウドサービス市場で事業を展開しています。

国内クラウド市場は21.1%の年間平均成長率、国内パブリッククラウドサービス市場は18.8%で成長していくと予測されています。

当社としては、市場の中でパイを取り合うというよりも、市場成長と同じ方向で事業を成長させていきたいと思っています。

提供商品・サービスの付加価値

まず、当社の提供する商品「KUSANAGI」には3つのメリットがございます。

  • 高速実行環境によりアクセス集中時でも安定してサイト運用できる
  • 使用サーバースペック・台数の削減によりコストカットが可能
  • セキュリティ対策がほぼ全て標準実装されており、安心できる運用が可能

例えば、「大学の合格発表時における同時アクセス」といった一時的に高い負荷がサーバーにかかるような場合でも、高速かつ安全に動作が可能です。

また、KUSANAGIを導入いただければサーバー台数を削減できることもあるので、導入企業様はコストカットも可能です。

当社サービスである「WEXAL」や「Onimaru David」と併用いただくことで、ページを表示するすべての過程を高速化することもできます。

「WEXEL」では特許を出願中で、それに値する技術力を有しているという証明になるね!

競争優位性

「KUSANAGI」はオープンソースで無料版を提供しており、キャッシュを使わない場合でも1秒当たりの処理可能リクエスト数が20倍も高速になります。

キャッシュを使用いただいた場合は、一般的な環境の約2,330倍もの高速化が可能です。
※参考:https://kusanagi.tokyo/about/

これは、当社がオペレーティングシステムだけではなくアプリやプログラム、サービスといった各種領域に対しての高い開発力を有しているためです。

これらを高いレベルで統合して高速化できるため、類似商品が他社にないのも特徴だワン!

仮に類似商品が出てきたとしても、当社は質の高い無料版を提供しており多くの方々にご利用いただいているため、先行者メリットがあると言えます。

特に、「KUSANAGI」は特定のクラウドに依存しないため、どこのクラウドでも利用可能です。

類似商品にかなりのインセンティブがない限りは「KUSANAGI」が選ばれることになるから、これは参入障壁といえるよね!

また、KUSANAGIマネージドサービスでは、サーバやミドルウェアからアプリケーションまで一括のサポートをさせていただいております。

こちらでは、WordPressをはじめCMSの運用に高い知見があるからこそ、ワンストップで質の高いソリューションが提供できます。

広告を掲載しているサイトでは、高速化によって収益向上も見込めるようになるんだよ!

業績について

当社の売上高において、CMSプラットフォーム統合サービス(KUSANAGIマネージドサービス)の寄与率が72%で、その他がライセンス販売となっています。

CMSプラットフォームでは、バラバラのCMSが立ち上がっている状態から運用プラットフォームを統合し、共通の運用ルールのもとで高速・安全に運用することができます。

足元で、多くの大手企業様からの引き合いが高まっていることが、2022年11月期の好業績の一因だと考えています。

売上高は前年同期比37.7%、営業利益は前年同期比101.1%の成長率となっているワン!(決算資料よりいろはに投資編集部が算出)

また、KUSANAGIライセンス契約による知的財産の提供は、当社側の手間がほとんどなく、利益率が高いという特徴もあります。

だから、営業利益率が38.5%と高い水準になっているんだね!

成長戦略

「KUSANAGI」は、28のクラウド・プラットフォーム、34ヵ国で利用可能です(2023年2月現在)。

これまでは広告宣伝費はあまりかけておらず、オープンソースのため口コミ・評価でプロダクトの認知度を広げていくというマーケティングを行ってきました。

今後はライセンス契約による知的財産の提供を国内だけでなく、海外に展開していくことで高い成長を見込んでいます。

また、CMSプラットフォーム統合サービスを安定的に成長させていくことに加え、新規事業など新しい収益の柱を創っていきます。

株主還元

短期的に配当は考えておりません。

当社の特徴は、高い利益率から新しいプロダクトを開発するというサイクルを回していくことです。

長期的な観点では配当の可能性はありますが、足元では先端技術の開発などに力をいれていきます。

投資家へのメッセージ

当社は、トップラインの伸びに注力するグロース市場や、世界の投資家向けのプライム市場ではなく、スタンダード市場へ上場いたします。

スタンダード市場は、一定の売上や利益を確保しながらしっかりとコーポレートガバナンスも整備し、各企業の特徴を評価していただく市場だと認識しています。

そこで当社は知的資本の優位性をさらに向上させ、スタンダード市場の新潮流を創って参ります。

上場企業の中でもトップレベルの利益率を維持して新しいプロダクトを創っていきますので、投資家の皆様には長期的に保有していただいて、成長を見守っていただければと考えております。

IPO概要・初値予想

IPO概要・初値予想

まず、プライム・ストラテジーの初値予想、およびIPO概要について以下の4つを解説していきます。

同社を購入検討している方は、ご確認ください。

IPO評価・初値予想

プライム・ストラテジーの評価

ここ数年は売上高が横ばいである一方で、当期純利益は着実に成長しています

想定時価総額と吸収金額が低い点はプラスです。

また、同社は情報・通信セクターに属しており、IPOのテーマとしては人気が出やすくなっています

一方で、オファリングレシオの高さや売上高の停滞など、懸念点もあります。

これらの点から、IPO評価: B(予想レンジ1.3倍~1.5倍と判断しました。

※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。

初値予想アンケート

想定価格:1,220円

The poll has expired!

詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
  • 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
  • オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
  • 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
  • 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
  • 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
  • VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
  • 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
  • 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
  • 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。

初値予想の方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事をご覧ください。

取り扱い証券

同社のIPO株を取り扱う証券会社は以下の通りです。

証券会社名割当率割当株数
SBI証券(主)86.98%967,500株
野村證券 5.21%58,000株
みずほ証券 3.04%33,800株
大和証券 3.04%33,800株
岩井コスモ証券 0.86%9,600株
松井証券 0.43%4,800株
あかつき証券 0.43% 4,800株

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取り扱い銘柄数No.1(22年3月期)のSBI証券がおすすめ。

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日程・価格

IPOの日程は以下のようになっています。

ブック・ビルディング期間2月6日(月)~2月10日(金)
当選発表日2月13日(月)
申込期間2月14日(火)~2月17日(金)
上場日2月22日(水)

続いて、価格は以下のようになります。

仮条件1,250円~1,390円
公開価格1,390円
初値3,130円

IPOスケジュール・初値騰落率

  • IPOスケジュール:IPO企業のブックビルディング期間や申込期間、上場予定日の一覧を見れます。
  • IPO初値・騰落率結果:IPO企業の初値予想一覧やその結果、初値から1週間後の騰落率の一覧を見れます。

大株主

株主の状況は以下のようになっています。

株主名比率
中村 けん牛56.73%
中村 八千代23.64%
株式会社エアトリ3.71%
大島 義裕1.93%
渡部 直樹1.82%
中村 順子1.50%
株式会社イントラスト1.19%
フィンテック グローバル株式会社1.19%
相原 知栄子1.03%
萩原 崇1.00%
上位10名を記載

企業概要

IPO_企業概要

事業内容

プライム・ストラテジーはCMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)やWebシステムの運用における課題解決を支援するサービスを提供しています

CMSとは

Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システムの略で、Webサイトの管理システムのことです。

代表的なのが、多くのwebサイトで使われている「WordPress」です。

CMSを使えばテキストや画像、テンプレートを一元的に管理することができるため、Webサイトについて詳しくない人でもwebサイトを簡単に作ることができます。

CMSの中でもWordPressが圧倒的なシェアを占めているんだね!

同社の事業は「KUSANAGI Stack事業」のみの単一セグメントで、「KUSANAGIマネージドサービス」「クラウドインテグレーションサービス」「ライセンス販売」の3つのサービスを提供しています。

  • KUSANAGIマネージドサービス
  • クラウドインテグレーションサービス
  • ライセンス販売

KUSANAGIマネージドサービス

同社の主力製品「KUSANAGI」を通じて、法人顧客のWebサイトの保守・運用をサブスクリプション型の月額課金にて行う同社の主力サービスです。

KUSANAGIを通じて監視、障害対応、ソフトウェアのアップデート、バックアップの取得、システムパフォーマンスの改善提案やWordPress関連の技術サポートの提供などのフルマネージドサービスをワンストップで提供しています。

「KUSANAGI」って何?

「KUSANAGI」はWordPress等のCMSやWebシステムを高速かつ安全に動作させるための実行環境(プログラムやアプリケーションを実行できる環境のこと)であり、プライム・ストラテジー社の主力製品です。

KUSANAGIを使うことによって、Webサイトの高速化が可能になり、ページ閲覧者には素早いページの表示や、「KUSANAGI」を利用しているユーザーにおいてはアクセス集中したりサーバ負荷が高い時でも安定的にサイトの運営ができるというメリットがあります。

ページが速く見れるようになるのはいいね!

料金体系は月間PV数に対応しており、2022年10月時点の顧客者数は110社、顧客単価はひと月で45万3千円となっています。

クラウドインテグレーションサービス

クラウド上でWebサイトを導入したり、運用するときのシステムインテグレーション(システムの設計、開発、導入、保守、運用などを一貫して請け負うサービスのこと)を行っています。

具体的には Webサイトを「KUSANAGI」を利用して構築する際や既存のWebサイトをクラウドに移行する際のクラウド基盤の構築、 「KUSANAGI」の初期設定や追加開発などのサービスを提供しています。

ライセンス販売

同社の「KUSANAGI」、「Business Edition」、「Premium Edition」の3つのライセンスを販売する事業です。

それぞれをアマゾンウェブサービスやアジュールといったクラウド事業者を通じてエンドユーザーに販売します。

「KUSANAGI Stack」の事業内容は上の図の通りです。

「KUSANAGI」を中心に事業展開をしていることが良くわかるね!

決算情報

続いて同社の決算情報を見てみましょう。

プライムストラテジー決算
目論見書より

直近5年間の売上高CAGRが9%と、売上高の成長が伸び悩んでいることが懸念点です。

一方で、同社の主力製品「KUSANAGI」はサブスクリプションであり、収益が安定しているという点が強みと言えるでしょう。

IDCJapanの調査によれば、国内クラウド市場の2021年~2026年の年間平均成長率は21.1%で推移すると予想されています。

市場の成長余地は十分にあるため、今後同社がどれだけ競争力をもってシェアを拡大できるかに注目されます。

現時点では「KUSANAGI」に対抗できるサービスが登場していない点(目論見書より)は有利です。

営業キャッシュフローの拡大に伴い、当期純利益は増加傾向にあります。

それに伴って、株価の裏付けとなる1株当たりの純資産額は増加しています。

同社は収益構造が安定しているため、将来の安定的な配当にも期待できます。

株価の算定に使われる主要指標については以下の通りです。

項目予想数値
調整後EPS28.8円
調整後BPS493.6円
調整後PER42.3倍
調整後PBR2.5倍
各数値は、最新の決算数値をもとに、想定発行価格を1,220円とし、
IPOによる新規発行株式数と調達資金の手取概算額を考慮して計算しています。

経営陣

同社の役員は10名(うち女性2名)おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。

代表取締役 中村 けん牛

1993年4月 野村證券株式会社入社
1994年1月 TAC株式会社入社
1997年9月 有限会社モータースパル コーポレーション 取締役就任
1998年10月 中村けん牛会計士補事務所設立、所長就任
2002年12月 当社設立、代表取締役就任(現任)
2005年3月 PT. Prime Strategy Indonesia設立 代表取締役就任(2006年9月会社清算結了)
2014年5月 PT. Prima Softindo(現 PT.Prime Strategy Indonesia) 監査役就任
2015年9月 Prime Strategy Singapore Pte,Ltd.設立 Director就任(現任)
       PRIME STRATEGY NEW YORK, INC.設立 President就任(現任)
2018年3月 一般社団法人BOSS-CON JAPAN 理事就任

最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方「IPOスケジュール【2022~2023年】」をご覧ください。

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※本記事は2023年1月24日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。


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